「ぶつかった」と書いたがスタッフはぶつかった感覚はなかった。少し体が触れた感じだった。
「謝れ」
「申し訳ありません」とスタッフはすぐに謝った。
客は「思いっ切りぶつかってきた」と主張を譲らず、挙句の果ては「110番するぞ」とヒートアップしてきた。
監視カメラで確認すると客が主張する「思いっ切りぶつかった」という痕跡はなかった。スタッフが言うように軽く触れた程度であることが確認できた。
客は金品を要求するわけではない。その方が分かりやすいが、誠意を要求される方が対応は難しい。
ただ、結構負けていることは店側も把握していた。
怒りの根源は負けたことで、ちょっと体が触れたことを「思いっ切りぶつかった」と難癖を付けて怒りをぶつけているように思われた。
店長が対応に出たが事を収めることができず、客は「明日の昼にまた来る」と言い残して店を出て行った。
店長からの報告を受け、対応することになったのがエリア長だった。しかし、こういうトラブル処理の経験はなかった。
クレーム処理の鉄則はこうだ。
①心情理解とお詫び
客側の言い分を全部聞くこと。その間、反論は行わない。お怪我はなかったですか? 申し訳ありません
②原因・事実確認
うちの従業員が急いでいました。今も痛みますか?
③解決策の提示
一緒に病院へ行きましょう。
④再度のお詫びと感謝
心情理解のステップを簡略的に済ませると怒りは収まらない。
今回のケースでは負けた怒りは一晩寝れば忘れてしまうもので、翌日の昼にお客が店を訪れることはなかった。
そりゃそうだろう。怒りの原因は負けたことで、ちょっと体が触れたことに難癖を付けてきただけなんだから。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。