退職理由は「上が詰まっていてこのままでは店長になれない」。転職先だって新規出店をガンガンしているわけでもなく、店長のポストはおいそれとは空かない。
上の役職に就くには本人のやる気と実力が伴い、加えて下をまとめるリーダーシップも求められる。その能力があれば前職でも店長になれそうなものだが…。
前職では同期のLINEグループがあった。
そこには各人の本音が綴られていた。
「給料は他よりもいい。退職して飲食業界に転職したやつは2年半で店長になれたが、サービス残業込み、込みで年収400万円で大変だとぼやいている。成長過程が完全に止まってしまっていることが問題」
「将来が不安で、まったく先が読めない。このままだといずれリストラが起きるかも知れない?」
「大卒で入社しても一生店長になれない人もいる。余分な人が溢れて40代半ばから50代になった時にどんなポジションに就いているか不安」
「店を増やすよりも、減らす傾向にある。同期が辞めないとポジションもない。残ったものが勝ち組になれるのか?」
などと将来に対する不安がLINEグループの中で語られている。
入社9年というと中堅どころの社員である。中堅どころがそういう不安を抱いているということは、当然、入社1年生にも伝わるものである。
出身は島根県。新卒で入社して1年で辞めたがっているので親は島根に帰って来い、と思っている。入社1年目でも島根の一般的な初任給に比べたらいい給料をもらっている。島根に帰っても目ぼしい働く先はない。
1年生が辞めたがっている理由も「ポストが詰まっているので主任にも上がれない」。そんな1年生の悩みをある人が聞く機会があった。転職相談のようなものだった。
「店長になれないと愚痴を言う先輩が多いので、今の会社ではやっていく気がありません。親は田舎へ帰って来いといいますが、今はまだ田舎には帰りたくない。東京で働きたい。規模が小さくても頑張れば自分の存在が目立つようなホールに転職したい。いいホールを知りませんか?」
第一印象は社交性がない。これでは他のホール企業に転職しても結果は同じことのように思えた。数合わせの採用組のようにも思えた。
「業界が右肩上がりの時は学卒新卒を重視してもよかったが、業界が縮小する時代は優秀な人材も取りにくい。アルバイトや派遣から本当にパチンコ業界が好きでやる気のある人間を育てる方がいい時代に変わってきた」と話す。

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