あるパチンコホールオーナーは、新たに買収したホールの改修を進める中で、集客のための一風変わったアイデアを思いついた。
「駐車場にハワイアン松明を設置してみてはどうだろうか?」
この発想のヒントとなったのは、すかいらーくグループが展開する「ラ・オハナ」だった。ハワイに行った気分になれるレストランをコンセプトにした店舗で、店の入口にはハワイアン松明が焚かれている。店舗に入る前から異国情緒を感じさせる趣向が、来店客の気分を高める。
オーナーは、「派手な電飾よりも、松明の方がホールに入ってみたくなる効果があるのではないか」と考えた。駐車場に10本のハワイアン松明を設置することで、来店動機を高める狙いだ。
「絶対に客が興味を持つはずだ」と自信を見せる一方で、内心には一抹の不安も抱えていた。
「果たして、パチンコ客は松明に魅力を感じるのだろうか?」
パチンコ客が求めるのは、何よりも「出玉」である。どれだけ雰囲気を良くしようとも、最終的には勝てるかどうかが来店動機の決定要因となるのが現実だ。
「雰囲気の良さだけで客が増えるなら、どのホールも苦労はしない……」
そう考えると、この施策の効果がどこまであるのかは未知数だ。
しかし、ホールが厳しい状況に置かれている今、何もしないわけにはいかない。オーナーは、この新しい試みが吉と出ることを期待しながら、実行に移すかどうかまだ悩んでいる。
売るべきか売らざるべきか
また別のホールオーナーには、別の大きな悩みがあった。それは、「最後の1店舗を売るべきかどうか」という問題である。
かつて最盛期には5店舗を経営していたが、業界の変化とともに店舗を減らしていき、現在は1店舗を死守している状況だ。本来ならば、次世代に事業を継承し、会社を存続させる計画だった。しかし、このオーナーの30代の息子は最近になって、「会社は継がない」とはっきりと断言した。
「この業界の未来を考えると、長く続けることは難しい」
息子の言葉には、業界全体の厳しい現実が反映されていた。
そんな折、ある企業から「ホールを買いたい」という申し出があった。
これはまたとない機会かもしれない。ホール自体は赤字ではなく、日々現金収入が入る経営状態を維持している。しかし、買い手が現れた今が「売り時」なのではないか、とも考えられる。
「もしこのまま経営を続けて、今後業界がさらに厳しくなったら……?」
オーナーは、様々な可能性を天秤にかけながら思案する。売却すればまとまった資金が手に入り、将来のリスクを回避できる。一方で、長年守り続けてきたホールを手放すことには、大きな葛藤があった。
「このホールは、自分の人生そのものだ。簡単に手放してしまっていいのだろうか?」
決断を下すには、もう少し時間が必要だった。業界の動向、自身の気持ち、そして家族の意向——あらゆる要素を考慮しながら、オーナーは慎重に答えを出そうとしている。
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