パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

パチンコ産業革命その11

■遊技機メーカーとの関わり

 

メーカー主導の実態



これは以前、本当に酷かった。たとえば問題視されたこともある『抱き合わせ販売』。こんな事は日常茶飯事で、大手メーカーでも平気で行なっていたから閉口してしまう。



その他、「今回の台を導入してもらえれば、話題の次機種を優先的に導入できますよ」とか「40台以上の導入であれば、地域でトップ導入します」とか「当社の設備を使ってもらえたら○○○○を30台確保します」などなど・・・



まだまだ書ききれないほどの話があるのだが、驚く事にいまだに似たような事例がまかり通っているのだ。



以前ホールにいた時こんな事もあった。酷い話パンフレットだけ持ってきて「導入の検討を」とか電話だけで「今日中に導入の決定をしてもらえませんか?」など信じられない営業を受けた事がある。



「数百万・一千万の買い物を誰が電話で決定などするのだ!」と一喝出来る度胸もなく、それなりの対応をするしか出来なかったのだが、今考えてもとんでもない営業が行なわれていたのだ。



悲しいかなホール営業には遊技台というものが不可欠だから、多少は従わざるを得ないというのが実情だと思う。しかしそれらを許し続けてきた結果が、ホール数の減少に繋がっているとすれば問題は大きい。



逆に機械メーカー側もホール数(ユーザー数)が減少すれば、いい事は一つもないのだ。本来は共存共栄しなくてはならないのに 最近のテレビCMなどが顕著だが機械メーカーだけがあまりに目立ちすぎている。



悪い事とは思わないが、一般の人からすると「景気いいねぇ~ パチンコ業界は」と錯覚する人が多い。とんでもない・・・今元気なのはホールではなく機械メーカーだよと個人的に言いたくなる。



それらを踏まえて、考え方の順列は逆にしなければならない。客あってのホール・ホールあっての機械メーカー及び周辺機器メーカーと。



そのような考え方というのは 近年少しずつ出て来てはいるが、まだまだ浸透していないと思っている。ホールと機械メーカーの一番望ましい関係は、対等であり共に業界発展を目指すべきなのである。



ところで遊技台についてだが、パチンコは最近又、色々な種類が出てきてホールの選択肢は増えた。しかしスロットについては内規の問題もあり、多くのスロットユーザーが望まない機種しか発売できなくなっている。



この部分については同情の余地がある。俗に言う5号機といわれるスロットの内規の中で、各機械メーカーの方々は相当苦労していると思われる。何とか面白い機械を、というのが自分は感じているのだ。



個人的に4号機の射幸性や出玉性能は内規で規制されても致し方ないと思うが、ゲーム性まで完全否定するような内規はどうも納得できない。これは一ユーザーの意見であり間違いなく多くのスロットファンは思っている。



スロットについて1点苦言を。4号機の頃も沢山あったけど、複雑な遊技方法が初心者ユーザーを自ら遠ざけている部分がある。今の5号機でもそうだ。



例えば4号機の場合、目押し力というものが問われ、適切に押す事によって多くの出玉を得られる、というものが多かった。これは初心者には苦痛であり、出玉を損してしまったという感情が生まれる。



それでも豊富なゲーム性を持った機械が多かった為、多くのユーザーに支持された。と同時に目押し力に自信のないユーザーは北電子のロングランヒット機『ジャグラーシリーズ』を多くの人が支持した。



しかし今回の5号機。これも目押し力が必要な部分があるのだが、4号機と根本的に違うのは、多くのメダルを獲得する為の目押しではなく、決められた枚数を獲得した後、メダルを減らさない為の目押しなのだ。こうやって文字にしてみると分かりづらい事この上ない。



という事は初めて遊ぼうとする人達にとっても分かり辛いという事なのだ。それでなくても出玉の瞬発力は抑えられ、大勝ちは出来なくなった上に、初心者や知らない人は損をする仕様になっている。そんな流れにしておいてライトユーザーの取り込みを・・・と業界が謳っているのが更に信じられない。



確かにパチスロ雑誌や漫画などには、多くの情報が載っている。しかしユーザーの全てがそれらを読んでいるわけではないし 年配の人だってやってみたいと思っている方はいるのに阻害している状態だ。



