赤帽は軽トラ1台で個人が独立開業できる手軽さがある。元ホール店長のAさんも最初は1台でスタートしたが、宅配業界の忙しさに歩調を合わせるように定期配送の仕事も舞い込み、人を雇い、軽トラの台数も増え、法人化を図った。
Aさんの会社に最近、一般家庭用パチンコ・パチスロ中古機販売の会社からの仕事が舞い込むようになった。
クロネコヤマトが1個30キロを超えるものを扱わなくなったのは、2017年6月の料金改訂から。これで優に40キロを超えるパチンコ・パチスロを宅配便では送れなくなった。どうしても送る場合は大型家具などの配達を行う家財便を使うことになる。
家財便は2人で運ぶので必然的に値段が跳ね上がる。
この煽りを受けたのが、一般家庭用販社だ。1万5000円までの中古機を買う層が、運賃が5000円以上もかかるようになり、全く売れなくなり、死活問題にまでなった。
そこで仕事が回ってきたのがAさんの会社だった。赤帽なので遠方には行かないが、販社と同一地域のみを請け負うようになった。
遊技機の重さは承知している。扱い方も昔取った杵柄でお手の物だ。
中古遊技機の宅配を行うようになって、需要が増えてきた。
どうしてか?
「ヒントになったのはジャパネットたかたです。あの会社はパソコンを買ったお年寄りには自宅に出向きセッティングから、使い方の指導までしていますよね。まさに、『これだ!』と思いました」(Aさん)
Aさんはジャパネットたかた方式で、玉補給からスタートカウンターのセッティングまで行い、すぐに使えるようにしたことがユーザーに受けた。
それだけではない。ハネモノファンからは「打ち止めになるかならないかのギリギリの釘調整はできないか」との依頼があった。
ジャンジャン入るばかりでは、打っていても楽しくない。打ち止めになるかどうかのせめぎあいを楽しみたいのである。
ハネモノ調整の経験もあるAさんにすれば、これもお手のものだが、釘調整は別料金で2000円頂戴している。
赤帽の仕事は順調ながら宅配業界も慢性的な人手不足が続いている。そんな業界向けのセミナーにAさんは参加した。
輸送業界は将来的にはドローンの活用も期待されているが、20年後でも実現は厳しそうだ、という。トラックの自動運転は高速道路は可能になってくるが、荷物の積み下ろしは人の手が必要になることは変わらない。宅配のライバルはコンビニでの受け取りなどという話が聞けた。
性格的に接客が嫌いなタクシードライバーが宅配業界に転職したことから、人手不足解消には引きこもりをいかに運送業界に呼び込むかが、今後の課題だという。

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