ホールの接客レベルについて相談を受けることがよくある。
その都度「接客の本当の意味を知らずして社員に教育しても無駄だ」と力説する。これは昔から一貫している。
ホール企業が接客教育に力を入れ始めた頃、一流企業の講師や航空会社系列のコンサルを招いて接客教育の講習を頻繁に行っていた。
お辞儀の時、腰の角度は45度・・・
大きな声であいさつ・・・
いつも笑顔でお客様の顔を見て・・・
などなど。
私はサラリーマン時代に接客教育を何度も受けてきた。もちろん会社の金で。
基本はどの接客教育でも同じだ。
しかし、本来なら年齢や性別、収入による客層の違いなどの応用教育も必要である。
それら全てを念頭に入れての接客教育なら問題はない。
ホール企業の一部では、ホテル並みの接客を求めるケースもある。
これはこれで否定はしない。いい心がけであり、理想は高い方がいい。
これぐらいが従業員の基本教育には丁度いいと思う。
が、それはそこまでのことで、本来の業務の中で必要なことが抜け落ちている。
ホテル並み教育のほとんどは、お辞儀の角度や声の出し方など「外観的接客教育」に止まってしまう。
テキストを読んだあと、実戦的にロールプレイング練習を何回も行う。
いくら時間を掛けても完全に抜け落ちていることは!
「パチンコ店向け内面教育」だ!
一般業種向けの講師では、そこまでが限度だと思う。
社内教育の担当者もそのレベルが多いのも事実だ。
つまり一般業種の講師では、パチンコに来るお客様のことを知らない人が多いと思う。
あるホール企業が継続的に続けていた研修機関の教育を受けたことがある。その時講師に質問をした。
「先生は週に何回ぐらいパチンコをしますか?」
「ほとんどやりません」
このやりとりの意味・・・
このことをオーナーに指摘したが、オーナー自身も指摘するまで気づかなかった。
逆にホール企業の教育担当者はどうだろうか?
ある教育担当者に質問をしたことがある。
「何故、お客様は貴方のホールへ来店しますか?」
教育担当者は以前お客様から収集したアンケート結果を応えた。
正解!でも100点ではない。
アンケート調査は全てを語らない。
一定の方向性を示すだけである。
「お辞儀の際の腰の角度は45度・・・」
「大きな声で挨拶・・・」
「いつも笑顔でお客様の顔を見て・・・」
こんなことはもはや常識中の常識。
これより一歩進めた教育が必要だ。
ポイントはどこまでお客様の立場に立って気遣いができるか。
ホールに置いてある機械台の説明書。
予告やリーチの説明が網羅されているが、文字が小さすぎるケースが本当に多い。
50歳を過ぎると老眼になるので細かい字は読めない。
繁盛店でも閑古鳥が鳴いているホールも同様で年配者に対する気配りが感じられない。
不振店なら余計見やすくするべきだ。
実はこれが接客の一部なのだ。
パチンコ店における接客とは、スタッフが行うだけではない。遊技説明書はパチンコ店における接客の一部だと考えている。
このことをホールはもっと認識するべきである。
小売業やホテルとは違う。
ここに気づくかどうか。この差は本当に大きい。
これをお読みの教育コンサルの方は、視点を変えお客様に本当に必要な接客について再考することをお勧めする。
話は多少変わる。
「パチンコ店におけるホテル並み教育」
と
「パチンコ店におけるホテル並み接客」
この違いを認識している教育担当者や業界関係者は何人いるだろうか?
考えて欲しい。
続く
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