パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

パチンコのノウハウを飲食へ!

今から20年前、2004年。全国のホールの数は1万5000店舗を超え、パチンコ業界は頑張って栄華を極めた。

しかし、この年に業界を揺るがす出来事があった。

風営法施行規則の改正でパチンコの種類区別が廃止され、ハンドルのバイブ機能や抽選演出スキップ機能、連続予告(擬似連続予告は除く)が禁止された。 さらには、大当り確率の下限が1/500に緩和される、確変割合の上限や高確率の上限など、かつてのルールが徐々に廃止され、業界の在り方は大きく変わろうとしていた。

この変化の波を、都内のホールオーナーの1人は敏感に察知した。オーナーは業界の将来に不安を抱き、不動産や飲食業といった別のビジネスに投資をシフトしていく。その理由は明白だ。パチンコ業界の将来は不透明であり、長期的に見てリスクが高いと感じたからである。

不動産業は順調だった。土地やビルの購入、賃貸業で利益を上げ、安定した収入源を確保することができた。

一方の飲食業は大きな浮き沈みを繰り返してきた。 例えば、ブームと見るやクレープ、タピオカミルクティー、ゴンチャ、高級食パン、チーズダッカルビなど片っ端から手を出した。

ブームは所詮一過性で終わる。最初から織り込み済みで、短期決戦を見据えていたものの、ブームが去るのは思った以上に早く過ぎ去り、多くの店が閉店の憂き目に遭う。

結果として、現在残っている飲食店の数は80店舗余。結構、 多いと思うが、この20年間5倍以上の店を閉店したというから、オーナーの苦労は察するに余りある。

飲食店はホール従業員を活用した直営店と、暖簾分けをした独立型の2種類で行われていたが、予想以上に独立型の方が成功するケースが多かった。独立型の店舗は自分の裁量で自由に経営ができるだけでなく、努力した分、見返りも多いため、結果として成功するのだ。

飲食業では多くの失敗から、成功する秘訣を学んだ。その一つが、「酒を提供できる業態が成功しやすい」ということ。 素人でも酒を提供した方が、客単価が上がることぐらいは分かる。

パチンコ営業の極意である押したり、引いたりの駆け引きのようなものを飲食業にも応用している。それが飲食業での特別感=ハッピーアワー=パチンコの出す、だ。特にサワー系はハッピーアワーで安く提供しても損することはない。

口開けと同時に集客するのはパチンコの新台入れ替えに相通じるものがある。

ホール経営一本で勝負し続けることは、リスクが高く、規制や市場の変化に影響を受けやすい。そのため、安定した収益を維持し、業界の不透明性に備えるためには、多角化が賢明な戦略でもある。複数の収入源を持つことで、一つの業界に依存するリスクを軽減できます。特に不動産や飲食業のような比較的安定した業界への進出は、収益の安定化やビジネスチャンスの拡大につながる。



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変えてはいけないものを変えてしまったがために…

ホールも顧客の一つになっている弁当屋の話だ。

コンスタントに売れている弁当屋なのに売り上げが下がり、1割減となった。何が原因なのかと常連客にヒアリングしたところ、意外なことが原因だった。それは「違和感」だった。しかも、たったそんなことで売り上げが下がるのかと、訝しがるような内容だった。

ホールには毎日15個の弁当を配達していたが、ホールでもその「違和感」は感じていた。

その違和感を作っていたのは、1年前にパートで新しく入ってきた主婦だった。ここの弁当屋はセロハンテープで弁当箱の蓋を中央両サイドで止めていたのが定位置だった。それを自分の感覚で勝手に変えていたのだ。弁当屋にしてもその辺の些細な変更は気が付かなかったが、常連客にすれば、いつもの位置にセロハンがないことに、多少のイライラはあったようだ。

弁当屋はセロハンテープの位置を元に戻すと共に、分かりやすいように色つきのテープに変更した。

そんなことぐらいで1割も売り上げが減るとは思えず、「盛っている感」もある。弁当は味で勝負だから、味が変われば、売り上げが減ることも考えられる。セロハンテープの位置の違和感でそんなに影響を及ぼすのか? 

