当時、消費者から言われたのは「ダイエーには何でもあるが、欲しいものがない」。家電量販店に比べれば、当然、品揃えでは劣る。
総合スーパーは21世紀の業態ではないと言われ始めていた。そんな矢先に阪神淡路大震災が起きる。ダイエー三宮店は建物が倒壊するほどの被害を受ける。
この時、中内会長が指示したのは「とにかく店を開けろ。ダイエーがライフラインや。商品供給がダイエーの使命や!」と社内に発破をかけた。
芦屋店は棚が倒れて、商品が散乱していたが、出社できる人間だけで、震災当日から営業した。
被災した市民のライフラインの役目を果たした一方で、皮肉にもこの年にダイエーは赤字に転落する。
中内会長の側近の一人は「大型スーパーの時代は終わりました。これからはローソンの時代です。ダイエーはもう止めましょう」と進言した。
中内会長にすれば、ダイエーは我が分身である。改善策もないのに止めることは身を切られる思いだった。
1999年中内会長が引退。図体が大きくなりすぎて判断が遅れたが、2000年代に入ると堰を切ったように怒涛の勢いで事業売却、清算が始まる。稼ぎ頭のローソン、オリエンタルホテル、ダイエーホークス、新歌舞伎座、リクルート、横浜ドリームランドなどの大型案件から、フォルクス、オレンジページなどのこまごましたものも、ありとあらゆる関連事業を次々に売却して行った。
ダイエー本体も2015年にはイオンの完全子会社として傘下に入り、食品中心のスーパーで再建を目指している。
肝心のイオンも中核をなす総合スーパーの業績が低迷して、3年連続で赤字が続いている。
総合スーパーは安さ一辺倒で勝負してきたが、消費者のニーズはユニクロに代表されるように安さ+品質を求めるようになり、それに対応できなくなったことが衰退の原因とされている。
存在価値を失った総合スーパーは終わった、と言われて久しいが、では、パチンコも同じことがいえるのだろうか?
スロット4号機、パチンコMAX機の高射幸性の稼ぎ頭が撤去され、ホールの稼働、粗利の低迷が続いている。ホールにとって多額のおカネを使ってくれていた「太い客」は、どこへ行ったかというと、あるホールの調査によると、一発逆転を狙って競馬へ転向した客も少なくないという。
総合スーパーから食品専門スーパーに路線変更して生き残りを模索しているが、パチンコは低射幸性での生き残りを余儀なくされている。
低射幸性に低価交換という業態では、従来のようなコストを掛けられないことは明白だ。建築コストにおカネをかける時代でもなければ、機械代におカネをかける時代でもない。
高齢化社会によって時間つぶし、暇つぶしを求める一定のニーズはあるわけだから、それに応えることがホールの役目でもあろう。

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何か良い記事は有りませんか、令和元年はパチ屋崩壊年w
ピンバック: お国柄かな
やることがないおっさんたちがせっかくパチ屋に行ったのに、
あまりのガチ釘で諦めてお帰りになる。。。
そんな光景を何度か見ました。
そのせいか、がらがらですよね。
ニーズに応える気なんて、ありませんよね?
ピンバック: 青空
MAX時代もそれしか開けないから客がそこにしか居なかった、海系、アマデジの客は一切無視、ホールが客を選んでた時代。
ピンバック: 山下
ピンバック: 残念君
ピンバック: パチンコは、オワコン
客減少を止めたいなら運営側が縮小する。
客数を増加させたいならより運営側が縮小する。
選択は巨体の維持。
ならばそれ相応の未来が待っている。
全てを拾えるものではない。
選択するのは客じゃなく提供する側だ。
客ができる選択は辞めるのみ。
そして、すでに選択したんだからその結果である現在に文句を言ったり泣き言を漏らすのは情けない。
勝てないギャンブルに何の魅力があるのか。
パチンコパチスロというものは、すでに一度終わったコンテンツ。
でも復活は可能。
ただ、復活させる選択は選ばないだろう。
ピンバック: 通行人
ピンバック: 令和時代のパチンコ
パンドラもダイエー傘下の時は決断が遅かった。
ピンバック: 猫店長
射幸性が削がれたのがやはり大きいと思う。規制は確かに必要だが、度が過ぎると客は逃げてしまう。
個人的には、低貸限定で4号機並みの爆裂機を一定割合で認めるのも1つの案だと思う。
中央競馬でも3連単の売上が大きいのは、客がギャンブル性を求めている理由の1つだと思う。
ピンバック: hirotti
しかし今のホールもメーカーも、打ち手の事なんてこれっぽっちも考えていない。
ピンバック: 衰退は必然
統括責任者として辣腕を奮っていた最中に、中内氏からの誘いで、ダイエーの家電販売部門(パソコン販売統括)にヘッドハンティングでダイエーに入ったと聞いておりました。が、その後のダイエーの凋落はみなさんご存じの通り。
私が初めて入社した会社は、今では中国企業の傘下で免税店として残っていますが、そこに至る迄には、かの本多氏(元セブンイレブン社長)が乗り込み、業務改革を行うなどして再建に尽力したようですが、上手くいかずに結局は中国企業
の傘下になりました。
さて、ホール業界ですが改革を起こそうとしていますか?
改革をしようとして尽力し、成功、或いは 失敗したのならともかく、何もせずにダラダラしていたから客が減少したのではないのですか?
ピンバック: たけぼー