パチンコ日報

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16年前を振り返る

元店長のもとへ読者から「阪神大震災の時と比較して、業界の対応が成長しているのかどうか」という問い合わせがあった、という。



今、30代前後の若手店長なら16年前の業界の対応を知る由もない。



阪神大震災と今回の東日本大震災は甚大な被害という点では、一致するが規模が東日本全域に及んでいるため、比較することに無理がある。



4月3日付のヤフーニュースにパチンコ業界の節電問題が取り上げられていた。



阪神大震災のときとは、大きく違う点は、地震や津波被害だけでなく、原発が操業停止になっているために、東日本では電力不足という問題が持ち上がっていることだ。



東日本では電力不足の中、営業するパチンコ店の存在が世間からの攻撃対象になっている。



阪神大震災のときは業界を挙げての自粛ムードもなく、被災地へ義援金を送ることが主だった。



阪神大震災の時に業界で働いていなかった人たちのために、当時のことを振り返ってみたい。



以下の本文は震災発生から1週間後の被害状況である。



1月17日、午前5時46分頃、兵庫県淡路島北端を震源地に起こったマグニチュード7.2の阪神大震災は西日本の動脈ともいえる尼崎市~神戸市にかけての阪神間に甚大なる被害をもたらした。



死者、行方不明者は5000人以上にのぼり、被害総額も10兆円は下らないと推定されている。激震地では高速道路や新幹線の橋げたが崩れ落ち、鉄筋コンクリートのビルが倒壊するほどのすさまじさである。



兵庫県遊協が1月25日までにまとめた状況によると、尼崎市では「塚口会館」の社長が死亡したほか、神戸市灘区の「メトロ会館」ではホールが倒壊し、寮に住んでいた従業員8人が死亡、同区の「天龍遊技場」でも従業員1人の死亡が確認されている。



また、神戸市長田地区では火災により「松竹会館」「ミナト会館」「ジャンボホール」「パーラー遊遊」「パチンコタイガー」「ジャンボたかとり」の6軒が焼失した。



特に被害が多かったのは神戸市の東灘、灘、葺合、生田、兵庫地区のほか、西宮市、宝塚市、伊丹市など。確認作業が難航しているが25日までにわかっているだけで、全壊が22軒、一部損壊が55軒となっている。営業ができないホールは64軒となっているがこの数がもっと増えることは確実の模様だ。



三宮の「鈴蘭」は5階建ての自社ビルで、1階と地階がホール。1階の柱部分が大きく崩壊し内部に入れる状態ではない。



同ホール関係者は「地下はまったくの無傷。すぐにでも営業できる状態。いずれにしても建物は潰して一から建て直さなければならない。阪急三宮駅が復旧するまでに3年はかかるといわれている。まったくメドがたたない」と途方に暮れる。



元町の高架下にある「伊勢屋」は、店内は何もなかったように整然としている。店頭には「当分の間臨時休業致します」という張り紙がある。



「高架が崩れ、3階の寮の壁を突き破ってきました。1階部分だけ見ると営業はできますが、天井からいつコンクリートが落ちくるかわかりませんから、高架の修復が終わるまで営業できる状態ではありません」と同ホール関係者。



新開地に本社を置く安田興業では2軒のホール(いずれもビル)にひびが入り、倒壊の恐れがあるので、立ち入り禁止になっている。



「余震がきたらいつ崩れるかわからないので、早く取り壊したいが、その手配もまったくメドがたたない……」と再開どころの状況ではない。



住宅街でもある東灘区では民家の倒壊が相次いだ。昨年暮れに改装オープンした「ウィング21」は玉タンクが壊れ、ガラスが割れた程度の被害で済んだが、同ホール関係者はこう語る。



「道路が復旧して、市民が落ち着いてこないと(店は)開けられない。早くて3~4月頃か。周りの状況を見ながら単組で考える」



その一方で、一日も早く開けたいホールも少なくない。被災地周辺では営業の自粛ムードがあるものの、従業員への保障や銀行への返済を考えると事態は深刻である。西宮市鳴尾では営業していたホールに石が投げ込まれた、という。



兵庫県下には685店舗のホールがあるが、このうち半数の350店舗あまりが被災地区で営業している。山内正行理事長は「まず、現状の調査からはじめてみなければわからないが、200軒あまりは開店までに2~3カ月かかるのでは。1カ月以内に開けられる店が100軒あればいいほう」と見る。



