パチンコ日報

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フランチャイジーからフランチャイザーへ

ホール経営は投資額も億単位で大きいがリターンも大きいことが魅力だった。新台価格が50万円を超えることに文句を言いつつも、元が取れるとなると中古機を100万円~200万円出してでも買う。それがパチンコという商売だった。

それがいつしか、メーカーに機械代を支払いつづけるためにホール経営をやっているような雰囲気に変わって久しい。もはやホール経営のうま味はなくなっているのに、細々とホールを運営しているケースがある。

「今、2店舗運営していますが、いずれも赤字でここ1~2年で閉めると思います。オーナーがホール経営には全く興味がない。それでも続けてきたのは『井戸を掘ったのは先代だから、しっかりやりなさい』との教えを守ってきただけ。韓国にいる親戚にも利益を分け与えるためにやっていたようなもの」(同ホール関係者)

似たような話を聞いたことがある。

ホールを切り売りして行ったホールの2代目は、ついには本丸も閉めることになる。それまでは借金があったために、辞めるにやめられなかったが、好条件で売却できたこともあり、肩の荷が下りた。

残った本丸兼事務所へ何度が行ったことがあるが、その時「働いていない姉への仕送りが必要なので、ホールをやっているようなもの」とぼそっと言った。

井戸を掘ったものは親戚親族に分け与えなければいけない教えでもあるのか、と思った。そういう利害関係も吹っ切れたら閉店も早い。

世間では未だにパチンコ業界は儲かっていると思われているが、高い機械代を早期に回収しようとするあまり、無理な営業が客を飛ばし、機械代も回収できない泥沼に陥っている。投資ばかり大きくて、リターンは多く望めない、となると異業種へ投資するようになった。

TBSの「がっちりマンデー」で、坪月商が30万円以上の大繁盛店を紹介していた。坪月商とは聞き慣れない言葉だ。

これは飲食店が1坪当たり月にいくら売り上げたかをはかる経営指標のこと。15万円~18万円が一般的といわれるなかで、30万円以上を超えると大繁盛店、50万円越えでは怪物呼ばれる。

番組では愛知県安城市の「パンのトラ」が紹介されたが、坪月商は44万円だ。月商は3500万円で1店舗で年商4.2億円を売り上げる。

ウリは焼き立てパンだが、焼きたてをウリにするパン屋はどこにでもあるわけだが、種類が120と半端ない数だ。販売スペースの裏側は巨大なパン工場になっていることが特徴。売り場の通路は敢えて狭くして一方通行の回遊性を作り、後ろに行列ができてしまうので、選ぶ時間を持たせず、次々にトレーにパンを取っていくような流れを作り上げている。食べ飽きないために、物足らない味がこの店の特徴だという。

パチンコとは売り上げは桁が一つも二つも違うがホール経営者の意識も変わってきて、売り上げではない、ということがようやく分かってきた。要は投資に対していくら残るかだ。

飲食業界の専門誌の編集長によると、後継者のいない加工食品の会社にホールが出資しているほか、4店舗のパン屋チェーンを買収したホールもあるという。

「余剰資金のあるところが、地道な商売に目を向け始めている。ホールと言えば、今まではフランチャイズばかりに手を出していたが、買収した会社のノウハウを基に、フランチャイザーの立場になろうとしている」(専門誌編集長)

フランチャイジーでは加盟金や月々のロイヤリティーを払わなければいけないので、たいしておカネは残らない。フランチャイザーの道を目指すのがこれからの流れか。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. このままでは、先代から引き継いだお店を後世に残せないということですね。
    普段、偉そうに若者やお客の事を言っているシニア世代がいますが、残せなくて御免と先代と後世に頭を垂れるが良い。
    結局実力皆無  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 結局実力皆無

  3. 何もしていない親族役員や知人従業員をクビにすれば楽になれる中小企業は少なくない。
    散人  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 散人

  5. 莫大な相続税と毎年の固定資産税などのことを考えると頭が痛くなる時がある。。。
    しかし、ご先祖様が残してくれた土地を有効活用して、これまで何とかやってきた。両親は85歳、長生きしてもらいたいが、先はそう長くないと思う。。。
    私は15代目。これまで土地の売却は一切やらなかったし、今でもそれは最後の手段だと考えている。できるだけ多くの人の役に立つようにと、特に、大学生や若い人の支援になれたならとアパート経営をやってきた。礼金、敷金ゼロ。更新料もとらなかったな。。。建物は、セキスイで一戸建仕様の建材で高価だったがお願いした。レオ◯レスの営業もしつこかったが、建物自体がプレハブ小屋みたいで、何より一括借上げで家賃保証みたいなシステムの説明を聞き、この会社に未来はないと判断してしっかり断った。結果、東京都の多摩地区の田舎だが、ずっと満室状態が続いたのでアパート2棟の借金は、想定より早めに完済できた。。。
    中には、1年以上家賃を滞納したあげく、夜逃げした若い子もいたな、追わなかったけど。。。拓殖大学、造形大学の学生さんが多かったけど今はどうしてるかな。
    パチプロの若い子もいたな。彼は、八王子駅周辺の店をジグマにして、生活していた。15年くらい前のこと。なぜか私と父は、その子の将来が気になって、何度か「就職せよ!!」と説得した。彼は、迷いながらもパチプロを廃業し、真面目に就職して、最近、結婚したと聞いた。
    今日は、八王子市役所の福祉課に行ってきた。若くて、努力して仕事も頑張ってきたのに、ちょっと精神が病んでしまった人の受け皿になれたらと思って。真面目過ぎて、うつ病などを発症するとアパートを借りられない場合があると聞いて、ウチのアパートで空室が出たらどうぞと言ってきた。
    定年まであと15年、もう少し頑張りますか。。。
    換金禁止  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 換金禁止

  7. フランチャイジーとフランチャイザーの関係は、あくまで「契約」なので対等ですよ。お互いの機能によって利益を出すもの。片方のデメリットだけを強調するのは違うと思いますね。
    メイン基板  »このコメントに返信
  8. ピンバック: メイン基板

  9. 本文中のパン屋の話。振り返ればたしかに、人気のパン屋って回遊性を重視した作りになってますね。
    これが有効なのはパン屋だけなのかな。
    気になるところです。
     »このコメントに返信
  10. ピンバック: 蟹

  11. >フランチャイジーでは加盟金や月々のロイヤリティーを払わなければいけないので、たいしておカネは残らない。
    >フランチャイザーの道を目指すのがこれからの流れか。

    設備投資する資金力もないしノウハウもないし信頼もないから、それを借りて商売するのがフランチャイズでしょう。
    そんな簡単にフランチャイザー側になれるなら苦労しないよ。
    個人経営できるラーメン屋でバイトして、ショボいラーメン屋をやるのとは訳がちがうでしょう。

    遊技機メーカのサラリーマンが独立してら、遊技機メーカを作れるとは思わないね
    ふざけるな  »このコメントに返信
  12. ピンバック: ふざけるな

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