講師:河合文徳(店長)
テーマ:「自分が業界で頑張る理由と従業員が離職しなかった理由」

会社には①人材、②人員、③人財の3種類の人が働いている。
人材とは指示ざれたことを70~80%しかこなせないアルバイトや新人社員。人員とは100%こなせるアルバイトリーターや社員。人財とは100%以上の+αができる役職者。+αが大きくなれば役職も上がっていく。
つまり、人財集団になれば会社は良くなるが、離職率を下げなければ役職者も育たない。そのためには頑張ったら評価されるいいチーム作りが必要になる。
スタッフは急には辞めない。辞めるまでにはいくつかのプロセスがある。その過程でシグナルやSOSを出している。
お願い事をしても「しんどい」とか「忙しい」とレスポンスが遅くなる。スタッフ間同士でもコミュニケーションを取らなくなる。身だしなみに乱れが出る。
こうしたサインを見落とすといきなり「辞めさせてください」となる。その時の辞める意思は固まっているので引き留めても遅い。
シグナルがあった時点で問題点を潰していけば離職率は下がる。
おはようの声掛けで下を向いて返事するようなスタッフにはすぐに「どうした? 何かあったのか」と面談する。朝礼、終礼でも顔の表情を見て声を掛ける。
「どうしたの?」と一言声を掛けるだけで、「自分のことを見てくれている」と印象も変わる。
会員募集やコーヒー販売、サービス向上のアイデアなどで成果を出したスタッフは手作りの表彰状で褒める。「ありがとう」を形にすることでスタッフのモチベーションが上がる。
私が若いころ320台のホールに店長として着任した時、1人でホール業務を全部こなせる自信があったので、できないスタッフには厳しく指導して、できないのなら辞めろ、というタイプだった。
ところが1000台クラスのホールの店長になった時は、さすがに1人では回せない。社員は20名、アルバイトは100名もいる規模で、スタッフの名前も分からない。
グランドオープンの前日、水巻に2時間もかかって帰ってこないアルバイトスタッフがいた。そのアルバイトスタッフが、店が落ち着いたころ「ディズニーランドに行くので1カ月休ませてくれ」と非常識なことを言ってきた。
「数を揃えたらいいのか?」ということになり、彼は早番と遅番を通しでやったり、早番と遅番を集めてそれぞれのシフトを聞きながらシフトを組み始めた。朝、アルバイトからジャンジャン当日欠勤の電話が鳴るような環境だったが、仲間から「休むな」と言われれば休みにくくなる。任すことによってシフトを守るようになった。
人を使うことの本当の意味が分かった。
古いタイプの主任はほぼ通しで働き、仕事を一人で抱え込んだりする。抱え込まないで任せないと下は育たない。
パチンコは現金商売なのですぐに結果が求められるが、1年もやれば育つ。そのためには上の忍耐が必要になる。

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