パチンコ日報

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業界衰退の原因となる等価の末路を予見して20年前にすべて売却したオーナー

引っ越し業者に都内の大豪邸から見積依頼が来た。営業が行って驚いたことがあった。まだ一度も運んだことがないようなものが沢山あった。会社に帰って社長に報告すると、「引っ越し作業に入る前に行ってみたい」と言い出した。

その運んだことがないものとは…

まず、UFOキャッチャーがあった他、スロット機が多数だった。営業が撮影した写真を見て、パチンコ・スロット好きの社長の琴線に触れてしまった。スロットの0号機から代々の名機がズラリとあった。

社長は依頼主の下へ「引っ越し代を負けますから、引っ越す前に触らせてもらえませんか」と電話を入れた。その熱意が伝わり、引っ越す前に引っ越し会社の社長が訪問することとなる。

で、実際に訪問して分かったことは、歴代のスロット48台の他、かなり古いパチンコ台の盤面が170台分も出てきた。

なぜ、こんなにパチンコ・スロットが自宅にあるのか? 話をして分かったことは、依頼主は元ホールオーナーだった、ということだ。

60代と思われる元オーナーは2代目で、父親がホール経営を始めたのは手打ち時代からだった。パチンコの盤面は亡き父親のものだった。父親の蒐集癖を受け継いだ2代目がスロットを集めていた。

コレクターなら羨望の的になるビンテージパチンコも、興味がない元オーナーからすれば、ゴミでしかないので、廃棄処分となった。枠があって打てる状態であれば、またちがっていたかも知れないが。ただし、枠付きのゼロタイガーの初号機だけは残すことにした。元オーナーもこのパチンコ機だけは思い入れもあった。

ホール経営をやめて随分経っていた。

先代がまだ生きている時だった。業界が等価交換に舵を切り始めたころだから、20年近く前になる。

先代は「等価になれば、やがてお客さんのおカネが続かなくなる。そうなるとパチンコは必ず衰退する」と読んで、一番儲かっている時に全店舗を売却した。その頃だからホールも一番高値で売れた時代だ。

その時の資金を元手に今は投資の世界で生きている。それで父親の故郷である長野へ大きな倉庫付きの新居を建て、そちらに引っ越す。

倉庫に蒐集したパチスロ機やクレーンゲームを展示する。

衣装ケースに大量の玉とメダルが入っていた。これを何に使うのかと聞いたところ、玉やメダルを使って墓を建てるそうだ。それは亡き父親の遺志であった。自分たちの財産を築かせてくれたパチンコをリスペクトするためでもある。

引っ越し荷物は10トン車で4台にも及んだ。

先代は亡くなる前、1パチが流行り出したことに対して「業界は手を出してはいけなかった」と警鐘を鳴らしていた。

等価と1パチがパチンコの衰退の原因を作ったとも言える。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 何ヶ月か前に、販社かリサイクル会社に大量の古い盤面が持ち込まれたという画像をTwitterで見た事があります
    枠無しのセルだったので、こんなレアな代物が何処から流れてきたのかと話題になっていましたね

    私がタクシー乗務員になる前に、数年ほどパチンコで生活していました
    パチンコがMAX機全盛になる少し前で、交換率が40玉から33玉に移行する頃です
    機械のスペックが荒い方向に進んでいき、都市部を中心に25玉交換に向かう状況を見て、これは無理だと漠然と考えて社会復帰しました

    今から16年前
    30代前半でそれなりに貯蓄を残して当職に就いて、コロナ禍も落ち着いてそろそろ独立が視野に見える状況になりました

    MAX全盛期に専業軍団でノリ打ちしていた当時の同世代の顔見知りは、今はどうなっているのやら
    タクシー乗務員  »このコメントに返信
  2. ピンバック: タクシー乗務員

  3. 当時、パチンコを遊戯として楽しむ普通のパチンンカーであれば、等価交換と1パチの導入が、いずれ業界を衰退させるだろうということを、誰でも気づいていたと思います。
    以前にもコメントしましたが、なんでこんなバカなことをするのか?なぜ自分達の業界を衰退させるようなことをするのか?と非常に不思議に思いました。
    今は、それが現実となり、もう後戻りできないところまで業界はきてしまいましたね。
    将来のことを考えず、ここまで目先の利益ばかりを追う業界も、本当に珍しいと思いますよ。
    自分にはもう楽しみながら打てるパチンコ台がなく、打つこともないので関係ありませんが。。。
    羽モノがどの店にも大量に設置されていた頃は、ワクワクしながら開店に並んだり、負けても納得できる部分がありました。
    今のパチンコには、もうワクワクはなく、イライラしかありません。勝ち負け以前の問題です。
    換金禁止  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 換金禁止

  5. たしか、香川県のクイーンⅡ世が低交換率で休業に追い込まれたんじゃなかったかな?
    等価交換はダメと言う、低交換率にしても高設定は入れる気ない店とは違って高設定をしっかり入れてたにも関わらず客が来なくなって休業したんじゃなかったかな?
    不思議な事があるもんですね?低交換率にして還元したのに客が来なくなって休業って
    気軽に遊べる1パチは経済的なハードルを下げて気軽に遊べるパチンコを実現出来るし、実際1パチの方が客の入りがいいパチンコ店は多い所もあるのに1パチがダメだなんて…
    ボッタクる事しか頭にない事が1番の原因だと気が付かない、ボッタクリたいが為に他に理由を付けたいって考えがパチンコが衰退した原因なのにね。
    パチンコ関係者だけだよ分からなのは
    他の業種の経営者ならそんなにボッタクらずに長く吸い取る事を考えるよ
    衰退して当然の業界だと思いますよ、カジノが出来ればもっと行政からの締め付けがでる可能性もあるしホントに無くなるかもしれないですね
    今打ってる依存性の人にとってもパチンコ店が無くなる事は喜ばしい事になるハズです
    パチンコ無くなればいい事だらけ  »このコメントに返信
  6. ピンバック: パチンコ無くなればいい事だらけ

  7. どんな業界にも先見の明のある人はいるんだね。
    ここの地区は非等価だけど、とにかく回りもしない。減少の一途でもなにも変わらず替えようともせず。まだ自分の懐で遊べる1円しか打たなくなったが、限界は近い。
    限界突破1分前  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 限界突破1分前

  9. 昨日に引き続きまた懐古記事(笑)
    等価や低貸しにしなくとも滅んでいたよこの業界は。
    現実逃避はやめようや。
    賭博だから発展できただけで自分の力が有能だと勘違いしてる無能どもに何ができるの?
    超がつくほどの売上至上主義だからこうなるの。
    根本がかわらずに今40玉とかにしてもたまボッタくって終わりだよ。
    いい加減学べよ。
    名無し  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 名無し

  11. 昔は店長、釘師の勘ピューターで開け閉めをしていた。
    今は超優秀なコンピューターでシミュレーション出来る。
    シミュレーションに従えば絶対に開けることは出来ない。
    なのでガッチガチになってしまう。
    でもたまに確率のブレで出てしまうこともある。
    しかしその時はシミュレーションのせいに出来る。
    なのでガッチガチ。

    交換率とか貸し玉金額の問題ではない。
    コロ助  »このコメントに返信
  12. ピンバック: コロ助

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