5号機は低資金で遊びやすいスロットと銘打っているが、実は遊びにくくて初当たりが遠かった場合、回収が困難な遊技機なのだ。そんな台は長続きするはずもなく、多くのユーザーが又離れていくのは間違いない。



そして、これらの客離れはホール側にも責任がある。それは遊技機のゲーム性を説明する『ミニガイドブック』なるものが機械メーカーから配布されているのだが、それをカウンターないしは島の端に置いている事が多い。



それらを置くだけでサービスなのだと勘違いをしている。ましてその『ミニガイドブック』は自分のように10年以上スロットを打っている人間でさえ理解不能のものがある。



ホール側もそんな人達を敏感に察知し、丁寧な説明を心掛けるか「スタッフが遊技説明を致します」くらいの張り紙があってもよさそうなものだが・・・ただ、張り紙をしたからそれで良いというのもマズイ。



聞くのも面倒だし、恥ずかしいという人だって少なくない。だからスタッフは遊技客に対して気配り・目配りが必要なのだ。そのような細かな配慮がさり気なく出来るホール。あまり見ないなぁ・・・







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パチンコ産業革命その10

■ホール独自の計算方法



ホールには他業種ではまず使わない『割数』なるものが存在する。これはホールの収支を表すものであり、業界人であれば大半の人が知っている。がしかし正確に知らない人も少なくない。



『割数』には営業中に算出されるものと閉店後に算出されるものに分かれる。これらを正確に述べられない人がホール営業に携わっている事が多いのに驚く。



計算方法は単純に出て行ったもの(景品)を入ってきたもの(売上)で割ればいいのだが営業中はそれが出来ない。ではどうするかといえば玉の出入りから『推定景品額』を算出し、それを売上で割る。ただそれだけ・・・



だがここから厄介なのが利益算出の時、それらの項目を使うのだがホールには『交換率』なるものが存在する。しかも全国、店単位で自由・バラバラで営業できるから厄介なのだ。



大半のホールは玉1個4円で貸し出している。ここ最近一部で低価貸しを行っているホールもあるが、それは後述しよう。等価交換の店も当然あるが東日本は3円交換と言ってみたり2.5円交換という表現をする。



対して西日本は百円で25個貸して、返してもらうとき30個頂くという風に、30個交換とか33個交換という表現をする。何故か名古屋近隣だけは200円単位なのだが・・・



その為、利益計算を行なう時は、交換率によって景品に対する掛け率というものをホールによって変えなければならない。研修時はここを理解してもらうのに時間が掛かるときもある。



この『割数』を最低限の基本とし、膨大な営業データというものをホールコンピューターは蓄積している。それらをひとつひとつ見つめ直し営業に活かさない手はない。



昔のどんぶり勘定主流の時代でも、売上というものは明確であった。しかし今は店舗全体売上・台売上・玉単価と分別され、遊技によって動いた玉1個の売上値を出すようになっている。



これらの数値は営業方法(たとえば無制限・共有あり)などによって大きく左右され、パチンコバブルと言われた頃は台売上10万円超も珍しくなかった。



しかし、現在のような台移動自由や持玉の共有が可能であれば、売上は入りにくく当然以前よりは下がる。繁盛店でも当時の半分以下という現状だ。



そして、利益においても店舗全体粗利・台粗利・玉粗利と分けられ、それぞれの数値がホールコンピューターで算出される。中でも玉粗利というものはここ10年以内に取り上げられるようになり、アウト玉1個につきどれだけ利益を上げたかというデータである。



しかし、この玉粗利は、結果の数値であり営業の指標とするには、とても危険であると自分は思っている。最終的に目標数値に近づくというのは問題ないが、目標数値に近づける為の調整や営業内容というのは賛同できない。



それよりも台粗利が日平均いくら取れて、機械代回収にどのくらいの期間が必要で、どのような利益コントロールをすれば、台が長持ちするのかを考える方が大事なのだ。



ホールからすると遊技台は出来れば永く使いたいと思っているはず。それをやむなく稼動が落ちて利益が取れなくなって撤去する羽目になる責任の一端はホールにある。



更に望ましいのは、導入前にひとつひとつの機械に対して、十二分な検討がなされるべきである。これは売る側の問題点が多いのもあるが、ホールもどうだろう?と思うぐらいなら導入しなければよいのだ。



