数字の羅列で間違いやすいが、警察に提出する書類なので間違いがあってはならない。入力後もミスがないかチェックするのに時間を取られている。
機械代削減のために、チェーン店の中古機移動は増えるばかり。それに伴って書類の量も膨大になるばかり。現場の事務担当者からは悲鳴が上がっていた。
静岡県三島市に本社を置くフジコーの本社営業部も同様の悩みを抱えていた。現在チェーン店は7店舗。
「チェーン店の中古機移動の作業自体が、かなり増えたところに2つの書類も増え、書類作成のたびに遊技台の製造番号などを一つずつ手入力していました。2人で書類作成をしていたんですが、入れ替え作業が2店舗、3店舗と重なると夜11時まで残業することもありました。うちのチェーン店はバラエティーコーナーが多いので、1回の入れ替えで移動数がかなり多いほうです。書類作成時間を削減することが課題でした」と語るのは営業部の棚井琴美さん。
現場からの問題点を聞いた総務部の藤澤剛課長は、改善のために早速動いた。撤去遊技機明細書と中古遊技機確認書のほか、変更承認申請書が自動作成できることを必須条件に、遊技機管理システムを販売している会社の選定に入った。
数社まで絞込みができた。システムを動かすためにはデータベースを新たに作成しなければならない。
「当社で作成していた遊技機のエクセルデータは、ソフトの関係で機種名の長いものは、短縮して入力していました。ある会社は『それは正式名ではないので読み込めない』と断られました。また、手入力するのは大変なのですが、アンフィニさんはそれを読み込んでくれました」(棚井さん)
対応の柔軟性だけでなく、各社の遊技機管理システムのメリット、デメリットも見えてきた。
「ランニングコストの安いところは、自動出力できない書類があったり、高いのにQRが取れないとか一長一短ある中で、QRが使えて、基本機能が充実して、なおかつコストパフォーマンスに優れ、こちらの要望にもすぐ対応してくれたのがアンフィニさんでした」(藤澤課長)
昨年8月に検討に入り、10月から導入されたのがアンフィニの遊技台管理システム「Pas-comV2」だった。
店舗に設置されている遊技機のデータベースを作るための初期登録作業が必要になる。1台ごとにセル、枠、主基盤に分離して管理するために、QRコードの読み取りが必要になる。この面倒な初期登録作業(500台クラスで5万円)を同社が代行する。
以降、遊技機の入出庫はすべてハンディーターミナルでQRコードを読み取り、それをサーバーに転送して在庫管理をリアルタイムで行う。
「これまで店舗でQRを読み取ることはなかったのですが、今はQRで読み取っているので、店舗に設置している遊技台とデータ上の台番号が直接リンクするようになりました。それによって撤去するまで発見できなかった間違いもすぐに分かります。入れ替え予定日が過ぎていても設置している機械はエラー表示してくれるのでミスもなくなりました」(棚井さん)
念願だった書類作成の簡素化はこうなった。
新台入れ替え機種と撤去機種の入力が完了したところで、各種書類発行ボタンをクリックするだけ。変更承認申請書、撤去遊技機明細書、中古遊技機確認書などが自動作成される。

一つのソフトですべてが行えるメリットである。
倉庫の在庫管理は本社で一元管理していたが、各店舗から中古機の問い合わせがあるたびに倉庫の在庫リストをメールで送っていた。今は各店舗とも在庫管理システムがネットワークで結ばれているので、倉庫の在庫確認も各店舗から直接見られるようになった。
本社は問い合わせに忙殺されることもなく、チェーン店移動もスムーズになった。
「Pas-comV2」は電子取引にも連動しているので、自社サイトを立ち上げれば旬の台を手数料を取られることなく高く売却できる。これだけの機能が付いて月々のシステム使用料は1店舗当たり1万4000円だ。
1つの入力作業で正確な在庫管理ができて、なによりも面倒な書類作成作業から開放されるのは現場にとってありがたい。

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ウチはハンディ端末でQRを読み込ませたデータを、サーバで管理しランタイムで操作する設備を3年前に導入しました。
ただ、QRの中に認定月のデータが入ってないんですよねぇ・・
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