パチンコ日報

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生活導線を作る話・・・本編その③

ちょっと前に登場したパチンコファンの小谷田さん(仮名)の話。



小谷田さんは、いつも同じ店に行く。

その店に通い始めて15年。近くに新規店舗がオープンしても、競合店が新装開店しても基本はいつもの店舗で遊ぶ。



小谷田さんのようなお客様は、どこのお店にも必ずいる。それは不振店でも何人もいる。



これが生活導線のキーになる。



なぜ、小谷田さんは同じ店に通うのか。この原因が分かれば戦略は立てやすい。



いつも競合店で遊ぶ小谷田さんを自店舗へ足を運ばせる方法を考える。これが戦略の柱だ。



キャバクラ客が常連になるのはお目当てのキャバ嬢がいるからだ。従って、お目当てのキャバ嬢が移籍すれば客もついて行く。



同じ常連でもパチンコ店の常連客は、従業員が他店へ移籍したからと客が移動することはない。



閑古鳥が鳴く店舗でもナゼ常連は存在するのか?



理由は、日本のパチンコ店の数だけある。いやそれ以上あるのだが、皆さんは自店の大切な常連さんのその気持ちが読めているかが問題だ。



以前調査した郊外店の結果はこうである。



Q 何故お客様は、このお店だけに通うのですか?



A  *仲のいい常連さんがいるから

  *知らない店だと落ち着かないけれど、通いなれているから安心できるから

  *従業員と顔なじみだから

  *会社の帰り道だから

  *そんなに混みあってないので、台を選べるから

  *相性がいいから

  *お店の癖が判るから=台調整のこと

            

当たり前のことが沢山出てきた。



これは競合店でも同じことがいえる。つまり、競合店のお客を奪うのは容易いことではない。



こんなこと分かり切っている、と読んでいる皆さんは思いますよね。



競合店からお客を呼ぶ手取早い方法が新台入れ替え。

でも集客できるのはその時だけで、時間が経つとお客様はホームグランドへ戻る。



これの繰り返しがパチンコ営業で行われてきたのが実状だ。



風俗営業法の下でのパチンコは今年で54年。

来年は55年目なのだが、この経済状況で何店舗が閉鎖されるのだろう。

この機会に、不振店は地道な戦略も合わせて行ってみないか?



これから1年かけて、地道に生活導線を自店舗に向けさせる計画をたてよう!



その方法は小さな努力をコツコツと積み重ねるしかないのだが、この業界の体質でそれができない。



「他の業界ではできるのに、この業界は苦手」。

あえていう。ギャンブル産業のパチンコ営業の弱点がこのコツコツだ。



繁盛店にはこの話(=生活導線の話)は必要ないが、繁盛店だったところが閉店に追い込まれるケースもあるわけだから、他人事ではない。



下記の例を読んで欲しい。



日曜の朝起きた小谷田さんは、馴染みのパチンコ店に行く。

つまり、小谷田さんには馴染みの店舗までの生活導線は太いことになる。



同じ日曜の朝、これからどこのパチンコ店へ行くか迷っている阿部さんがいる。

阿部さんは半年前に引っ越してきたばかり。まだ、近くに馴染みがない。



阿部さんはその朝、パーラーAに向かうことにした。

理由はパーラーAの直ぐ近くにマクドナルドがあるので、そこで朝食を食べることに決めたからだ。



それからの阿部さんは、日曜のパチンコはパーラーAと決めた。この瞬間、阿部さんの日曜の生活導線がパーラーAにつながった。でも、まだ細い。



平日、阿部さんはパーラーBで遊技している。

会社の帰り道にパーラーBがあるためだ。既にパーラーBには太い生活導線ができていた。これは太い。



生活導線はこの様な考えから始めるのだが、この段階はイロハの「イ」である。



序ノ口。先は長い。



どんな業種でも地域のお客さんの集客は、お客様の生活導線を把握することから始まる。



一度この導線が大まかでもいいから分かれば、後は机上の予想でも大丈夫なことが多い。



スーパーを新規オープンさせる場合、競合店に行くお客様を自店舗に引き付けるには、こんな方法を取る。



*競合店より安い価格にする

*新鮮な商品を置く

*多くのお客様の目を引くために、目玉価格商品を日替わりで出す

*チラシを大きく見やすく、そして所在地を分かりやすく表示する



こんな作業を1年間通して行い、初めて競合店舗のお客を奪えることになる。これは小売業の常識だ。



さて、次回はパチンコ業に置き換えた場合の成功例をいくつか挙げてみる。



続く
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