それを我先にと競ってまで導入して、総客数が増え続けるのなら否定はしない。しかし大半のホールは客の店内移動に終わり、多少集客増に繋がったホールでも数日すると元に戻り、抱えたのは機械代だけという悪循環に陥るのだ。



その悪循環を知りつつもホールは利益を取らないといけない。そして稼動がある機種(新台など)から取ってしまう。すると稼動が落ちて利益が取れなくなるという最低な営業方法を取らざるを得なくなる。



そのようなホールは、これらを変革していかない限り、立ち直りの機会は無いに等しい。確かに新しいもの好きなユーザーもいる事はいる。しかし、その人達の総数より遊びなれた機械を選択する遊技客の方がはるかに多いのだ。



その遊びなれた遊技台にまで利益負担がいくようになれば、それはすでに末期症状。店全体の落ち込みは止まらなくなり、歯止めをしようにも効かなくなるのだ。



■ホール業界は以外に利益率が低い



これはどういう事かというと、ホール内の実情と遊技客のギャップが大きすぎる事が業界に対する不信感というものに繋がっていると思うのだ。



安定してプラス収支の『パチプロ』や一握りのプラス収支の人は別として 多くの遊技客はマイナス収支だと思うのだ。その人達が感じるホール側の利益率というものは50~80パーセントであると推測される。



時折、町内の飲み会などに参加すると、そのような話をよく聞くので、世間一般の意見も当たらずとも遠からずだと思う。



しかし、実際にはソコまでの店というのはおそらく、日本全国1軒もない。というより機械の性能上、ソコまで出ない事はないのだ。ここに大きなギャップがある。



実際の数値でいえば利益率が一桁であればまず薄利営業といわれ、10~15パーセント程度が適正利益と言われる。そしてそれらを超え20パーセント超になると『ボッタクリ』と言われる。



ようするに控除率25パーセントの競馬などと比べると遥かに低いのだ。しかし遊技客はそう感じない。それらを払拭するにはどうすれば良いのか? 行き着くところは『薄利多売』商売の基本である。



これは一朝一夕に出来るはずもなく、グランドオープン以降、無くしてきた信用を取り戻すしかないのだ。そのためにもある程度の年数が経った店には、完全リニューアルなども必要だ。



しかし、このリニューアルも、ただ内・外装を変えるだけでは数日後、元の木阿弥になるのは目に見えている。



リニューアル成功の鍵は、綿密な営業計画や結果分析、そして、柔軟な修正能力というものが確立されていなければ、改装費用だけが圧し掛かるという最悪の展開になりかねない。



そして、完全リニューアルに来店していただいた遊技客というのは、その店に期待をしているから来店したという心理状態をホール側は敏感に掴まなくてはならない。



まぁ、そもそもリニューアルを成功させるだけの運営能力があれば、元から集客能力があるだろうから、リニューアルなどしなくてもいいかもしれない。店舗自体が古くなったので仕方なくという選択肢しかないだろう。



話は戻って利益率のギャップ。これ結局は飲食業界や他の業界と違って、日銭の多さや利益額の多さが、多大に影響しているのだと思う。



例えば、1日1000万円の売上店が10パーセントの利益率だったとすると100万円という膨大な利益額を確保できるが問題はその先。その金額に見合うだけのサービスというものをホール側が提供出来ているかという事なのだ。



よく例に挙げられるのが『喫茶店』。コーヒー一杯300円で、新聞・雑誌を読むことができる、水が出る、おしぼりが出る、最後にお茶も出る。そして、店員によっては素晴らしい笑顔も見せてもらえる。



そう考えるとホールは・・・というと、いまの時代、パチンコを300円で遊ぶ事すら出来ないホールが多い。そしてスロットでいうと、まず1000円が必要となり、しかも滅多にそれだけで大当たりする事などない。(自分も過去数回しかない)



前述しているけど この金銭感覚の異空間をどれだけサービスに繋げていけるか、そして、来店・遊技に対する感謝の気持ちを伝える事が出来るかが繁盛店とそうでない店の境目である。







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パチンコ産業革命その9

■ホールの人材育成



この人材育成については ホールに限らずどの業界でも永遠のテーマであり、課題である。育てたと思ったらいなくなる・・・これは確かに企業にとって痛いものだが、育て続けなければ企業の繁栄も必ず成し遂げられない。