以上



震災から1カ月経つと被害状況も明確になってくる。



以下本文



兵庫県遊協が2月10日までにまとめたホールの被災状況によると、死者は12人(経営者1人、従業員11人)、建物被害は全焼が4、全壊が21、半壊が33、一部損壊が239ホールに達っした。



被害地域は尼崎市から明石市にかけての沿岸部に集中。同地域で398軒が営業しているが、75%にあたる297軒が何らかの形で建物に被害を受けた。



特に被害が甚大だったのが神戸市。東灘、灘、葺合地区では54軒が営業していたが、全店が被害を受けている。また、全、半壊などの被害が集中したのが、生田、兵庫、長田でこの地域には比較的老舗ホールが多く、建物が老朽化していたことも一因しているようだ。



今後の営業再開についてはかなり厳しい状況のようだ。組合に寄せられた回答によると、まず「見通しが立たない」が48、「1~6ヶ月ぐらい」が14、「未定」が85、という結果で、2月10日現在で147軒が店を開けられない状態にある。



「見通しが立たない」というのは建物の焼失や倒壊で物理的に営業ができないというホールで、残りの100軒あまりは、修復に多少の時間はかかるものの、街の被災状況から営業を自粛しているケースも少なくない。



県遊協の事務局長は「被害状況が地区によって異なりますので、営業再開は単組ごとの判断に任せています。そろそろ再開するホールもあります。最初は抗議や非難の電話もありましたが、町の再興、活性化のためにも再開を求める声が上回っています」と話す。



16日現在、営業していない単組は東灘、灘、長田の3地区。同地区にはすぐにでも営業できるホールがいくつかあるが、周辺の住宅倒壊が甚大だった場所だけに自粛している。また、水道が止っているため、トイレが使えないという事情もある。



プライバシーもなく、風呂やトイレも不自由な避難所生活が1カ月以上も続くと、精神的ストレスもピークに達している。そのハケ口として手軽な娯楽であるパチンコが心のより所にもなる。



パチンコをしない人から見れば「こんな非常時にパチンコなんかけしからん」となるのかも知れないが、パチンコができる環境というのは、それだけ平常に戻りつつある、という現われでもあろう。



こういう状況下で3日、被災地の中心地でもある元町で「クラウン」が営業を再開した。これは地元商店街から「街に活気を取り戻してほしい」という要請によるもの。



当初はネオンを自粛したため客足は鈍かったが、口コミで広がり3日目からは超満員になった。交通機関が未だに遮断されているため、自転車での来店が多いのが特徴で、従業員は自転車の整理におおわらわだった。



新開地では単組で協議した結果、10日から営業を再開した。同地区では全壊したホールが4軒も出るほどの打撃を受けたが、地元商店街から「ネオンをつけて町を活気づけて欲しい」との申し出があった。



10日から営業を再開した「コアラ」ではパンやジュースなどを無料で配り、客をもてなした。



「パンは数に限りがありますが、ジュースなどの飲み物は景品の在庫も含めてすべてサービスします。反響がいいのであと1週間ばかり続けたいと思います。お客さんの入りは通常の1.5~2倍。皆さん娯楽にうえていたのでしょう」と同ホール関係者。



「ポパイ&オリーブ」でも、10日から店を開けるとともに、5日間炊き出しをした。メニューはおにぎり、カス汁、カレー、煮物など。毎日300食ほど用意したが、30分ほどではけ、急きょ従業員の分まで配った。



「再開後は新開地に確実に明るさが戻ってきました。それまでは人通りもまばらで、まるで死んだ町でしたが、ネオンが点ったことが気分的にもよかったようです。少しでも長く遊んでもらうために、釘はかなり甘目にしています。あくまでもストレスを解消して欲しいですからね」(同ホール関係者)



営業しているホールはいずれも満員。家を失い、職場を失い、何もすることができない人たちや、復旧のために全国から駆け付けている土木作業員らの唯一の憩いの場になっている。



兵庫県遊協山内正行理事長(当時)は、2月28日の取材で、被災したホールの再建で、既得権の問題が発生していることを次のように述べている。



全地区で営業を再開したが、物理的に営業できない状態のホールが68軒あります。全店が復活するにはまだ2年ぐらいはかかりそうです。



今はとにかく既存店の問題を解決させることが最優先課題。全壊や全焼したホールの中には病院や学校などの制限地域にひっかかるホールが8軒もあります。



いずれも対象物からせいぜい40mぐらいしか離れていません。すぐにでもその場所で建て直さなければならないが、法律に立ちふさがれて見通しが立たない。



それで早い対応をしてもらわないといけないので、特例の許可を求めて警察庁に陳情書を、県警にも要望書を出しています。



法律を改正するわけですからなかなか難しいことは承知していますが、100年に1回あるかどうかという大災害ですから、この点を考慮していただいてちゃんと復興させて欲しい。



