パチンコ日報

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パチンコ業界の変遷とスロットメーカーの新たな生存戦略

日遊協が発刊した「遊技業界データブック2024」によれば、パチンコ業界は依然として厳しい状況にある。

ダイコク電機のDK-SISデータによると、2023年のパチンコの稼動を示すアウト数値は前年から微減し、1万3,620個となった。また、売上は前年比マイナス285円の1万4,919円、粗利額は前年とほぼ同等の2,479円となり、コロナ禍からの完全な回復は見られなかった。この状況は、2023年を通じて市場を牽引するような新機種が不在だったことや、特に中高年齢層の遊技習慣がコロナ禍の影響で大きく断たれてしまったことが原因と考えられる。

一方で、パチスロ市場は比較的好調な動きを見せている。2023年のパチスロのアウト枚数は前年比1,485枚増の8,091枚、売上も5,080円増の1万9,254円、粗利も659円増の2,652円と、大きく上昇した。特に、2022年11月から導入が開始されたスマートパチスロは、これまでの低迷を一掃するような好調さを示し、業界全体の回復に貢献している。

これらのデータからも明らかなように、現在、ホールではパチンコ台を減少させ、スロット台を増やす動きが見られる。過去の傾向を見ても、パチンコが好調な時期にはスロット台を減らし、逆にスロットが好調な時期にはパチンコ台を減らすという循環が繰り返されてきた。そして今、6.0号機時代に苦戦を強いられたスロットメーカーにとって、パチンコ市場のシェアを奪う絶好のチャンスが到来していると言える。

8月8日には、さいたま市にスロ専「スマートガーデン武蔵浦和」(328台)がグランドオープンした。場所は駅前のマンションの1階。元々はホールがあったが、スロ専だからオープンで来た場所でもあろう。

現在、ホールの数が減少しつつある中で、スロットメーカーが生き残るためには、スロットの占有率を上げることが重要となる。もちろん、スロットメーカーは顧客を惹きつける新たなスロット機種の開発を続けなければならない。特にAタイプの市場では、ジャグラーがその牙城を築いており、多くのメーカーがこの市場に挑戦しているが、ジャグラーの壁は非常に高く、過去の試みはことごとく跳ね返されてきた。しかし、ジャグラーの市場を切り崩そうとしているメーカーもあるようだ。

このような市場環境の中で、スロットメーカーが成功するためには、遊技機の開発だけに依存するのではなく、視点を変える必要がある。例えば、ホールが新たに出店しやすい環境を整えるために、スロットメーカーが店舗用の「ハコ」を用意することも一つの戦略である。このような取り組みは、販売台数を増やすための有効な方法となり得る。

出玉性能が大幅に落ち込んだ5.0号機、6.0号機時代にはスロ専が次々と閉店したが、スロット市場が回復傾向にある今こそ、スロ専の復活を目指す時期に来ていると考えられる。スロ専はパチンコと比べて比較的小型の店舗で運営可能であり、物件の確保が比較的容易であることからも、再び注目されるべきだろう。

スロットメーカーがホールとの関係を深め、出店しやすい環境を提供することで、スロットの占有率を向上させ、業界全体の活性化を図ることができるだろう。このように、スロットメーカーは遊技機の開発だけでなく、ホールの運営や出店支援といった新たな視点からもアプローチすることで、厳しい市場環境の中での生き残りを目指すことも必要だ。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. そんな状況の中、スマスロ「番長4」が15週で稼働貢献終了と報じられている。「バジリスク絆2天膳」は17週だった。
    一方で「カバネリ」は80週オーバーで稼働貢献を終了。出玉バランスが良かったからね。

    ユーザーはバカではないから、ツラヌキの射幸性ばかりを高めてもユーザーは振り向かない。カネがいくらあっても足らないから。

    以上。
    通りすがりの風来坊  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 通りすがりの風来坊

  3. パチンコが低迷しだしたらスロットの占有率を上げて、スロットが低迷しだしたらパチンコの占有率を上げて…という繰り返し
    なぜ維持できないのか
    好調な側が射幸性を上げ暴走し、多くのユーザーがついていけず置いていかれる
    その後、厳しい規制などが入り結局はダブルパンチになる
    苦肉の策で不調側の規制を緩めて対応しギャンブルを辞められないユーザーはそっちへ流れる
    もちろん、パチ・スロをやめる人だったり他の賭博へ流れる人もいるわけで、ユーザーをどんどんどんどん取りこぼしていく
    そして、相変わらず自主規制が緩すぎて自浄作用の欠片も無い

    こんなことを数十年繰り返している
    ストレートに言いますが頭が悪すぎますよね
    現状だけで言えば「スロットが好調」なのかもしれませんが、総合的に考えれば間違いなく業界全体が疲弊していきますよ
    たった今の瞬間だけ「好調」というだけ
    上げ下げを繰り返しながら維持するならまだしも、この業界はどんどん先細っていってます
    もっとちゃんとした頭脳が必要なのでは?
    それこそAIに任せた方が客観的な観点から良くなるのでは?と思ってしまいますね
    この業界にいたっては邪な人間の知能を人工知能は超えているんじゃないかと思ってしまいます
    名無し  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 名無し

  5. 同じこと繰り返している歴史を考えれば数年後にまた立ち行かなくなる可能性が極めて高いはずなのに、スロ専の復活を目指す?
    良い意味ならチャレンジャーだとは思うが、後先考えないのはただの馬鹿なんだけどな。


    お上が生殺与奪を握っている、なんてのをよく聞くが、その権限を行使される寸前までにじり寄っていくのは他でもない自分達なんだが気付いているのか?
    ここのあたおかで有名なビーフ君が、客に対して子供だと揶揄し、ホールが大人な対応で導いている、なんて戯れ言を決まり文句のようによくいうが、ホールと国の関係もそのまままったく同じだよな。
    善悪の判断がつかないホール、メーカーがガキのように駄々こねて暴走し、お上が叱る。
    自分を正しく分析できない愚か者は、なにやってもうまくいかないよ。
    孫子を見習うといい。
    通行人  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 通行人

  7. スマスロで業界終了にトドメ刺したな。
    来年は客がいなくなるよ。
    馬鹿  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 馬鹿

  9. おっしゃる通りです。

    射幸性の高いスマスロは、荒すぎてラッシュになっても、お客が満足できる出玉が出ることが少なすぎる。
    パチンコのLT機も同じです。

    「お客に楽しくない」と刷り込むことは、非常に危険極まりない。

    パブロフの犬は、ブザーが鳴ればエサをもらえたから、ブザーの音を喜ぶ様になったのです。
    ブザーを鳴らしてもエサが出ない事が続けばどうなるかは自明の理。

    なぜこんな簡単な事が、大手ホール企業はわからないのか。 
    大手ホール企業が自業自得で自滅するだけならまだよいが、
    その被害の余波は高額なスマスロスマパチユニット設備を大量に導入できない良心的な中堅ホール企業にも、被害がでる事をかんがえるべきではないか?
    憂う者  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 憂う者

  11. 憂う者さんへ

    大手ホール企業はボッタクリ、中堅ホール企業は良心的、と言いたいのですか?
    中小ホール企業もボッタクリと感じますが?

    資本主義は自由競争です、ここで文句を言うだけでは、何も改善しません。
    貴殿が率先して中堅ホール企業の意見を取り纏め、大手ホール企業と折衝しましょう。
    通りすがり  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 通りすがり

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