文字そのものは「タテのつながりと、ヨコのつながり」を意味する。つまり、縦横に手を結んだり離れたりする様子を指している。その時々の利害に応じて、手を結ぶ相手を変えながら生き残りを図っている様子を表している。
少子高齢化で市場が伸びない日本では、各業界3グループに集約されると見られている。流通ではコンビニが既に3社に絞られている。ドラッグストア業界とホームセンター業界でも合従連衡が進んでいる。
ドラッグストア業界の歴史を振り返ると、大手の多くはM&Aを重ねて売り上げ規模を拡大してきた。
2021年10月、業界5位のマツモトキヨシホールディングス(千葉県)と7位のココカラファイン(神奈川)が経営統合する。ここに至る過程では、6位のスギホールディングス(愛知県)もココカラファイン獲得に乗り出すなど、ココカラファイン争奪戦が繰り広げられた。
最大手のウエルシアホールディングス(東京都)は、埼玉県と東京都のドラッグストアが合併して発足したグリーンクロス・コアが前身だ。1999年にツルハ(北海道)と、2000年にはイオンと業務資本提携した。2008年に高田薬局(静岡県)と経営統合。13年に寺島薬局(茨城県)を買収すると、2016年にはCFSコーポレーション(静岡県)を吸収合併した。
2位のツルハホールディングスも、1995年にイオンと業務・資本提携。2000年にドラッグトマト(岩手県)を買収、以降全国各地のドラッグストアを買収していく。2017年に杏林堂グループ・ホールディングス(静岡県)を買収。2020年5月にJR九州ドラッグイレブン(福岡県)を買収するなどM&Aの手を緩めていない。
ホームセンターは建築資材やDIY(日曜大工)、住居関連、園芸などを扱う。店舗数は国内5000店舗弱で、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどと比べるとそれほど身近にある店舗ではない。
業界団体の日本DIY協会によると2019年度の市場規模は3兆9890億円。11兆円を超えるコンビニ、8兆円に迫るドラッグストアなどと比べるとかなりの開きがある。新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要を追い風に足元の売り上げはおおむね好調だが、長期的には成長は頭打ちで、過去20間年で2000億円程度しか市場規模は伸びていない。
そんな成熟市場だから、かねて自力出店よりもM&Aでシェア拡大を図ろうと考える経営者が多く、M&Aを重要な経営戦略の一つとしてとらえてきた。
では、パチンコ業界はどうかというと、M&Aで急拡大を図っているのがアンダーツリーグループだ。2015年に茨城県の金馬車グループを傘下に収めたのをきっかけに拡大路線を突き進み、2019年7月には150店舗を突破した。店舗数ではガイアを抜き業界3位の座に就いた。
その一方で、さらなる生き残りをかけて合従連衡の話も出てきている。コロナ禍が収束して、脱落することなく生き残った法人は、地力があるということでもある。規模的には一気に400~500店舗ぐらいのグループを目指す。
一番の狙いはやはり機械問題だ。対メーカーにはスケールメリットでの購買力を発揮できるし、PB機を発注することもできる。中古をグループ内で回すこともできる。
パチンコ業界にもホールの再編の足音が近づいている。

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