よって社内に専門分野がない所などは、特に外注であろうとなんだろうと徹底した社員教育というものを永続的に続けていくべきなのである。それも何かをキッカケにというのではなく、即実行あるのみ。途中で間違えたと思えば修正しつつ続ければよいのだ。



ここで一つ。よく研修などを実施しようとする時、いつもネックになるのがホールの従業者はギリギリの人数で営業をしている事がとても多く、研修に二人も三人も同時に出せないという事が非常に多い。



人件費削減云々が大きな要因だと思うが、営業能力・管理能力の乏しい従業員が十人いるより、知識・技術力の豊富な従業員が三人いたほうが、どれだけ店に与える影響が大きいか誰だって分かる。そこに企業が踏み込んでいくかどうかなのだ。



『企業は人なり』と誰もが理解をしながら本音は『利益が先なり』というホールがなんと多い事か・・・



あまりの余剰人員はいただけないが、研修の間だけでもアルバイトの勤務時間を増やすなりなんなりして店を廻す事ぐらい難しい事ではない。企業に人を育てるのだという信念がなければ、いつまで経ってもダラダラ営業のままで過ぎてしまう。



まずはホールの店舗責任者が責任者たる存在であることが重要である。その部分を冷静に見つめ、教育が必要であれば徹底的に施す。そこがシッカリしてない限りは、いくら従業者を教育しても、ホールとして営業が回らないものである。



そしてホールの従業者に最も大事なのは、企業理念やホールの理念、営業に関する意思統一が出来るかどうかだ。ただ単に日常業務をこなせばよいとだけ思っている人がいたとすれば遊技客は敏感であり、それだけのホールでしか評価されない。



遊技客はホール従業者(店長・社員・アルバイト関係なく)の一挙手一投足を意外と見ているものだ。ソコに僅かでも違和感が生じたり、不快感があると出玉状況などと関係なく、店に足を運ばなくなるということをホールは知らなければならない。



とすると人材育成の手順は、一般社員からではなく上から順番にというのが、個人的な考えである。



スポーツが良い例だろう。トップクラスの指導者がいる所には良い選手が集まりやすいというのもあるが、物事に対する意識改革を多くの人が実践していると思う。



技術的には遜色なくても、この意識改革が浸透するかどうかで結果は大きく変わってくると自分は思う。これはホール営業などに通ずる所はあるはずだ。



故にホールに対する影響力を考えると、トップからシッカリとした育成がなされてないと必ず営業はグラつき、先を見据えた運営は不可能である。



■稼動



通常、稼働率などと呼び、パーセンテージで表す事が多いのだが、ホールの場合は殆ど、パチンコアウト○○○○○発、スロットアウト(若しくはイン枚数)○○○○○枚というように表現する事が多い。



例えばパチンコで3万発のアウトがあれば、1分間に100発でホールコンピューターに計上される為、5時間稼動となる。スロットの場合はホールコンピューター会社によって基準が違う事があるが、概ね1分間に30枚で計上されるとすれば、イン枚数が1万枚あるとすると5.6時間稼動となる。



パチンコの場合、先ほど3万発と書いたのだが、実はこの数値が繁盛店とそうでない店の境目であると自分は思っている。それを越えている店は、色々な営業戦略(入替を含めた)が好転しやすく、逆に届いてない店は、中々思うように稼動が伸びづらいと思うのだ。



伸びづらいというよりも入替の効果やイベントの効果が浸透しにくい客数なのだ。ただそのぐらいの稼動になってしまった原因というのは、必ず沢山ある。



店の信用も含めて、気が付かないうちにユーザーを裏切り続けてきたのである。かといって復活できる手立てがないわけではない。しかし失い続けた信用を取り戻すには 倍以上の期間と費用が掛かることは言うまでもない。



そして3万発を越えている店というのは、各地域でもソコソコあるとは思うが、ホール営業として安閑としてはいられない。「今は稼動もいいからイケイケの営業で進めばよい」と思う店があるとする。



しかし、こういった所は必ず落ちる。



原因は何か? それは何故今が良いのかという要因が理解出来ていないからである。どんな業種でも同様だと思うが、店舗実績が悪くなってくるといくらでも反省点や改善点を挙げることが出来る。それは誰にでも探せるもの。



しかし、成績がいい時は反省点など隠れてしまって、後でソコが綻びだったのだと気付いた時は遅かったりする。だから余計、良い時に何故良いのかという要因がわかっていれば落ちそうだなと感じ始めた時、早期対策が打てるのだ。



