JR東日本の関連会社に出向している最後の国鉄組の社員は、「入社当時、休みの日はみんなパチンコをしていました。パチンコ大好き社員もいて、パチンコ列車を企画したこともありました」と懐かしむ。
民営化がスタートしてから、JR各社は利益を上げるために様々な取り組みを行った。その一つに「お座敷列車」がある。お座敷列車とは、車内を「掘り炬燵」式のお座敷仕様にして、乗客が楽に腰掛けられるように工夫した列車で、誰にでも快適な列車の旅を提供することを目的としていた。
このような特別列車の企画の一環として、パチンコ列車の構想が持ち上がった。これは夜行寝台列車の一両をパチンコ専用車両にするというものだった。夜行列車は夜に出発し、目的地には昼前に到着する長旅のため、乗客が退屈しないようにする工夫が求められていた。
しかし、パチンコ台を設置するには振動が問題となった。走行中の振動で玉詰まりを起こす可能性があるため、パチンコメーカーから協力を得ることができず、結局実現には至らなかった。
パチンコが全盛期だった当時にはこのような企画が持ち上がったが、現在であればパチンコより人気のあるスロットだろう。振動の影響を受けることも少ない。
ただし、パチンコ列車の実現には振動以外にも様々な問題がある。例えば、景品の扱いだ。パチンコで得た景品をどうするかが問題となり、換金ができない場合でも風営法の許可が必要になる可能性がある。また、何も賭けずにただ遊ぶだけのパチンコやスロットが乗客にとって面白いのかという点も考慮しなければならない。
実際に長距離フェリーの中にはゲームセンターコーナーがあり、そこにはスロットやクレーンゲームが設置されている。これらの設備は乗客の退屈を紛らわせるためのものであり、パチンコ列車の構想も同様の発想から生まれたと言える。
民営化以降、JR各社は時代の変化に対応しながら多様なサービスを提供してきた。国鉄時代からの変遷を語る最後の国鉄組の社員たちの思い出は、これからも語り継がれていくだろう。そして、新たな時代のニーズに応じたサービスが生まれることで、鉄道の旅がより魅力的なものにするために、スロット列車でも再考してはどうか。

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想像するにパチンコは今ほど風当たりは強くなく寧ろ追い風なイメージ。
そんな時代だからこそ生まれた発想ですよねこれ。
今は再考する余地も無いでしょ。
大体時代のニーズを言うならパチンコは求められてないから酷い右肩下がりの現状があるわけで。
まぁやるのは自由ですがね。
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