パチンコ日報

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去る人、始める人

栃木県鹿沼市に住んでいるAさん(80)は、近郊の地区から市の中心部へ引っ越してきた。理由は病院が近くにある方が安心だからだ。

唯一の楽しみはパチンコ。それまでは4パチ派だったが、4円が回らないのでカネばかりかかるから今は1パチを打っている。

Aさんのマイホールには10年前は顔見知りの常連客が20人以上いたが、櫛の歯が抜けるように1人、また1人と消えていき、最後までいたおばあちゃんの姿をつい最近見かけなくなった。

常連客だったBさんは車椅子の生活になってから、ホールへ行かなくなった。Bさんは自分が元気なうちに自分が死んだ後の葬式の手配を行うべく、地元の葬儀屋へ相談に行った。

ここで、最後まで残っていたおばあちゃんが、最近亡くなったことを知る。それを知ったBさんはAさんにおばあちゃんが亡くなっていたことを電話で伝えた。

Aさんはそれを聞いてすっかりパチンコを打つ気力が失せてしまった。話し相手のおばあちゃんがいたからホールへ通っていたようなものだっただけに、ポッかりと心に大きな穴が空いた。

Aさんは言う。

「自分が行かないとおばあちゃんを寂しがらせるから行っていた。全く行く気がしなくなった」

パチンコを辞めることを決心したAさんは会員カードに残っていた貯玉を全額引き下ろしに行った。

従業員には「車を運転してくるのも限界になった」と辞める理由を話した。

従業員からAさんが貯玉を引き下ろし、パチンコを辞めたことを聞いた店長は感慨にふけった。

全盛期には300人以上の常連客の顔を覚えていたが、今は50人ぐらいまで減った。毎朝、開店前に並ぶ常連客から顔を覚えていった。9時開店に並ぶ客がどんどん減っていることを実感していた。
「お客さん同士で自然発生的にコミュニティーが生まれたものですが、今はそのコミュニティーがないからAさんのようにパチンコを辞めていく人もいる。朝お茶を出す人数もめっきり減りました」

高齢化が進む地方の現実を垣間見ることができる。

その一方で都内ではこんな事例があった。

大当たりした出玉を持っていたレジ袋に一生懸命詰め込んでいる客がいた。不審な行動をする客を見つけた客が従業員に知らせた。

レジ袋に玉を詰め込んでいたのは、1パチコーナーで遊んでいた東南アジア風の外国人だった。従業員はビニール袋に詰め込んだ玉を4パチコーナーへ持ち込むものと思い込んだ。

「何しているんですか?」と声を掛けたが相手はキョトンとするばかり。

日本語は通じない。

片言の英語で従業員が話しかけて、タイ人で生まれて初めてパチンコをして、玉が一杯出てきたのでどうしていいか分からず、レジ袋に詰め込んだ、ということが分かった。

各台計数機だったが、当然使い方も分からない。

遊び方を教えて、結局1万6500発も出した。

店で換金のことは教えられないので、常連客に景品交換の方法と換金所までの案内をお願いした。

来日してまだ1カ月あまり。現金を手にして「ありがとう、ありがとう」を連発して帰って行った。

ちなみに200円で大当たり。ビギナーズラックだった。

去る人もいれば、新たにパチンコを始める人もいる。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 新たに始める人の数は、圧倒的に少ないですが。
    現実  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 現実

  3. 常連客が新しい客を連れて来るスタイルがこの業界では成功例かつ平穏で安定した店舗運営にもなっていたのにな
    トラブルもなく新台入れ替えも頻繁にせずに済む上に安定した収入も取れたし店側も出す時ハッキリ出せた。
    知らぬ客が来た時の雰囲気の悪さはビンビンに客にも店のスタッフにも伝わってくるしな。

    まぁ地方の何年前もの話だが。今はどうだ?店も客も必死過ぎる。
    そもそも抽選入場も遠征組も徹夜も害でしかない
    毎回負けてる客に出してあげたいからこそのサービスデーだったはずなのにそれすら取れない。
    そして遊べる環境で無ければ自然と客同士のコミュニティだって減るに決まっている

    個人的には入場年齢制限を引き上げて、競馬と同じ学生身分の入場禁止などは法改正で必要だと思う。
    最低22~5歳以上からの入場にした方が良いだろう。
    生き字引爺さん  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 生き字引爺さん

  5. 常連をいじめ抜いて、
    常連が減ったと嘆かれてもなぁ。
    すべてブーメランでしかないと思うけど。
    それでも絞るんだよね  »このコメントに返信
  6. ピンバック: それでも絞るんだよね

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