今回は特例を認めていただく、という形になっていますが、決して兵庫だけの問題ではありません。制限地域の問題は全国で起こりうることです。県議会や市議会、地元商店街にも働き掛けて請願書の協力も要請していきます。ここ2~3カ月の間に何とかしなければいけない。



以上



当時は阪神大震災によって初めてインターネットの存在が世間で注目を受けるようになった時代だった。今のようにネットが一般的ではなかったので、パチンコ業界が叩かれることもなかったが、それ以前に非常識な行動も取っていない。



被害の少なかった新開地のパチスロ専門店は避難所として開放された。最大で40人がホールで生活していた。ホールの入口には炊き出し用の炊事場が設けられていた。



水道が止まっていた時、冷暖房用に掘った井戸水を市民に開放する東灘区のホールは、洗濯機を設置し「無料ランドリー」を提供して地元の話題になった。



被災地のホールも地域との共存共栄を図っていた。



今回の東日本大震災では、阪神の時には起こりもしなかった問題が多数浮上しているので、一概に比較にならない。



被災地のホールのことよりも、それ以外のことばかりがクローズアップされているのが今回の特徴で、アンチからのパチンコ不要論はヒートアップするばかりである。



電力問題では東電憎しの矛先が、そのままパチンコ業界へ跳ね返っている。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 地域密着

    私が勤務していたホールは、総台数200台に対して平均50人 多い時で100人くらいの店舗でした。1年くらい過ぎてある特徴に気がつきました。

    周りは住宅街なのに徒歩圏内のお客様が非常に少ないことです。店長に話を聞くと出店の際からご近所の反対が多く、某国会議員の口利きで無理矢理オープンしたそうです。

    その後も近所との関係はギクシャクしたもので、皆さん車でよその店に行っているようでした。

    そこで、私は積極的に地域の活動に参加しようと、オープン以来一度も参加しなかった生活排水用の側溝の清掃活動に、毎月参加するようにしました。

    しばらくして、あなたはあの店の従業員さんなんかね?店には一度も行ったことはないけど、そりゃ今度から行ってみないかんね~という会話もできるようになり、実際に近所の方々の来店も増えてきました。

    今まで罰金の5千円を払っていればいいということで参加しなかった清掃活動で地域の方々と少しだけ距離が縮まったと感じた記憶があります。

    今回の震災とは比較にはなりませんが、地域とのつながり、助け合いの精神、奉仕の精神があれば、多少の理解は得られるものだなという経験を少し述べさせてもらいました。
    元従業員  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 元従業員

  3. 時代の変化

    阪神淡路大震災 当時の業界事情を知らなかったので、このエントリーは為になった。



    今回の東日本大震災でのバッシングの原因は、被災地での甚大な被害や電力不足が分かっていながら、一般社会の雰囲気を読まずに非常識な対応を続けた業界の体質にあると思う。

    原因に繋がる様々な要因には、時代の変化もある。1995年当時は、まだ店と客の結び付きが強かったしインターネットも携帯電話も普及していなかったので、デマ情報による誤爆被害も少なかった。一番の変化は、人材の劣化。これは業界よりも、一般社会の民度低下が絶望的なほど著しい。

    そういった時代の変化に対して業界が適切に対応してこなかったツケが噴出した結果、バッシングになった。民主党と同じように意志統一されていない寄合所帯なので、意見がまとまらずに問題を先送りしていた業界の対応が、今のバッシングを防げなかった遠因だと思う。
    養分  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 養分

  5. Unknown

    昔はガセイベントなんかありませんでしたね 



    パチンコファイトの取材イベントなんか大サービスでした

    ガセなんかなかった 

    出さないとパチンコファイト側が撮る絵がないから困るからね 



    ところが近年はガセイベントが当たり前 

    元店長さんでさえもイベントは出す必要がないとおっしゃっている 

    これだけは元店長さんらしくないと思う  

    ガセイベントが善になるのなら善とは何なのか? 

    自分が言いたいのはイベントの安売りがいけない 

    出せる真実だけをイベントの名付けないといけない 

    ガセイベントはイベントではなくまやかし物 

    ガセイベントで客は止めていったんだよ
    ドンタク  »このコメントに返信
  6. ピンバック: ドンタク

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