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新規事業投資の難しさ

大阪・夢洲のIRの事業者に選定されたMGMとオリックスのコンソーシアムは、1兆円の投資を表明している。中国人富裕層も期待できないのに、こんなに投資して回収できるのかと心配になるが、こんなことに驚いていてはいけない。

ソフトバンクグループの投資会社であるビジョン・ファンドは、アメリカのウーバーテクノロジーに1兆円の投資をしていたというのだから、こっちの投資額の方がよっぽど驚かされる。IRに対する投資は、まず建物などの設備投資を含んでいるので、目に見えるが、ビジョン・ファンドは会社に対する投資である。

ビジョン・ファンドは上場企業や未上場のユニコーンに積極投資を重ねて、それで5兆円の利益を上げてきたが、今期四半期だけで3兆円の赤字を出した。ナスダックの株価が22.3%下がったのに対して、ビジョン・ファンドの銘柄はそれ以上の31%も下がった。

それだけでなく、6カ月で5兆円の赤字を計上し、ソフトバンクグループ創業以来最大の赤字を出してしまった。ビジョン・ファンドの利益が半年で消えてしまった。これだけの赤字を出した要因は世界的な株安と急速な円安だった。ドル建てで借りて円ベースで返済すると為替差損で赤字になった。

ビジョン・ファンドは473社に投資しているが、この中から将来的に第二のアリババが出てくることを期待するしかない。それはAIを活用して人類の未来を切り開くいくつかのユニコーンが大化けすることを狙っている。

世界的に株価が下がっている今が投資のチャンスだが、孫正義ははやる気持ちを抑えている。それはわずか9カ月で5兆円近い投資を積極果敢に行った反省でもある。

5兆円の赤字を計上したことを受け、孫正義はこう反省の弁を述べる。

「ウーバーとか、1つの案件で1兆円の投資を重ねてきた。単発ホームランを狙って一杯打席に立って大振りして、三振した。個人の思入れで失敗した。コロナや戦争を言い訳にしたくない。しっかり厳選した投資をしていたらここまで失敗しなかった」

いつの間にかソフトバンクグループが投資会社になっていた。投資のプロ集団かと思われた。もちろん、ファンドのスペシャリストを400人ほど抱えていながら、大赤字を出したのは、孫正義の独断が原因だった。

ホール企業でも資金が潤沢なところは、新規事業の投資案件を多数抱えているようだが、伸びる分野は孫正義が言うAI関連なのか? インフラ関連? それとも守りに徹して本業のテコ入れするか。これこそが経営者の判断となる。



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