この話を聞くと、少し前のパチンコ業界でも同じような事例があったことを思い出す。セキュリティーがしっかりしていなかった時代、パチンコ台が盗まれることがあったのだ。ある新店オープンの際には、警備会社のセキュリティー工事が遅れたため、店長が2晩もホールで寝泊まりする羽目になったという話もある。
しかし、そんな話も今や過去のものと思われていた。ところが、最近になって首都圏のあるホールに一本の匿名電話が入ったのだ。
「設置している台が盗まれるかもしれないので気を付けた方がいいですよ」
この警告電話を受けた店長は、その意味を理解できずにいた。今の時代、ホールに設置されているパチンコ台を盗んだところで、転売できるものではない。仮に盗んだ機械を他のホールが安く買ったとしても、設置すれば無承認変更となり、営業停止を食らうリスクが高い。さらに、クルマのように海外へ密輸したところで、買い手がいるとは思えない。
この警告の意味をめぐり、店の役職者たちが集まり、話し合いを重ねた。その結果、ある仮説にたどり着いた。それは「身代金目的のパチンコ台窃盗」ではないか、というものだった。
現在、人気機種なら中古でも100万円ほどの価値がある。仮に10台盗まれれば、その総額は1000万円に達する。それに加えて、盗まれた期間中の営業損失も発生する。そこで役職者たちは、オーナーに「いくらまでなら身代金を支払いますか」と尋ねた。すると、オーナーの返答は「20万円」というものであった。
さらに、警備会社に警報が発報してからホールに到着するまでの時間を確認すると、約10分だという。10分あれば、手際が良ければ10台ほど盗むことは可能かもしれない。しかし、そんなリスクの高いことを犯罪者が本当にやるだろうか?
この時点で、役職者たちの議論は行き詰まり、再び不可解な警告電話の目的について頭を悩ませた。万が一、そのような窃盗事件が起きた場合、必要になるのはパチンコ台に取り付ける「エアタグ」かもしれない。それさえあれば、GPSで所在地を追跡できる。
だが、ここでふと気づく。もしかして、この電話はホールを混乱させること自体が目的だったのではないか? 警備強化や無駄な費用をかけさせることで、何か別の狙いを達成しようとしているのかもしれない。いずれにしても、この謎の警告電話の背後には、まだ我々が見えていない何かが潜んでいるのかもしれない。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
ピンバック: 猫オヤジ
個人的にはこれじゃないかなって
身代金よりも現実味はあるのかなと
無駄な費用をかけさせて台の状況を悪くしたい人間の嫌がらせ
と考えるならライバル店関係者とかでしょうかね
まぁ妄想です
ピンバック: 名無し
ピンバック: 負けた人の嫌がらせかな