給料日後の日曜の朝、小谷田真紀男さん(仮名)はパチンコ店に行くことを前日から決めていた。
パチンコファンの小谷田さんは、昨年から続く不況で給料が減り、小遣いも厳しい状況なので、なかなか好きなパチンコができなくなっている。
試しにカネのかからない1パチもやってみた。「必殺仕事人」でせっかく20連チャンしたものの、1万5000円にもならなかった。刺激が少ないので、自分には合わない、と判断した。
小谷田さんの近所には6店舗のパチンコ店がある。決まって昔から馴染みの店舗に行く。
馴染みの店を選ぶ理由は、特段ない。ただ、昔から馴染みなので行く。
小谷田さんの様に店選びの大きな理由が「馴染み」というだけで選ぶケースが意外と多い。
この傾向はお客様が年配だとより強くなる。どこの市場調査でもこれは同じ傾向だ。
地道にお客様を増やさなければ、弱小店は廃業の道を辿ることになる。これは脅しではない。現実の実体経済がそれを暗示している。
ピーク時には1万8000店舗以上あったパチンコ店が今は6割強。
「このままパチ業界が変らなければ、将来1万店割れは確実」と大手銀行や証券会社系の総研に勤務の友人は断言する。
彼らが分析する中で、一番パチンコ業界が疎いのが、将来の消費税アップ。
消費税が今後7%>10%>13%>15%>…最終的には17.5%以上になると予想されているが、15%になれば、それだけ出玉は減る。
今からそれに対応できる体制固めが必要とされている。
ところが、メーカーは目先の利益だけしか見ていない。これが一番パチンコ業界の悪い所だ、と指摘する。
最悪のシミュレーションでは7000店以下になる可能性もあるという。
根拠は将来のレジャー費削減が予測されるからだ。
少子高齢化のために社会保障費の増加、若者たちの所得減等など。
消費税19.6%のフランスで若い女性は、ルイヴィトンのバックなんか持っていない。買えないのだ。
日本も同じ様な現象が起こりつつある。
読者の皆さんは、そんな先のこと、と思うかも知れないが、時代の流れは想像以上に速い。
先日お話した米国のGMは急速に経営が悪化した。時代の流れに追いつけないのだ。
この記事が掲載されているときの為替はいくらになっているか分からないが、本日ロンドンで1ドル91円になった。
1ユーロはこの間まで168円だったのが、本日は120円。
為替レートもエコノミストがほとんど当てられないくらいのスピードで変化している。
先日、東京のタクシー業界で大きなニュースがあった。
タクシー超大手N社が、減車の申請を行ったのだ。しかも100台以上。
ついこの前までは増車、増車と強気な経営をしていたにもかかわらずだ。
大手が減車するということは、ハイタク業界では激震なのだ。これもある種、時代の流れを先読みしているのだろう。
今、小さなホールで必要とされているのは、この先を読む営業方法だ。
今からでも遅くはない。お客様を自店舗に向かせよう。
小谷田さんの様な日曜の朝からパチンコをするお客様の頭に、真っ先に自店舗が思い浮かぶようにさせよう。
それが導線作りの手始めだ。
続く
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