次にスロットの場合も先ほど述べた1万枚というものが基準になると思う。但しパチンコと違い時代々々の機械状況によって稼動が左右されやすい為 凡そと捉えておいたほうがいいだろう。



パチンコホールも他業種と同様『客が客を呼ぶ』現象は間違いなくある。しかし何らかのキッカケで一気に顧客が飛んでしまう事だって当然ある。しかし多くの場合はジワジワとホールが気付かないうちに客数が減っていく事が多い。



集客時の利益の取りすぎなど、要因は沢山あるだろうけど それらを正しく見極められる従業者なり店長なりがいれば、驚くほど容易に回避する事が出来る。やはり営業は新台ではなく『人』なのだ。



そして目指すべきは地域一番店になれるであろうパチンコ5万発以上、スロット2万枚以上という域である。これぐらいの店は実際に全国レベルでは何軒もある・・・といっても微々たるものだろうけど。



ホール営業の中でよく『死に島』と呼ばれるものがある。これは殆どの島において客がついているのに其処だけはガラ~ンとしている島を指す。これは設置機種などに影響されたり、ホール内の場所的なものが要因になったりする。



しかし、前述のアウト5万発を確保するには『死に島』があっては到底届かない。稼動の良い店というのはそこら辺りが戦略的に優れている事が多い。逆に伸び悩んでいる店はマネをする部分があって良いと思うのだ。



ただしその場合 稼動の良い店を超える事は出来ないが・・・



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パチンコ産業革命その8

■釘整備の必要性



ここ最近は、右側にゲージがなく左側だけという非常に釘の本数が少ない台が多い。この傾向は個人的には大反対なのだ。確かに調整するには本数が少なくなった為、楽にはなったが遊技という観点から見ると、大きくゲーム性を損なっていると感じる。



たとえば偶然右側に飛んだ玉が、偶然スタートチャッカーには入った時、チョッと嬉しいという感情がそこに生まれた事はないだろうか? 左側だけのゲージだと100%起こりえないのだ。



これは少し違うけど、大当たりの時、下部のアタッカーにダブル・トリプルで玉が入り規定個数より多く入った時、チョッと嬉しくないだろうか?



昔でいえば、開いているチューリップに2個ダブルで入ると、又開くというチョッと嬉しい出来事。これらのチョッと嬉しい感というのはとても大事な事で、遊技が楽しい娯楽と再認識させられる瞬間である。



様々な演出を作り出すためにも、本来釘の本数が多ければ多いほど良いのだが、発売される台はそうでないものばかり・・・ただ嘆いてばかりはいられないので、今の台での必要性を。



昔は『釘師』と呼ばれる人達が、僅かな情報と経験と感を基に、釘をコントロールしていたわけだけど、今は溢れるほどのデータを基に調整しなくてはならない。



現在は、ベテランも多いが非常に若い人も多く調整に携わっている。正直すべての人が上手というわけではない。よくこんな人に任せているな、という人も存在する。それは繁盛店であってもである。



これらは表立ってわからない為、顧客に関係ないといえば関係ない。しかしプロである以上このような行為は失礼この上なく、いずれは見極められ顧客離れに繋がる。



そういった要因も結局は大型店の弊害という事も一理ある。人を育てる前に大型店を出店し、店長一人が調整するには台数が多すぎ、未熟者に頼らざるを得ないという現況。



ここ最近のグランドオープンで 一~二週間すると客数が伸びなくなるという現象はこれらも原因だろう。確かに今の時代、釘だけで客を呼べるとは正直自分も考えていない。



しかし、釘で離れていく客がいるのは間違いない。逆に考えると呼べているかも?と思う事ぐらいはある。ではどうすれば良いのか?



