何度か取材したことがある九州のホール関係者から「あの青年と連絡が取りたいと」と電話が入った。オーナーが「わが社に是非とも欲しい人材」と望んでいるようだ。
投資会社で勤務する青年(27)が将来的にギャンブル志向のユーザーがいなくなった時に、1日1000円で楽しめる小型店舗を経営したい、という内容。パチンコで稼ぎたい層はターゲットとせず、売り上げは店内に併設するそれ以外のものでおカネを落としてもらう、というアイデアだ。
このエントリーに対して日報コメンテーター陣は、いつも通りの否定的意見が炸裂する。
「ギャンブル志向以外の客なんてパチンコしますか? パチンコからギャンブルを抜いたら何が残りますか? そのパチンコは面白いですか? パチンコ以外でお金を落として貰い儲けるならパチンコは要らないです」
「ホールが激減して、1500店まで減った場合は、商売として旨味がなくなった状態です。そこにノウハウと資金のない若造がノコノコやってきも逆転の目はありません。万が一、その1日千円プランが大当たりしても、大手に真似されて客を取られて、他店もまねして、業界全体の売上が下がるだけです。憎らしい1円パチンコのように。大手の資金力の怖さをもっと学びなさい。 大体、バイトで雑用をやっていた駆け出しの小僧が何かを分かった気でいるのが滑稽だ。年長者に教えを乞う姿勢が足りない」
こういう否定的意見に対して、擁護論もある。
「ノウハウがあると偉そうに言う連中がやり続けて、いまのような惨状になったんだから、なにも知らない小僧がやったほうが可能性があるかも?」
で、話を戻すと、オーナーが興味を持ったのは、コツコツと貯金をする一方で、貯めた400万円を全額投資に回す大胆さ。投資会社も一目置く天性の嗅覚=投資勘。投資で儲けた1500万円で外車を買う破天荒さ。
そういう型破りの人間性は社内にはいない人材で、さらに将来を見据えた全く新しい発想のホール経営アイデアに共鳴した。青年が持っているアイデア次第では、実験店舗を任せてもいいぐらいの気持ちを持っている。
ギャンブル志向の客を育てて業界は成長したが、その反動が長らく続いている。ユーザーのカネが続かない営業を未だに続けているから業界は縮小する。
ただ、青年が考えているアイデアはギャンブル志向の客層がいなくなった後を想定している。現状でやってもちょいパチのような存在で終わってしまうので、オファーは受けないだろう。

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