その日、ホール内に突然異臭が立ちこめた。最初は誰も気にしなかったが、次第に通路に異変が起こっていることに気づいたスタッフが駆けつけた。そして、そこには信じがたい光景が広がっていた。
ホールの通路のど真ん中に、明らかに異常なものが落ちている。そして、近くにいた客のざわつく視線の先には、一人の高齢女性がいた。その女性はどこか呆然としており、まるで自分が何をしたのかすら理解していないようだった。
スタッフが話を聞いたところ、このおばあちゃんは遊技中に大連チャンの最中だったことがわかった。打っていたのは人気のミドルスペック機で、出玉の波に乗っていた。
だが、その最中にお腹の異変が彼女を襲った。本来であれば、すぐにでもトイレに駆け込みたかったはず。しかし、遊技台はまさにクライマックス。連チャンが止まらないのだ。
「今、やめたらもったいない」
そう思ったのか、おばあちゃんはギリギリまで我慢を続けた。しかし、ついに限界が訪れる。ホールのトイレに向かおうと立ち上がったが、歩き出すやいなや力尽き、通路の真ん中で無念の脱糞をしてしまったのだった。
異臭がホール内に充満する中、おばあちゃんは何も言わずに店外へと消えた。ホールのスタッフは対応に追われたが、問題はそれだけでは終わらなかった。
しばらくして、おばあちゃんは戻ってきた。そりゃそうだ。大連チャンした出玉の精算がまだ終わっていないのだから。
しかし、おばあちゃんが戻るとほぼ同時に、一人の男性がホール内へ入ってきた。見るからに険しい表情のその男は、すぐにおばあちゃんを見つけ、まっすぐ近づいていった。
「ちょっと待ってもらえますか?」
そう声をかけたのは、近くの下着屋の店長だった。
どうやら、おばあちゃんは店外へ出た後、汚れてしまった下着の替えを買うために近くの下着屋に立ち寄ったようだった。しかし、彼女は支払いをせずに店を出てしまった。
店長は万引き犯としておばあちゃんを追ってきたのだった。店の方針では万引きはすぐに110番通報することになっており、その場で警察が呼ばれることになった。
間もなく警察官がホールに到着し、おばあちゃんに事情を聞いた。その結果、おばあちゃんは連行されることになった。そして、ホール側も証拠として監視カメラの映像を警察に提供することになった。
後日、警察の話では、おばあちゃんは認知症の疑いがあるとのことだった。高齢者の万引きは認知症によるものも少なくなく、今回の件もその可能性があった。
ホールにはさまざまな客が訪れる。中には、このように想像を超える出来事も起こる。ホールのスタッフにとってはまさに「珍事件」であり、改めて高齢者の対応について考えさせられる出来事であった。

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