この違和感の話について、ホール関係者が、自店であったことを弁当屋に話した。

若い新米店長が着任した時にそれは起こった。店内の雰囲気を活気づけようと、店内のBGMを若者が好みそうなものに変えた。その店は年配の常連客が多い店だったので、忽ち苦情が入った。はっきり苦情を言ってくれればいいが、「音楽が合わないから」と黙って来なくなるサイレントマジョリティーによって稼働が下がる方が怖い。

世の中、「変えてはいけないもの」があるという話だが、弁当屋にはつづきがあった。

サクラ大根の漬物を安物に替えてその分、量を増やした。これは味が変わったことが分かるので苦情が殺到し、元に戻した。茶色の福神漬けを使っていたが、食欲が湧く赤色に替えたら、これまた苦情が来て、元に戻した。

パチンコに話を戻すと、ホール内で変えてはいけないものを変えてしまったがために、稼働を落としていないか、歳末の棚卸として再点検してみることだ。

これはメーカーに言えることだが、新台が登場するたびに液晶演出が派手になり、複雑化したことで、「予想不能」「当たりにくい」と感じるユーザーが増加して、客離れにつながっている。

また、過去の規制変更で最大出玉や連チャンパフォーマンスが抑制された「出玉感」が、結果的に稼働低下に大きく影響している。

パチンコに求められる根幹は「出玉感」「ゲーム性のシンプルさ」「時間効率」である。これらを変えすぎたことでファンが離れ、稼働が下がる原因になっているとも言える。



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チート行為の若年化とパチンコ業界

ゲーム内容を勝手に改ざんする「チート行為」の若年化が進んでいる。ネット動画などで方法を調べ、気軽に手を染める未成年が増えており、中には刑事事件や損害賠償に発展したケースも。

チート行為とは、ゲームのプログラムを不正に改ざんして、制作側が意図していないような動作をさせる行為を指す。

近年問題となっているのが、こうしたチート行為の若年化だ。ゲーム機やスマートフォンの発展・普及により、オンラインゲームやネット動画に触れるタイミングが急速に低年齢化。小中学生でも簡単にチートに関する情報を得られるようになり、10代が業務妨害などの罪に問われるケースも相次いでいる。

ハッカーの中には、自己顕示欲が強く、自分の技術力を証明したいという欲求が強い人も少なくない。このため、不正行為を「腕試し」として行っている。システムの脆弱性を見つけることや、他者よりも優位に立っていることに優越感を覚える。

チート行為はパチンコ業界では歴史が古い。プログラマーの中には、腕試し意外にプライベートで稼ぎたいという欲望が攻略法を生み出した。攻略誌が百花繚乱した90年代がまさにその全盛期だった。

さすがにメーカーもその辺の社内体制を厳しくしてきたため、攻略法もなくなり、攻略誌も衰退の一途を辿った。

前述したように世間ではチート行為の若年化が問題になっているようだが、パチンコ業界も例外ではない。いつの時代にも腕試ししたくなるプログラマーは存在するもので、彼は上場メーカーに就職した。

パチンコ機に搭載されている8ビットのマイクロプロセッサーZ80は、CPUとしては原始時代の遺産とも言えるほど古い。これに加えて、パチンコだけに認められている確変は、プログラマーから言わせると“欠陥” のために、パチンコに照準を絞った。

入社後、真面目に勤務する一方で、その計画を着々と進める。

結果的に社内検査を掻い潜り、パチンコ2機種に攻略プログラムを仕込むことに成功する。

休日は仕込んだ機種を打つために全国行脚した。2機種とも1年ほどは市場に留まったというからそこそこの人気機種であることが分かる。2年間で稼いだ金額は9000万円。攻略法は一切他言することなく、その後会社を退職している。

このことからも分かるように、若年層に対する倫理教育も最低限必要だ。技術を持つプログラマーたちのその技術を不正に使用しないように、正しい倫理観を持てるよう求められる。

法的な罰則や内部告発の制度を強化することが重要だが、その網の目を掻い潜るのが快感なんだろう…。



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設定漏洩問題とその解決策

地方ホールでとある問題が発生した。店長がスロットの設定漏れを行っているのではないかという嫌疑が掛けられたのである。物的証拠があれば即座に対応できたものの、それがない状態では経営側も慎重にならざるを得なかった。

オーナーは顧問弁護士に相談した。

「設定漏洩はスマホを使って情報を流している可能性が高い。そのため、スマホの履歴を確認することで不正が発見できる」と弁護士はアドバイスした。作戦を練り、用意周到に準備を進めた。

