パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

業界の良識

パチスロ市場が右肩上がりで急成長していたころ、パチスロ業界を立ち上げたメーカーの社長が生前、業界を憂いこう疑問を投げかけた。



「80~90万台だったものが160万台の巨大マーケットになった。景気が悪い中で、台数が伸びているのはヘンテコリン。伸びた原因は爆裂機が市場を凌駕したこと。ホールは博打場的存在になっている。メーカー側にいわせると『甘い基準を精一杯つかったらこうなった』。節度をわきまえた方がいい。Sが先鞭をつけ、Aが追従した。許可を与えたから警察庁も強くいえない」



まさに市場規模も200万台へと急進するころで、パチスロ業界はわが世の春を謳歌していたころの話。



「パチンコ業界は規制と緩和の繰り返しを絶えずやりながらここまできた。今回は大目玉を食らいそう。緩和に乗ったメーカーは焼け太り。常識を持っているメーカーはバカを見る。業界に良識があれば警察庁からお目玉を食らうこともない」



そのツケで爆裂機が大きく規制され、パチスロ業界そのものがリセットされ、わが世の春を謳歌したメーカーに過去の栄華はない。リストラや会社の切り離しで焼け太った部分以上のものを吐き出している。



「業界に良識があれば警察庁からお目玉を食らうこともない」という言葉が耳から離れない。



良識のあるリーダーが業界を正しい方向に導いて行かなければ業界に未来はない。



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伝説のホールで生まれた新商売

ジャンバリが企画している出玉ランキングでは、今もトップを独走しているホールには伝説がある。



それは4.7号機全盛期。このホールのイベントはすさまじかった。たとえば、80台あった番長コーナーに全台設定6を入れた。



うそのないイベントであることは、打ってみれば分かる。たちまちその噂は口コミでまたたくまに広まった。



最初は並んだ順番にその整理券を配っていたら、開店プロが徹夜で並ぶようになった。それでは開店プロばかりにおいしい思いをさせてしまうので、シャッフル券に変えた。どの券が80台にありつけるかは分からない。ここで一つの商売が生まれる。



PS3の発売当初、家電量販店に並び屋を動員させて、ゲーム機をそのまま発売されていない海外などへ高く転売する行為が問題になったことがあるが、要はそれ。



組織が並び屋を動員して、設定6の当たり券を入手すると、それを3万円ほどで転売していたらしい。



うそのないイベントだから並び屋という商売も成立するわけで、これが全台6と謳いながら、1や2しか入れないガセイベントでは、まずそんな発想も生まれない。



本気イベントとは諸刃の剣だが、最終的にホールは黒だった。



一つの伝説が生まれるとその記憶は、客の脳に刷り込まれて頭から離れることはないようだ。



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トイレ専属清掃係のいたホールは今

最近、ホールが取り組んでいることの一つに経費節減がある。



それまで業者に任せていた補給装置や空気清浄機のメンテナンスまでも自社の社員に行わせて、出費を抑えているホールも少なくない。



これも今から7年ほど前の話なので、今はどうか分からないが、福岡のある1000台規模の大型店は清掃スタッフだけで7名いた。そのホールが特に心がけていたのがトイレ清掃。



トイレ専属の清掃スタッフを張り付けるほどの熱心さで、1人客がトイレから出るたびに掃除するのが、そのホールのやり方だった。



いついっても常にきれいなトイレのレベルを維持するためだ。



特に男子トイレは下にこぼす客が多い。そういうのを発見するとさっと拭いてきれいにする。神経質なほどトイレをピカピカにしていた。



オーナーがきれい好きという一面もあるだろうが、1000台クラスのホールで稼働が高くなければ、トイレ専属のスタッフを配置することはできない。



特筆すべきはトイレ清掃だけではない。



ダイエーホークスが優勝したときは、景品で祝った。



函館の朝市までスタッフがタラバガニを買い付けに行き、原価を割っての大奉仕に「豪華な晩ご飯ができた」と主婦が飛びついた。



普段も景品には力を入れており、夕方4~5時にホールを後にする300人ほどの女性客が晩ごはんのおかずを景品の中から選んで帰っていく。



最後は経費削減の話からそれてしまったが、今でもこのホールの稼働は気になるところ。



ホール名は「立ち向かう」という意味でその後に1000が付いている。



近郊の読者がいたらコメントを。



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Zoon川沿店は今

札幌市内のホール100店舗あまりを定点観測している月間レポートがある。スタートしてもう15~6年になる。



始めた動機は「ナゼあそこの店には客が入っているのか。総合的に見て自分の店がどういうポジションにあるか」を客観的に知るためだった。



月何回かホールの頭取りを行い、その店の平均的データを載せて、稼働率や集客率、接客マナーなどをランク付けしている。



スターと当初は取り囲まれ、事務所へ連れ込まれたこともあった。もともと頭取りは行っているわけで、それ以上のことは起こらなかった。



最初は稼動ランキングが主体で接客マナーをつけたのは随分経ってから。「接客をがんばった分、誰かが評価しなければがんばり甲斐がない」との思いからだった。



接客ランキングをつけたことで、札幌市内のホールの接客レベルが急速に上がったことも事実。



この月間レポートは半年契約で30万円だったが、研究熱心なホールは二つ返事で買ってくれた。自分たちが情報収集するのと客観的に見たのは違うからである。



「スタッフの意欲、身だしなみを見ていると経営者の考え方が見えてくる」という中で、今から7年前に小型ホールの生き残りの手本と推奨していたのが「Zoon川沿店」。



「お客が何を望んでいるかということに気づき、本気で客のためやってしまう」と舌を巻いていた。その姿はスタッフ自身が楽しく働き、お客を楽しませているように写る。



「私たちは札幌一入れ替えの少ない店を目指します」と宣言。当時からバラエティーコーナーに新台を入れた。海やバカボンの面白さをちゃんと表示し、スタッフも細かく遊技機特性を説明した。



「本気でお客さんのことを考えている。そこまで本気でやると小型店でも勝てる」と太鼓判を押した。



今、「Zoon川沿店」はいかに?



札幌市内の読者はいない?



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トミナガ流再生方法

対象は300台前後で、売り上げは1日300~400万円のホール。



お金もモノもない諦めムードの経営者だ。



弱小パチンコ店再生専門相談室のトミナガさんに出会ったのは今から7年前のことだった。そのとき心に残っている言葉がこれだ。



「売り上げを上げて報酬をいただくのではなく、コンサルが去ったとき何を残こせるかが大事」



トミナガさんの手法は、1年契約で完全住み込み。寝食を共にしながら店長レベル3人、釘師3人を育てることを目標とした。



そして、頭と腕を使って大手に勝てる方法を教えた。接客にしても大手の接客ではなく、お客の心に響く親近感のある接客を心がけた。



店内のコーヒーワゴン販売の女性には、お客の名前と嗜好を全部覚えさせた。その後展開したのが、「いつものですね」作戦だった。この一言で売り上げが大きく上がった。



景品カウンター係には、お客のタバコの銘柄を覚えさせた。端玉でタバコ交換に来た客には好みのタバコをさっと差し出す。このちょっとしたことがサービス業には必要で、客にすれば自分の好みを覚えてくれている、とうれしくなる。



さらに、1~2週間しか持たない新台を入れ替えて、機械代の支払いに追われるのではなく、「心の新台入れ替えができる組織」を目指した。



「俺は変わるんだ!宣言」と共に、固定概念から脱却できると経営者感覚のスタッフが育った。



その前に経営者が変わることだ。経営者の考え方が変わると中小ホールは見る見るよみがえるものだ。



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