常連のおじいちゃんは普段は補聴器を掛けている。しかし、遊技するときは効果音が大きいために、外して打っている。
で、外したままどこかへ落としてしまったようだ。従業員を呼んで店内を探してもらった。おじいちゃんは片方だけ落としていたのだが、全部で3つの補聴器が落ちていた。おじいちゃんの補聴器は無事戻った。店内放送で補聴器の持ち主の呼び出しをしたが、現れることはなかった。
夜、ホールに1本の電話が入った。
「おばあちゃんが、補聴器をなくしているんですが、お宅に落としていませんでしたか?」
「はい、ちゃんとあります。保管していますよ」
それは常連のおばあちゃんの家族の人からの電話で、無事、持ち主が見つかった。
翌日、家族の人が菓子折りを持ってお礼かたがた補聴器を取りに来た。
おばあちゃんは、10年前までは野良仕事が終わると、おじいちゃんが運転する軽トラに乗ってホールに通っていた。店長は夫婦で仲良くパチンコを打っていた姿をよく覚えている。
おじいちゃんが亡くなると、ホールへ行く足がなくなったが、タクシーで通うようになった。帰る時間は夕方4時と決めていた。勝っても負けても4時まではホールに滞在している。
「おばあちゃんは行くところもないので、御宅には本当に助けられているんですよ。パチンコ屋がなくなったら、外へ出かけることもなくなると思います。そうしたら鬱になるかも知れません」
菓子折りは品番から5000円相当と思われた。感謝の気持ちをありがたく頂いた。
昼間のホールは一種の老人ホーム状態になっているようでもある。老人ホームというより、デイサービスか。
そこで店長は考えた。ホールではAEDを設置するケースが増えた。これに関連して、役職者の条件としてサービス介助士の資格を加えたらいいのではないかと思った。
で、サービス介助士とは、高齢の人や障害がある人を手伝うときの「おもてなしの心」と「介助技術」を学び、相手に安心していただきながら手伝いができる人のことだ。
ホールの中心客層が高齢者となった現在、サービス介助士がいるホールであれば、安心して遊ぶことができる、というわけだ。
業界が率先してこの資格制度に取り組めば、ホールは万一のことがあっても「安心」な場所であることが認知される。

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費用は新台買うのをやめればすぐ用意出来ますしね(海・エヴァ・ジャグラーがあれば他の台は必要無いのが悲しい現実)
ピンバック: 日報読者
おもてなしの心が1番必要なのはホールスタッフではなくてオーナー、店長、じゃないですか?
ピンバック: おもてなし?って 儲かるの?
これってパチンコ業種のサービス本筋である「出玉」がもうどうにもできない状態だから考えられた応急処置的な事だよね介助士って。
応急処置に最低限以上の金を使うのは悪手だと思うけど。
本筋を疎かにしてる、って思われるよ。
本末転倒と言うかなんというか。
最近思うけど応急処置的な施策が本筋に成り代わって勘違いしてるホールが増えた気がするよ。
ご老人の憩いの場の事があるにせよ老人主体の目線でしか考える事が出来なくなってるならパチ屋やる意味あんのか?とも思う。
完全否定じゃないけどもうちょっと無い頭で考えろよとは思うわ。
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