ここ最近の多くのホールは、データを釘調整で揃えたがる傾向にある。確かに揃うに越した事はないが、そんなに一発で揃うなんて事は不可能なのだ。



正直、メーカーによっては酷いゲージを組んでいるのもある。大手もたまにある。そんな台は購入しなければ良いだけの話で、玉の動きを導きやすく、尚且つ予想外の動きを稀にする台がゲージとしては好ましい。



釘調整とはなんぞや? と講義などで問う事があるのだが、多くの人が利益を確保する為と答える。確かに最終的にはソコに繋がるわけだが、持論は玉のスピードコントロールである。



要するに場所によって玉のスピードを速くしたり、遅くしたりして目的とする所へ釘によって玉を導いてやるものと認識している。それに偶然性が加わると尚良い。



そして多くの人間が管理するのであれば、共通の認識・同レベルの技術が必要なのはいうまでもない。昔のように見て学ぶだけというのは 非常に効率も悪いだけだ。



■データの必要性



最近のホールコンピューターは、かなり詳細な部分までデータが出ており 営業戦略に活かすには十二分なほどの情報が詰まっている。



このデータの必要性は、誰もが感じているとは思うが、人によっては見当違いに見ていたり把握していたりする。配線の不備や機械トラブルによる異常データも、大きなものは発見しやすいが、細かな部分になってくると経験というものが必要になる。



そして何より大事なのは、自動計算されたデータの把握だけではなく、何故、どのようにしてそのデータが導き出されているのかを早い段階で理解する事である。



そうする事によって、玉一個の大切さも分かるだろうし、釘調整の大切さも理解出来るようになるのではないか? 基礎から地道に一歩ずつ始めるのが良いだろう。



まず手始めにどうするか? 社外部・内部問わず研修をするのもいいだろうが、その際の欠点は、研修が終わった後データに触れる機会が減ってしまうと、数字に対するモチベーションが下がってしまう事だ。



この業界に限らず、多くの会社が研修などを行なっていると思うが、その欠点は共通しているように思う。研修時や終わった直後などは「よーし、頑張るぞ」と思っていても通常業務に戻ると、現実というものが待ち受けている。

それらを払拭できる社内体制でない限りは どんな良い研修を受けたって 費用のムダ・時間のムダになってしまうのである。それでは教える側もやりきれない・・・



とにかくデータの必要性を理解しようという手始めは、ナマのデータを漠然とでいいから毎日見続ける事。そうする事によって必ず疑問点が出てくる。その時大事なのは、それをフォローできる上司や同僚がいなくてはならない。



何でもそうだが『継続は力なり』なのだ。



そして、少しずつ理解し始めれば 次には各部分々々の平均データ把握を心掛ける。これは店舗責任者なども同様なのだが、店全体や全体平均だけではキメ細かな営業には対処できない。昔のドンブリ勘定など論外である。



そしてそれらの数字の動きを毎日見続ける事で、データの流れ、営業の流れというものを理解出来るようになる。確かに数字が苦手、という人もいるだろう。



しかし、それを避け続けていてはホール営業者として、失格の烙印を押さなくてはならない。ただ、数字は苦手だけど接客だけはプロ中のプロと誰もが認めるようであれば、接客専門のスペシャリストを目指せばよい。



そして、店舗責任者になると、データの把握だけに限らず、様々な能力が求められる為、避けては通れない道である。それでも悲しいかな、おぼろげながらのデータ把握だけという店長が実在するのも確かだ。



その立場に就かせた会社にも責任はあるが、その程度でも店舗運営が出来なくはないから恐い。ただソコが永続的に続くかどうかは明らかであると確信しているが・・・



データというものを結果でしかないと見る人もたまにいるが、それらは全て必然的に出てきたものであり、偶然その数値になる事はあったとしても否定して欲しい。



根拠のある釘調整が出来ていれば、予想数値の範囲内で収まる事は経験者なら理解できるだろう。特に熟練者になると予想数値の下限から上限まではキッチリと把握できているものだ。



それが若手であろうと大ベテランであろうと関係なく、である。



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パチンコ産業革命その7

■顧客別考察



前節でも少し書いたが、ユーザー層をどのように捉えているかで営業の流れは大きく変わる。意外と殆どのホールは理解しているようで、漠然としか捉えていない所が多い。



そんな事やっている時間などない、というホールがあるとしたら日頃何をやるの? と思ってしまう。台を入れ替えて、イベントをやるだけで集客をしようという昔の考え方から脱皮しないと。



まず顧客別に考える時には、曜日別・時間帯別にどのような顧客が訪れているかを把握しなければならない。おそらく多くのホールは漠然と答える事が出来るだろう。



しかしそれを統計的に収拾しデータ化し営業戦略に活かしている所というのは、ほんの一握りだと思う。それすらやらないで「お客さんが増えねぇなぁ」と言っているようでは先が見えない。



