パチンコ日報

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常連さんの手紙に心を動かされたオーナー

都内に勤務する店長が常連さんから旅行を誘われた。店長は行きたかったが丁重に断った。



常連さんは女性ばかりの8人のグループで、平均年齢は70歳以上。女性といっても、おばあちゃんたちばかりだが、黒1点というのも気が引ける。



旅行に誘われたことはオーナーに報告した。



するとオーナーはここで、はたと思い浮かんだ。



「旅行といえば夜は宴会はつきもの。宴会の食事のグレードアップと飲み放題のプランをホテルに電話しろ!」



すぐに店長にホテルに手配するように指示した。費用はオーナーのポケットマネーだった。



行楽シーズンの秋口に、8人のおばあちゃんたちは、連れ立って熱海まで1泊の温泉旅行に出かけた。



おばあちゃんたちは、いつもホールで出会うだけで、それぞれの素性は詮索することはなかった。



今回が初めての旅行だった。



ホテルに着いて、温泉で体を休めた後、お楽しみの宴会が始まった。



ホテル側からホールの好意で、宴会の食事がアップグレードされたことと飲み放題になっていることを知らされる。



9800円の一泊旅行の料理が、豪華になったことに感激したことはいうまでもない。



旅行から帰るとおばあちゃんたちから感謝の手紙を店長が受け取った。



「年を取ると新しい店へ行く気力もない。新しいところへ行っても知らない人ばかり。やっぱり知っている人がいる店で遊ぶのが一番落ち着く。私たちにとってこの店は終の棲家。死ぬまでこの店でお世話になります」



この手紙を読んでオーナーは心を動かされた。自分の店を終の棲家だと思ってくれているお客さんがいるわけだ。



「必要以上の粗利を取ってはいけない。粗利は食べていけるだけの適正粗利でいい。盆や正月だからといって釘は閉めてはいけない」



今年の12月、ボーナスシーズンになっても、釘は必要以上に閉めることはしなかった。



21日からの3連休は前年対比で10%の稼働アップとなった。



「やはり、釘を開けて回すとお客さんは来てくれることを改めて思い知りました」と店長。



お客さんの顔が見える営業をしていたら、簡単に釘を閉めることはできない。



オーナーの覚悟はできた。



正月は黙っていてもお客さんが来るので、極めて渋い釘になるのが、業界の常套営業だが、平常営業で突っ走ることを。



今いる50代のお客さんが後、20年以上パチンコを続けてもらうためにも。





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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. メーカー還元

    必要以上に粗利を獲る行為を続けるとどうなるか?小学生でも分かります。

    その小学生が近所の駄菓子屋でクジ引きにハマり、しかし毎回当たりが出なければ直ぐに止めるが当たりを経験した子供だけは止められない!でも景品が小さくなり当たり確率を下げ、その上クジ引き代が値上げされたら止めるよね?

    今のパチンコ屋はその状態ですから

    そんなパチンコ屋に止めた人たち曰わく、店に近づいたら最後!金が無くなるだけと口を揃えて言います。

    友人であるパチンコ屋の中堅クラスの人でさえパチンコから脚を洗ったと笑ってます。

    今のパチンコ屋は将来像を描かず行き当たりばったりで粗利を取り過ぎなんですよね。そしてその金で新台を毎週のように買う。

    客に還元するのではなくメーカーへ還元しエンドユーザがドンドン減るが気にしない!

