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セカンドキャリアに焼き芋屋

週刊誌ライターがサラリーマンの副業取材の過程で知り合ったのがホールスタッフだった。で、彼らの副業は焼き芋の移動販売だった。一時期リヤカーを押すタイプもあったが、正統派の軽トラでの販売方法だった。取材したのは4~5年前だったが、その時点で焼き芋販売をして10年が経過していた。今でも、続けている。

信じがたいことだが、副業はホールオーナーのススメだった。

使わなくなった焼き芋の軽トラがあったことに加え、オーナーの親せきが農家でサツマイモなどを栽培していた。規格外のサツマイモは市場に出荷できないので廃棄処分にしていた。

つまり、廃棄処分にするサツマイモなので仕入原価も発生しない。さらに使わなくなった中古の軽トラもある。元手もかからず、すぐに始められる、という好条件が揃っていた。

この話に2人の社員が乗った。

焼き芋シーズンになると公休日を使って焼き芋販売を始めた。

仕入原価はゼロなので、試食は大盤振る舞いした。10年以上も続けていると売れる場所も分かってきた。

その一つがホールだった。もちろん、自店ではない。身分を隠して他店での軒先をタダで借りることができた。ホールでの屋台販売と言えばタコ焼きや焼きそばが定番だが、意外と焼き芋はない。

昼間はホール。夕方になると学習塾の近くに停め、子供相手に半額で販売した。さらに、夜は、歓楽街へ向かい、スナックの酔客をターゲットにした。小腹が空いたスナックの女の子に焼き芋は受けた。

1日の売り上げは少ない時で2万円。多い時で5万円になった。

何よりも仕入原価はゼロがありがたかった。経費と言えばガス代とガソリン代ぐらいだ。1シーズンで100万円ほどの副業収入が入った。

農家にしても廃棄処分のサツマイモが商品として循環することがありがたかった。この仕入先を持っていることが何よりも強みだ。

これで俄然、独立を目論んでいるのが67歳の店長だ。焼き芋販売をやっていたのは部下だが、定年、再雇用を過ぎた年齢だけに本業にする気満々だ。セカンドキャリアとしても悪くない話だ。


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