この落札劇の裏には、涙を飲んだ日本企業もあった。新聞報道によると、「株式会社K2」(愛知県名古屋市)は、「すまいのグループ」などを傘下に収める大手で、今回のオークションに名乗りを上げていた。 日刊スポーツの取材に対し、「落札できなかったと聞いています」と淡々と回答しているが、彼らは約300万ドル、日本円にして約4億3500万円までは入札していたという。
しかし、さらに驚くべき事実があった。このオークション劇には、あるホール企業も参戦していたというのだ。取材を進めていた新聞記者が、この情報を掴み、パチンコ業界関係者に「どこのホール企業なのか、心当たりはないか」と尋ねてきたことで、ホール企業が参戦していたことが浮上してきた。
新聞記者によるとホール企業は約4億5000万円を用意していたそうだ。
「もし落札できれば、テレビのワイドショーで話題になることは間違いない。広告宣伝費だけでも元が取れる!」と踏んでいたようだ。
さらに、このホームランボールをホールで展示し、「大谷翔平50本塁・50盗塁記念ホームランボール展示ツアー」が開催され、各店舗を巡回するイベントが盛大に展開されたことだろう。
パチンコファンだけでなく、野球ファンや大谷翔平ファンもホールに足を運び、ホール会場は連日大盛況。展示されたホームランボールの前で記念撮影するために、行列ができる光景が各地で展開された。
ホール内では「ホームランボール記念イベント」も開催。来店したお客さんには特別な抽選で、限定の大谷グッズやサイン入りボールなど当たるチャンスが用意され、パチンコ店の集客はかつてないほどに盛り上がった。特別キャンペーンとして「翔平祭」や「ホームランチャレンジ」と銘打ち、ホール全体が「大谷フィーバー」に染まっていたはずだ。
その勢いは業界の垣根を超えて、スポーツ界やエンタメ業界にも及んだ。大谷選手が日本に帰国した際には、ホールでのスペシャルイベントが開催され、直接ボールを手に取ってもらえるという夢の企画が実現したかもしれない。
しかし、残念ながら、その夢は実現することはなかった。
記者の話では、「10年、20年前なら、パチンコ業界にはもっと余裕があった。当時なら、楽勝で落札されていたかも知れない」と読んだが、それも今や昔。
この夢のようなシナリオは実現しなかったが、もしもホールがこのボールを手にしていたら、日本のパチンコ業界にとっては新たな転機となる歴史的な出来事だっただろう。
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