メーカー主導の実態
これは以前、本当に酷かった。たとえば問題視されたこともある『抱き合わせ販売』。こんな事は日常茶飯事で、大手メーカーでも平気で行なっていたから閉口してしまう。
その他、「今回の台を導入してもらえれば、話題の次機種を優先的に導入できますよ」とか「40台以上の導入であれば、地域でトップ導入します」とか「当社の設備を使ってもらえたら○○○○を30台確保します」などなど・・・
まだまだ書ききれないほどの話があるのだが、驚く事にいまだに似たような事例がまかり通っているのだ。
以前ホールにいた時こんな事もあった。酷い話パンフレットだけ持ってきて「導入の検討を」とか電話だけで「今日中に導入の決定をしてもらえませんか?」など信じられない営業を受けた事がある。
「数百万・一千万の買い物を誰が電話で決定などするのだ!」と一喝出来る度胸もなく、それなりの対応をするしか出来なかったのだが、今考えてもとんでもない営業が行なわれていたのだ。
悲しいかなホール営業には遊技台というものが不可欠だから、多少は従わざるを得ないというのが実情だと思う。しかしそれらを許し続けてきた結果が、ホール数の減少に繋がっているとすれば問題は大きい。
逆に機械メーカー側もホール数(ユーザー数)が減少すれば、いい事は一つもないのだ。本来は共存共栄しなくてはならないのに 最近のテレビCMなどが顕著だが機械メーカーだけがあまりに目立ちすぎている。
悪い事とは思わないが、一般の人からすると「景気いいねぇ~ パチンコ業界は」と錯覚する人が多い。とんでもない・・・今元気なのはホールではなく機械メーカーだよと個人的に言いたくなる。
それらを踏まえて、考え方の順列は逆にしなければならない。客あってのホール・ホールあっての機械メーカー及び周辺機器メーカーと。
そのような考え方というのは 近年少しずつ出て来てはいるが、まだまだ浸透していないと思っている。ホールと機械メーカーの一番望ましい関係は、対等であり共に業界発展を目指すべきなのである。
ところで遊技台についてだが、パチンコは最近又、色々な種類が出てきてホールの選択肢は増えた。しかしスロットについては内規の問題もあり、多くのスロットユーザーが望まない機種しか発売できなくなっている。
この部分については同情の余地がある。俗に言う5号機といわれるスロットの内規の中で、各機械メーカーの方々は相当苦労していると思われる。何とか面白い機械を、というのが自分は感じているのだ。
個人的に4号機の射幸性や出玉性能は内規で規制されても致し方ないと思うが、ゲーム性まで完全否定するような内規はどうも納得できない。これは一ユーザーの意見であり間違いなく多くのスロットファンは思っている。
スロットについて1点苦言を。4号機の頃も沢山あったけど、複雑な遊技方法が初心者ユーザーを自ら遠ざけている部分がある。今の5号機でもそうだ。
例えば4号機の場合、目押し力というものが問われ、適切に押す事によって多くの出玉を得られる、というものが多かった。これは初心者には苦痛であり、出玉を損してしまったという感情が生まれる。
それでも豊富なゲーム性を持った機械が多かった為、多くのユーザーに支持された。と同時に目押し力に自信のないユーザーは北電子のロングランヒット機『ジャグラーシリーズ』を多くの人が支持した。
しかし今回の5号機。これも目押し力が必要な部分があるのだが、4号機と根本的に違うのは、多くのメダルを獲得する為の目押しではなく、決められた枚数を獲得した後、メダルを減らさない為の目押しなのだ。こうやって文字にしてみると分かりづらい事この上ない。
という事は初めて遊ぼうとする人達にとっても分かり辛いという事なのだ。それでなくても出玉の瞬発力は抑えられ、大勝ちは出来なくなった上に、初心者や知らない人は損をする仕様になっている。そんな流れにしておいてライトユーザーの取り込みを・・・と業界が謳っているのが更に信じられない。
確かにパチスロ雑誌や漫画などには、多くの情報が載っている。しかしユーザーの全てがそれらを読んでいるわけではないし 年配の人だってやってみたいと思っている方はいるのに阻害している状態だ。
5号機は低資金で遊びやすいスロットと銘打っているが、実は遊びにくくて初当たりが遠かった場合、回収が困難な遊技機なのだ。そんな台は長続きするはずもなく、多くのユーザーが又離れていくのは間違いない。
そして、これらの客離れはホール側にも責任がある。それは遊技機のゲーム性を説明する『ミニガイドブック』なるものが機械メーカーから配布されているのだが、それをカウンターないしは島の端に置いている事が多い。
それらを置くだけでサービスなのだと勘違いをしている。ましてその『ミニガイドブック』は自分のように10年以上スロットを打っている人間でさえ理解不能のものがある。
ホール側もそんな人達を敏感に察知し、丁寧な説明を心掛けるか「スタッフが遊技説明を致します」くらいの張り紙があってもよさそうなものだが・・・ただ、張り紙をしたからそれで良いというのもマズイ。
聞くのも面倒だし、恥ずかしいという人だって少なくない。だからスタッフは遊技客に対して気配り・目配りが必要なのだ。そのような細かな配慮がさり気なく出来るホール。あまり見ないなぁ・・・

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