パチンコ日報

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ラスベガスのカジノホテルで聞いた集客の話

モロッコ、フランス、日本、米国、と世界中を飛び回っている元店長からこのブログに久しぶりにコメントが付いていたが、待望久しかった寄稿までいただいた。



これを読んだフィールズあたりが動いてくれたらうれしいのだが。パチンコ人口を4500万人にするといっていた計画はどうなったのか。



以下本文。



あるカジノホテルのカジノホスト(カジノ顧客責任者)と懇意にさせてもらっている。その人から、面白い話が聞けたので紹介する。



1998年ごろ、金回りの良かった私は、カジノで派手に遊んでいた。そんな客をカモにするために、カジノホストは声を掛けてくる。



あるカジノホストとの出会いはこんな会話からだった。

「どこのホテルにお泊りですか?」

「会員カードはお持ちですか?」



会員カードをカジノ内で使用していると、どの客がどのゲームでどれだけ遊んだか全て分かる仕組みになっている。



ポーカーやルーレットでは使用金額と遊戯時間。スロットではどの機種(5セントルーレットや3ドルルーレット等)で何時間遊戯したのか。全てカジノ側PCで把握されている。



カジノホテルは使用金額で客をランク付けしており、ホテルでのサービス内容が決まる。



例えば、あるカジノホテルの「シルバーカードホルダー」は、ホテル内のレストラン、バー、宿泊費、観劇代金、ルームサービス、SPAは2名まですべて無料。



「ゴールドカードホルダー」は人数制限なしで、上記の内容に加え、往復航空代金も負担してくれる。



最上級ランクになると客室はスイートだったり、飛行機がファーストクラスだったり、入手が困難な公演のチケット付きだったりする。



日本でも有名なシルク・デュ・ソレイユの公演『O』(オー)の客席稼動率はこの数年間99.5%。このプレミアムチケットを付けるだけでも集客効果がある。



金に糸目はつけない集客ノウハウが蓄積されているカジノだが、将来の日本でのカジノホテル展開のために、彼らはすでにシミュレーションをしていた。



マカオのカジノの売り上げはラスベガスを抜いたらしい。もともと賭け事が好きな中国人のお膝元だから、それは想像通りだったようである。



さて今回の寄稿は、日本版カジノの話しをするわけではない。最終的にはパチンコの将来のこと。



賭け娯楽の頂点に君臨するカジノ関係者が、日本のパチンコに関して想像以上に知識があり、面白い話を聞かせてくれたので、その話を進めたい。



日本でカジノができても、日本人はパチンコやスロットが生活に根付いているので、簡単に定着すると話していた。さらに、売り上げ面でパチンコ業界が受ける影響は限定的だとも。



日本では東京でカジノを開く場合は、誰もがお台場だと思っているが、そのカジノホストから出た地名は「U RA YA SU」だった。



つまりあの巨大娯楽施設の横が最適だということ。集客効果は様々な施設の複合体から大きなものが得られるのは、常識中の常識。



今、流行のショッピングモールもそう。大手スーパーと多数の専門店に巨大映画館の複合。



日本のパチンコも将来その様な形態を目指さないと立ち行かなくなると予想していた。



世界一を走り続けていた自動車メーカーのGMの株価が現在は、1年前の10分の1まで一時値を下げた。



サブプライムローンの影響もあるが、それだけではないのはご承知の通り。



GMは小型自動車の開発に出遅れていた。将来の原油高やエコ関係の動向を読めなかった。



彼らの目にはGMと日本のパチンコ店が同じ状況に写るようだ。



日本は少子高齢化現象で将来的に人口が減り、高齢者は増える。このままでは30年後のパチンコ業界は確実に衰退すると予想する。



アメリカは移民の関係で人口が増えている。だから今不況でも蘇る力はある。



日本はその逆。一部の産業は伸びるが、娯楽産業全体でも国内需要は衰退し、現在の売り上げは望めない。



日本のカジノ構想は、展開される地域が限定されているので、人口減少でも影響は小さい。



しかし、パチンコ店はそうはいかない。地元地域に根ざす地場産業であるからだ。



カジノ関係者は日本のパチンコ産業の川下には興味がないようだ。興味がないといっても、同じギャンブル産業の一つとして研究はしている。



パチンコ店は今から集客方法を検討しなければ恐ろしいことになる、と話していた。



日本の小売業の売り上げが落ちている。これはパチンコ業界の将来を暗示している。イトーヨーカドーもイオンも不採算店舗を閉鎖する計画を発表した。これもパチンコ業界とはリンクする問題だ。



ただ、小売業は海外展開で売り上げ確保を狙うが、パチンコ業界は無理な話。



米国のギャンブル産業は、小売業とリンクする傾向があるが、人口減による売り上げ減は未だ経験していない。



つまりカジノ関係者は、日本のレジャー産業が人口減少にどう対処していくか、という観点から注目しているのである。



日本のレジャー産業は様々な種類がある。パチンコ、エンタメ(映画・観劇など)観光…などなど。



浦安のTDLはこの上半期の売り上げは増収増益。しかし、将来を見越し、今年から常設劇場を建設してサーカスを招聘した。総額120億円の企画で、米国のシルク・デュ・ソレイユと10年以上の長期契約を行った。





劇団四季は年末から、各公演のチケット代金を値下げする。S席会員料金1万500円を8800円に。その他の席も値下げする。



年間10億円の収入減だが、長期展望からの値下げである。



パチンコ業界は1円パチンコなどで巻き返しを図っている途中だ。しかし、これは米国のスロット代金設定と同じ手法。米国のスロットは、昔から5セント機があり、それなりに機能しているが、売り上げ利益には貢献していない。



つまり将来的に人口が減少する日本では、1円パチンコに代わるものを検討しなくてはならないということだ。



一番簡単な方法は、集客方法の検討と確立だと話していた。



パチンコ店での継続的な集客ツールとして、カジノの様に大きな興行は打てない。となるとパチンコ店を地域のオピニオンリーダーにするしかない。



コンビニやスーパー、GS、介護センターなどの併設を含む複合化計画である。



許認可の関係から今すぐには難しい。しかし、30年後も業界が生き生きとしているためには、今から業界の上部団体はロビー活動を始める必要がある。



将来、単独では生き残れないパチンコ店は数10%ある。地方で生き残るには、複合化も一つの大きな方法である。



その役目を負うのが金のあるメーカー。



メーカーが今から旗を振り、ロビー活動を行わないと、将来パチンコ業界は危うい、と予測していた。




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