普通に他産業が行っている事を真似するだけでも、全く違う結果が出てくるはずなのにやらない。チラシを入れるより遥かに意味があることなのに・・・



遊技機の状況は時代によって変われども、顧客の心理状態というものは昔と大きく変わっていない。学生には学生の、社会人には社会人の、主婦には主婦のホールに求めるものというのは今も同じである。



遊技人口3千万人といわれた時代から今は大きく減少しているのだが、ではどの客層が減っているのか? 間違いなくサラリーマンが一番減っている。平日一日の遊技客数でピークが昼間というホールが多いのがそれを物語っている。



ではサラリーマンを対象に何か対策を打っているのか? 否。そんなホールは殆ど見受けられない。漠然とした入替やイベントしか見られないのが悲しい。



サラリーマンが時間のある土・日に毎週釘が絞まっているのであれば、平日の夜に立ち寄ろうなどと間違っても思わない。そんな細かな心理状態を理解し把握して営業戦略を組む事すら拒絶するのであれば、淘汰されても致し方ない。



曜日別・時間帯別を調べると共に、次には男女別・客層別に統計を取る必要がある。



そうする事により膨大な資料が出来上がり、数多くの戦略が考え付く事だろう。



まず学生。専門学校生・大学生が対象になるが、一番昼夜問わず来店を期待できる層であり、そして一番イベントに敏感な層でもある為、数店舗を回遊し続ける浮遊客でもある。



ただ、今の時代この層を取り込めれば計り知れない口コミ力があるので、大きな集客増に繋がる可能性が高い。しかし逆に『ガセ・イベント』などが一度でも浸透してしまうと大きなマイナス要因にも成り得る。



そして注意点もある。信頼できるイベントを行ない続けたとしても、そこに学生ばかりが占領するという状況は避けなければならない。これは学生だけに限らず、開店プロなどにも同様の対処をしなければならない。



次にサラリーマン。この層は時間的な制約がある為、平日は夕刻以降 短時間の遊技を迫られ、土・日も家族サービスに時間を費やす事もあるだろう。



しかし、好きな人は非常に多い層であるのも事実だ。時折行く居酒屋やスナックなどで、サラリーマン風の人達が、パチンコ談義をしている光景に驚くほど遭遇する。



その人達の多くはパチンコやパチスロ雑誌などを読み耽っており、本当によく機械の事を知っている。しかし横で聞いていて、事実もあればオカルトのような会話をしている事もある。



前述したけど、この層は平日の夜に欲しいのだが、取り込むチャンスは土・日・祝にある。



次に主婦層。メインの来店時間は昼前から夕方までの短い時間帯だ。この層こそ口コミの力が偉大であり、学生のように浮遊客でなく来る・来ないがハッキリしている。



ホール全体の清潔感も当然だが、従業員の接客態度などソフトの部分に対しても とても敏感であるように思う。出る・出ないよりも、さりげないサービスなどへの反応が一番敏感な層だと受け止めている。



最後に超常連軍団である年配者。年金を貰って細々と、という人もいれば、よくそんなにお金が続くなぁという人まで含めて絶対に抱えなくてはならない逃がしてはならない顧客層である。



来店時間帯は朝一から夕方まで。稀に閉店頃まで遊技している人も見受けられるが・・・



この層に大切なのは、遊べるという条件が整っていることが大事である。それは機主構成であり、従業者とのふれあいであり、遊技の時疲れない事。



一般電役などの複雑な遊戯性などに丁寧な説明をしてあげる必要がある。知らずに打っていて大当たりを引いたにも関わらず、出玉を大きく損してしまう光景を何度見た事か・・・



自分が隣に座っていれば説明するけど、逆になんで自分が言わなくてはならないのだと、思う事だってある。そうなると双方にとってマイナスイメージしか残らない。



ホールにとって恐いのは、こういった無言のマイナスイメージなのだ。クレームがないのが一番望ましいのだが、よく色々と従業員などにグチグチと苦情を言う人がいる。



これらはまだ良い方なのだ。再来店の可能性は非常に高い。しかし物言わずクレームを抱えたまま帰ってしまうと、次への来店動機が大きく損なわれていく。



これらを一つ一つ掘り起こし 問題提起をして対策を施すといった地道な作業が、日常業務として行われてこそ、ホール営業としての基本姿勢だと思う。





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