作戦が実行に移される日、オーナーは店長を呼び出し、単刀直入にこう切り出した。

「最近、設定漏洩の噂が流れている。店長には潔白を証明してもらいたい」

突然の指摘だが動揺することなく店長は即座に「絶対に私はやってない。信じてください」と真っ向から否定した。

しかし、オーナーはすぐに次に一手を打った。

「もし警察に被害届けを出すことになれば、任意でスマホもチェックされることになるかも知れない。仮にデータを消去しても、警察はそれを復元して調べ上げる」

「任意」「スマホ」「復元」というキーワードに店長に動揺が走った。 オーナーはこの反応を逃さなかった。さらに追い込んだ。

「警察には被害届は出さない。その代わり、懲戒解雇で手を打とう」

この提案に店長は観念した。クビは兎も角、前科が付かない方を選ぶしかなかった。

店長は、2人の特定人物に台番号をLINEで伝えていた。 履歴を遡ると2年前からこの不正行為が続いていたことが判明した。

設定漏洩でどれだけ稼いだのか、と深く追及されることはなかった。損害賠償を求められないことに店長は安堵した。

通常、不正を行う側は証拠が残らないように細心の注意を払うものだ。闇バイトでは履歴が残らないテレグラムを使うのが一般的だ。しかし、この店長はLINEを使っていたことが“無防備”とも言える。

証拠を残さないために、留守番電話に台番号を吹き込んだり、外付けの大型LEDビジョンに閉店前に数字を流すなど、様々な手段が考案されている。このような行為が蔓延している背景には、ホール内の情報管理がまだ十分ではないということだ。

設定漏れを完全に防ぐことは難しい。

しかし、将来的にはスロットの設定はAIによって自動的に行われる時代が到来すると予測されている。過去のデータを基に最適な設定を自動で決めることができるようになれば、データは本社で一元管理。店長すら設定内容を把握することはできない。

AIや新しい技術を積極的に導入し、従業員が設定に関与できないシステムを構築することが、設定漏洩防止の解決策の一つにもなる。



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おカネをかけずに稼働率が22%も上がった営業方法

地方の有力ホールが最近稼働を上げることに成功している、という話が漏れ伝わって来た。

では、どうやって稼働を上げたのか? 業界人なら誰でも知っている方法でパチンコ営業の基本中の基本を実践しただけだった。

それは割数を上げることだった。

オーナーが一世の時代は、稼働が落ちてきたコーナーは、割数を上げて稼働を戻してきたものだ。時代は移り変わり、新台導入時に稼働があるうちにヌク営業に代わって久しい。

ホールで稼働が上がるのは、生活保護費の支給日の毎月1日、年金支給日の偶数月の15日、給料日の25日が一般的だ。

で、このホールが採った作戦とは、給料日前の3日前の22日に割を上げることにした。

仮にそのホールが等価営業とすれば割を上げる日は10割営業でトントンの営業方法を取った。

割を上げたことはパチンコが一番分かりやすい。1000円スタートで普段より回ることが体感できる。特に常連客であるほどそのことに気づく。それがやがて口コミで広まる。スロットも設定が入っているのではないか、と期待感が高まる。

23日から割を上げ、5日間かけて徐々に割を落としていくが、給料日だからと言って思いっきり抜くことはしない。

割を上げる営業を月4回は取り入れるようにした。この営業をはじめて7カ月が経つ。稼働率は22%もアップした。

「稼働を上げることは簡単。粗利を取り過ぎないこと。業界が衰退した元凶はホールが粗利を取り過ぎたこと。これに尽きる」(同ホール関係者)

ただし、稼働率は上がったものの粗利は半減した。粗利が半分になってもやって行くには他の経費を削減するしかなかった。

まず手始めに廃止したのが会員向けの年賀状だ。郵便料金が値上がりしたことも引き金になった。
効果を感じなかった総付け景品の配布も取りやめる対象となった。

電気代にもシビアになった。エアコンの温度設定を営業中は一定に設定していたが、客の人数によって変えるようにした。

従業員の配置にも無駄があった。人件費を15%削減したが、運営には何ら支障はなかった。

ホールのコストで一番大きいのが機械代だ。これについては思い切って、来年からは4割削減の方針を打ち出した。

こうやって無駄な経費を見直すことで、半減した粗利を補うことができる。

「ホールが粗利を取り過ぎて、お客さんがいなくなったのでは元も子もない」とオーナーは心を入れ替えた。

贅沢な生活に慣れ切って、そのレベルを落とさないために、遊技人口が減っても同じように粗利を取り続けたオーナーは少なくない。

オーナーの考え方が変われば、業界は変る――そんな好事例でもある。


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