パチンコ日報

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新規出店の失敗事例に学ぶ

東京都内。

JR中央線のとある駅のまん前に新規オープンした店が苦戦しているようだ。



元々、その駅の北口にはパチンコ店が2店舗あった。そのうち1店舗は駅のまん前、徒歩30秒である。



その地域では有名な超優良店の真隣に、今春、新規店舗がオープンしたのであった。



箱も中身も新築。駅前なので自前の自転車置き場をビル内に完備した。



隣の優良店は3.3円交換。

新規店舗は等価交換でスタート(現在は1パチも併用)。



ところが、新規店は1カ月で閑古鳥が鳴いた。



オープン当初、席に着いて台間サンドに紙幣を挿入しようとすると入らない。

挿入できないない理由は、サンド内にICカードがゼロ! つまり、カードを従業員に挿入してもらわないと玉が借りられないのだ。



今はカイゼンされており、会員は自分の会員カードを使えばいいのだが、非会員は

遊技する際は、いちいち従業員を呼ばなければいけない。



このように、いちいち従業員を呼ばないと遊べないとなると、二度と来店したくなくなる。



駅前店なのに、フリー客のことをまったく考えない営業方法だ。



従業員に理由を聞くと「システム上の問題」という。



それから今日まで店長を変えたり、1パチを始めたり、各家庭のポストに直にチラシを入れたり、と苦労を重ねているようだ。



このポスティングが間抜けらしい。

地元住民によると毎回同じチラシが2枚、3枚とポストに入れられていたとのこと。おそらく、チラシ業者が適当に配布しているのだろう。



「ゴミになるから、複数枚のチラシは入れるな!」と町内会の世話役からそのホールに苦情が入れるはめに。



これが普通の業種のチラシなら苦情にならなかったかも知れない。



益々評判が悪くなるホール。



相変わらず隣の優良店はお客様で一杯だ。



以上は極端に間抜けな例だが、つまり最初が肝心なのである。



完全新規オープン店や既存店舗を買い取って新規オープンする場合、集客戦略は本当に計画的に行わないとヤバイ。



今から15年ほど前のことを思い出す。

千葉県富里IC近くにある店舗が譲渡された。



以前のホールは閑古鳥が鳴く毎日だった。そのホールを別のチェーン店が買い取り、大改装を行って大失敗した。



その失敗事例を私は教科書にしているが、世間では同じ失敗を多く見かける。



亡き父が電通勤務だった。その関係からその手の戦略を数多く見て来た。



第1回の国際モーターショーは東京晴海で行われた。今から30年以上前のことである。その時の責任者の一人が父だった。



どうやってお客を呼ぶか。これが課題だった。



ただ宣伝するだけでは、お客は集まらない。

そこで、日本中にスーパーカーブームを作った。というより、その土壌ができあがりつつあったので“肥料”を与えたのだ。



結果、連日入場まで3時間待ちの大盛況。大黒字が出てしまった(笑)。



父から数多くの手法を学んだ。

どんな新規でもやり直しはきかない。新規時に失敗した場合、それを取り返すには5倍の労力がかかると聞かされた。



それを胆に命じ、パチンコ店長時代は教訓を活かして成功してきた。



パチンコ店での集客で大切なことは、お客様の「導線」を自店舗にもってくることだ。



優良店なら問題ないが、不振店の場合はこの導線が重要なのに、それに気づいていない店舗が多い。



気づかないから、新台入れ替えに頼る。



簡単にいえば、お客様の習慣を変えることが必要だ。



競合店で満足しているお客様を自店舗のファンにさせるのは、本当に難しい。



お客様が新規店舗に求めるのは、空間に居心地の良さであったり、出玉だったり人それぞれ。



一番重要なことは、今までの習慣を変える戦略が必要だ。



分かりやすくいえば、居心地のいい彼女に家に行く感覚、美味しい定食屋に行く感覚とでもいえよう。



不振店でいくら新台を導入しても、稼動、売り上げは現状維持が限界点の店舗が大半だろう。



それは、お客様の導線を新規開店の時に増やしていないからだ。どうせなら、新台入れ替え等のイベントで新規客を固定客にするのが理想である。



競合店にない機種を導入して、その店の個性を打ち出す営業方法にプラスαでお客様の導線を加えることが大切。



導線=お客様の生活活動線。



お客様の習慣を1年かけて変える。これをしないことには、不振店はいつまでも不振店から脱却できない。



ほかの店では優秀だった店長が、不振店で成績が出せないケースは、これができていないからだ。



先日の空気入れの話。実はこれが生活導線に関わるのだ。

店舗に入るかどうかは別として、自転車に空気を入れるためにホールまで出向くお客様はいる。



この小さなことの積み重ね、小さな地道な方法。これを1年計画で立ててみる。



まず自店の周辺を調査する。



例えば、飲料水自販機で100円ではインパクトがないので、90円自販機を設置する(私がよくいく家庭裁判所では、伊藤園のお茶が1本90円だから可能だと思う)。



例えば、地元敬老会の人たちが製作した作品の展示会の場所を提供する。



例えば…



と何でもいいから始めてみる。同時に、普段の店舗運営も大切にする。



きっと個性的な店舗ができあがるだろう。



続く

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