オーナーは不動産業もやっているので、ホールの廃業に未練はなかった。失業する店長はオーナーに不動産部門での雇用を申し出た。不動産管理部門の仕事は時給950円のビル内清掃ぐらいしかなかった。最低時給も下回るような清掃作業はさすがに受け入れられなかった。
オーナーは廃業を決意してから、ホールの資産価値を評価してもらったところ、1億500万円と算定された。上物の価値はほとんどないので土地代だけと思われる。
オーナーは店長に次のように提案した。
「ここを1億2000万円で買う人を見つけてきたら、差額の1500万円を退職金代わりにやるのでどうだ?」
ちなみに物件は首都圏の郊外店だ。
店長はこの話に乗るしかない。さっそく、前職で同僚だった他法人のホール関係者にこの話を持ち掛けると共に、自分も雇ってもらえないか、と相談した。
困った話が舞い込んできた。元同僚で先輩でもあるので、就職話を無下に断ることもできないが、年齢的なハンディーがありすぎて雇える状態ではない。どう相手を傷つけずに断るかを悩んだ。ここはオーナーがNGを出したというしかない。
当該ホールも廃業の判断を先送りにして、やれるところまでやるパターンだが、最後は従業員が路頭に迷う。
特にホール専業だとそうなる傾向が強い。ホール以外に多角化経営をしていれば、そちらにシフトして行けばいいので、廃業の決断も早い。ところが、中小・零細のホール専業は、ホール経営にしがみつくあまり、踏ん切りがつかなくなって、最後はどうにもならない。
あるホールは、競合エリアに大手の進出が噂された。そうなれば一気にやられるので、その時は売却を考えた。結局、大手の進出はなかったものの、黒字のまま店を畳んだ。ホールの敷地にはドラッグストアーが20年契約で入った。借地にしたわけだが、ホールの利益とそう変わらなかった、というのだから、ホール経営にうま味があったことはとっくに終わっている。
特に低貸し専門店は形態こそホール経営だが、4パチ20スロしかなかった時代のうま味は遠の昔になくなっている。
等価でドロップアウトするお客の受け皿と思われた低貸しは、結局は破滅の道だった。
追記
2018年8月、ダイナムの新たな挑戦の全館0.2パチ、2スロのダイナムパーク(伊勢崎市)は超低貸しスタイルで経営が成り立つのかを疑問視していたが、コロナ禍の2020年6月には閉店している。

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メーカー・ホール共に自ら滅びの道を歩んでるとしか思えませんね
ピンバック: 日報読者
それはもはや遊戯場ではない。
ピンバック: 通りがかり
ホールが射幸性の高い機械ばかり導入し、回収調整を極端に続けた結果なんじゃないでしょうか?
結果、判断力のあるライトユーザー層が離れた。
当たり前だよね。それでもお客は通い続けると思った?本当に無能だね。
また、駄目な原因として低貸専門店は~と良く聞くが、地域の顧客層の分析もせず、設備等やサービスは4円玉、20スロのものなんだから割に合わないのは当たり前。
売り上げを下げるのだから固定費や原価を下げるのは当たり前。
やはりホールの経営層が無知無能なのだと思います。
ピンバック: DON
その1台の生涯稼動に対して、100%を超える出玉率を認めているのに、100%を超えないから、当然の結果。
その1台の生涯稼動にて設定6を永久に放置するレベルでないと客は来ないレベルまで衰退するわけやな。
ピンバック: 業界の将来を考える会
客商売なんだし客が来ないと成り立たないのは当たり前なんだが、ま、ライトなユーザー業界がないがしろにしてきた結果だし。
ホールの淘汰もまだ進むしいずれはメーカーも
ピンバック: 自明の理
ご老人が今のように年金を搾取されずに済んだはず。
4円20円のままだったらもっとパチンコ依存の犯罪が増えてただろうし凶悪化も酷かっただろう。
当時でさえ放火殺人や親族殺害、強盗殺人などギャンブル依存の凶悪犯罪がメディアでは大きく報道されていた。
今とは違った意味、違った方向へ規制されていた可能性だってある。
しかしここの業界人は自分の責任を他へ転嫁する人が多い。
経営能力が低いだけで低貸しが悪いわけじゃない。
なんでもかんでも「あれが悪い」「あれが悪かった」「これが悪い」なんて言ってたら成長なんてしない。
自分以外の何かに擦り付けて何か変わるとでも思ってんのか?
ごっこ遊びじゃないんだからまったく。
牛丼のような非常識な考えがここでは一般的なんだと、改めて思う。
低貸しが悪い警察が悪い客が悪いなんて言ってるうちは何やったって成果など出ないよ。
ご愁傷様。
しかしここの記事の文章はわかりにくいね。
最初は57才店長の視点で書かれているのに、途中で一部後輩の同僚?目線になってるし。
何年、記事書いてるんだって話。
ピンバック: 名無し