    それは更に閉めれば少ない客相手でも経営が成り立つから
    たま  »このコメントに返信
  2. ピンバック: たま

  3. 終の棲家ですか・・・

    終の棲家・・、そして終の道。

    この言葉を口にする方々がファンの中心層と云う現実。

    何とも、業界の“儚さ”を感じてしまいます。

    2013年、今日で終わりです。



    『つひのみち-きのふはすきぬ-けふもまた-よもとおもふそ-はかなかりける』

    (終の道-きのふは過ぎぬ-今日も又-よもと思ふぞ-儚かりける)

    【『続古今和歌集』巻16哀傷歌】
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 蜻蛉の親爺

  5. 来年も楽しく読ませていただきます。

    全てのホールが害悪じゃないんですけどね。



    オーナーが客を見てるホール。少ないとは思いますがそんなホールが末長く残っていく事を切に願います。





    僕は自分が負けるのをホールのせいにはしません。選んだ自分が悪いのです。来年も自分の小遣いで遊戯できるホールを立ち回って行きます。





    それでは良いお年を。
    通りすがりのものですが、  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 通りすがりのものですが、

  7. 2014年

    今年も今日で終わりです。パチンコ業界も2013年は何とか持ちこたえられました。2014年には全滅はないでしょうが何百件が廃業するのか?

    客から支持されなくなり、今ではギャンブル依存症の人たちと、1パチで時間を潰す高齢者のみで成り立っている経営では……

    しかしスロット4号機時代は客も借金してまで打っていたけどあれはやり過ぎだった。その金は店舗拡大資金になり挙げ句店はガラガラ

    残ったのは銀行への借金と大きな店舗の維持費、そして増員した従業員の人件費。

    これでは客に遊ばせる金など出てこない!それが現実。

    そんな事を考えれば末期状態の店に期待する方が悪い。良かった時代である原点にも戻れず先にもいけず、ただただ今日を乗り切るだけの自転車操業では死ぐのを待つだけです。

    2014年に警察が更なる規制をしてきたら終わるかもしれない。
    アイドル  »このコメントに返信
  8. ピンバック: アイドル

  9. Unknown

    一見客やライトユーザー比率が増える盆や正月に多めに頂くことで、

    常連のお客様やヘビーユーザーに還元できるという見方もできます。

    多客期にシブいからただちにいかんというのは、やや短絡しすぎですか(^^)



    柴門  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 柴門

  11. 今年

    最後のエントリーで今年一番のエントリーを読ませていただきました
    兼業7号  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 兼業7号

  13. グッジョブ♪

    全国のオーナーと店長はこのエピソードに学んで欲しいです。



    別に旅行の援助をしろという話では無く…。



    このサイトにも言えること。

    一つ前の記事を見たら『アンチ』と一言で片付けている。



    殆どが業界人か、パチンコ・パチスロを打ったことがある人間の意見にも関わらず。



    批判を生かすべきでしょう?



    アンチで片付けるならこの日報は必要ありもせんよ。



    まとめは必要ですが、今年一番疑問が沸いた記事でした。



    この記事の内容に批判を加えて様々なことを考えて頂きたいです。



    依存性  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 依存性

  15. 年末最後に最高に素晴らしいコラムです

    年末最後に最高に素晴らしいコラムです!お客様が店長に旅行に行こうと誘い、ご希望に添えないのでオーナーさんが配慮していただいて、来年はお客様とコミュニケーションがきちんと取れるホールが残りますように。又、パチンコに対してネガティブ過ぎる発言が少なくなれるようにホールもユーザーも楽しくコミュニケーションが取れますように



    みんなが楽しく過ごせる一年になりますように(^O^)
    Ciao  »このコメントに返信
  16. ピンバック: Ciao

  17. Unknown

    あるべき姿。

    大きい企業になるほど難しいですね。

    中堅ですが私のような末端には発言権すら与えられません。

    粗利という言葉が耳に痛いです。



    本年も拝見させていただきます。

    よろしくお願いいたします。
    R  »このコメントに返信
  18. ピンバック: R

  19. Unknown

    この記事は人間関係の機微を読む良いエントリーだけど、「アンチ」と呼ばれる人たちは釘を開けて回すという表現に過去エントリーで何度も食いついてきた。

    また、多くの業者の中の一例から拡大解釈して、同じ業界というだけで関係ない者を誹謗中傷するコメントも「アンチ」と呼ばれる理由だと思う。

    「アンチ」と切り捨てられる意見に、まともな批判は印象にない。
    良い話  »このコメントに返信
  20. ピンバック: 良い話

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