かつて、ホールスタッフが音楽に合わせて踊るショート動画が流行し、一部の企業が競うようにユニークなコンテンツを発信していた。視聴者の関心を集めるため、よりインパクトのある内容が求められるようになり、その結果、ホールの内部を紹介するツアー動画が増加。さらにエスカレートすると、普段は一般客が見ることのないホールの裏側までを映し出すケースも出てきた。
こうした傾向の中で、最近とある動画が波紋を広げている。それは、自動景品払い出し機の裏側を公開するというものであった。動画には、後部扉が開かれ、特殊景品が詰め込まれる様子が映し出されていた。
これを見た業界関係者は憤りを隠せず、こう切り捨てた。
「銀行がATMの裏側を公開するか? 特殊景品といえども、景品交換所へ持って行けば現金と交換できるわけで、これを犯罪者が見たらどう思うかを考えていないのか。これは犯罪を誘発しかねない危険な行為であり、防犯上も極めて不見識だ」
確かに、大半の特殊景品は単体としての価値は低い。しかし、東京都のように特殊景品に純金が使用されている地域も存在する。そうなると、犯罪者にとっては格好の標的になりかねない。特に近年、日本国内における外国人犯罪が増加傾向にあり、日本人の常識が通用しないケースも少なくない。内部の構造を知った犯罪グループが強盗計画を立てる可能性も否定できない。
SNSを活用したマーケティングは、企業のブランドイメージを向上させ、顧客との距離を縮めるために有効な手段ではある。しかし、やり方を誤れば逆効果になり、企業の信用を損なうだけでなく、最悪の場合、犯罪の標的となりかねない。
特にホール業界は、資金の流れや景品交換の仕組みが一般的な企業とは異なり、一定の機密性が求められる。顧客やスタッフの安全を守るためにも、情報の取り扱いには細心の注意を払うべきである。
視聴者の関心を引くために過激なコンテンツを求める風潮は、SNSの性質上避けがたい。しかし、企業がそれに迎合するあまり、取り返しのつかないリスクを招くような動画を公開することは、断じて許されるべきではない。
ホール企業は、SNSを単なる宣伝ツールとしてではなく、企業の信頼と安全を守るための慎重な戦略の一環として活用すべきである。
無理にネタを探し、刺激的なコンテンツを作る必要はない。むしろ、顧客が安心して利用できる環境を維持することこそが、業界全体の健全化につながるのではないだろうか。今こそ、安易な情報公開に対する危機意識を持ち、慎重な対応を取るべき時である。
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