先日の消費税10%時代の日報記事の中で、あるホールオーナーが業界復活のためのコメントとして、短時間勝負のできる機械を挙げていた。その声に答える形で一発機系大量出玉タイプは複数のメーカーからリリースされているが、こう続けた。
「ハネモノで1000円入れて、30分で5000円ぐらい出る機械が欲しい。役モノでもチェーリップ台は夢がないのでダメ」
↑この意見を読んで、なんかちょっとズレてるように感じたので提言を一つ。
昨年、遊技機性能に規制が入ったのは短時間で多くの玉を出ないということを基本に改正された。
もう一点として、まったく出なさ過ぎて遊技客の消費金額が膨大になるようなことを防ぐべく最低出玉率にも制限を設けた。
要するに差玉の小さい甘い性能になっているということだ。
だから、メーカーは台を売るためいろいろいいことは言うが、一発逆転なんてのは旧基準機と比較すると格段に落ちる性能であることが明確だ。
その上で今後ホールが取り組まなければならないことを具申する。
新装開店や祝祭日を除き、ホールの沸く時間帯はサラリーマン(勤労者)が仕事を終えた19時~21時のゴールデンタイム(GT)である。
日中は高齢者、パチプロ、セミプロ、学生、無職、フリーター、自営業、休みの職人さん、主婦、水商売のオネーさんらが打っている訳だが、稼働の悪い店であってもこのGTばかりは稼働が上がり、そして1日の営業を終えるというのが従来からのパチンコ営業のスタンダードだった。
しかし、恐ろしいことに都心にある一部の強いホールを除いて、稼働が上がらない。いや、全く上がってない店が多くなっている。
よく観察すると肝心要のサラリーマン層がすっかりいなくなってしまっている。
言葉は悪いが夜の時間帯も日中の“養分”しかいないのだ。
そして、夜の稼働が上がらない店が一店、また一店と閉店している。
パチンコとは勝った、負けたということになるが、例えばサラリーマンの小遣いとして月に使えるおカネが4万円だとしよう。その内2万円をパチンコの負けとして年24万円は店に落として頂けるということになる。
日遊協等で公表している数値は実際のところ怪しいものだが、その数値をもってして年間参加人口1,000万人、ホール件数10,000店舗とすると、1軒当たり約1,000人がパチンコに参加していることになる。
仮に、地域内に月2万円パチンコに消費して頂けるサラリーマン層が1,000人いれば年間2億4千万円だ。
ホールにとって、これが有ると無いでは全く経営的に違うのである。
このいなくなったサラリーマン層が来て頂けるような施策をし実現すれば、今いるヘビーユーザーに加え参加人口2,000万人にすることができるのだ。
大衆娯楽の中核をなすこれらサラリーマン層をなぜ疎かにしていたかは不明だが、この層にこそGT時に来店して打ってもらわないと事業として立ち行かなくなるも当然である。
そこで真剣に取り組んで頂きたいことは以下の通り。
1 短時間ちょこっと勝負できるスペックの遊技台の選定
2 遊技機である以上、玉を“出して遊んで頂ける”それを実現するための交換率(割数)の確定
3 子供さんや奥様が喜ぶような賞品の品揃え
4 夕方からでもチャンスがある終了台、開放台の設置(日中よく出た台を終了台にして、夜にその台を開放する)
※のめり込み防止にもつながる。
稼働が上がるということは“割”が打てる。
思いつくことを羅列しただけだが、まだまだ本気で営業改革することがたくさんある。
遊技機の出玉規制によりバカ出玉、バカ消費額というのは薄れてしまったが、台の差玉が小さくなったといことは、いわゆる甘い台になったのであって、これまでのヘビーユーザーに加え、高齢者はもちろん一番重要で中核となるサラリーマン層が打ちやすい環境になったということ。
この規制は好機と捉え、これまでのようなメーカーから与えられるだけの機械任せでなく、ホール自身が営業改革という実際の“行動”に移すことだ。
行動なしに稼働の回復なんて夢のまた夢である。
“行動”ご期待申し上げます。

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