パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

店内に超小型ドローンが飛ぶ時代

2024年10月の最低賃金の全国平均が1055円なのだが、石破首相は岸田政権時代に2030年代半ばまでに最低賃金1500円としていた政策を2020年代と前倒しした。今回の衆院選では野党も一様に1500円を選挙公約に掲げていた。

後5年で1500円を実現しようと思えば、毎年平均90円、7%超の上乗せが必要だ。元財務官僚の高橋洋一氏は「過去平均が2%台。7.4%は今まで上げたことないような数字を5年連続でしないといけなくなる。すぐウソって分かるんだけど、はっきり言って、国民がナメられている」と現実性がないことを指摘している。

ま、慢性的人手不足だったパチンコ業界は、高額時給で募集していたので、1500円といってもそれほど驚かないかも知れないが、全国平均で1500円ということは、その頃には、パチンコ求人は2000円以上になっていることを意味する。

少子化でますますホールの求人は窮地に立たされることが予想されるわけだが、人手不足解消の決定打となり得るのがロボットの活用だ。パチンコ業界でも一部のホールではロボットの導入が進んでいる。

では、実際にどんなロボットかと言えば掃除ロボットだ。

2019年2月に新規オープンした「ZENT豊橋藤沢店」は、1000台クラスの大型店を4人でオペレーションする実験店でもあった。その一環で掃除ロボットも導入され、夜間、店内の床掃除を担当していた。

掃除ロボットはスーパーやドラッグストアー、介護現場などでの導入が進んでいるが、ホールでの最大の弱点は遊技椅子周りがロボットではできないこと。どうしても通路までしか対応できない。

ゴミやほこりは中央から端に移動するので、椅子周りは人手に頼らないといけないとなると、何のためのロボット化かということになる。

省力化、無人化が進む中でホールの一番の不安材料はゴト対策だ。

スマート機化が100%完遂した時には、不正に対して遊技機の方で分かる仕様になっているので、その心配も軽減される。特にスロットコーナーであれば、他店コインの持ち込みもなくなるので、ゴトの心配も軽減される。

さらに万全な体制を敷くために開発が進んでいるのが超小型ドローンだ。あらかじめゴト師と登録された要注意人物が入店するとドローンが近づきロックオン。監視体制を開始する。無人化で手薄になっても、見張られているという抑止力が働き、そのような店にはこなくなる、ということだ。

掃除ロボットが現在進行形なら、ドローンは近未来のセキュリティーロボットとも言える。無人化時代にはそんな光景が当たり前になっているのかも知れない。



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もしもテレビ局がホール経営を始めたら?

ある日、テレビの製作会社で「もしもテレビ局が〇〇を経営したら」というテーマが持ち上がった。何ともお茶目なアイデアだが、スタッフたちは本気で35業種にも及ぶアイデアを出し合った。ラーメン屋、コンビニ、タクシー会社、フードデリバリー、スーパーマーケットなど、ありとあらゆる業種がリストアップされた。どれもこれも「まあ、ありがちな企画」と言えばそれまでだが、唯一「これは面白い!」とスタッフ全員が興奮したのがホール経営だった。

まず、ラーメン屋。確かに日本中の誰もが好きなラーメンだが、売り上げがたかが知れているということもあり、テレビ向きのインパクトには欠ける。また、フードデリバリーに関しては、当たりの配達員としてタレントがやってくるという一見面白そうなアイデアが上がったものの、これも所詮は一時の話題で終わりそうだ。そういった中、ホール経営の話題が飛び出すと、そのスケールの大きさに一同は納得し、興奮を隠しきれなかったのである。

「ホール経営なら、単なる企画を超えて、実際に再生可能なビジネスになるかもしれない!」

番組の方向性はすぐに決まった。潰れかけたホールをタレントたちが力を合わせて再生させるという壮大な計画だ。例えば、500台のホールがあるとすれば、100台ごとに5人のタレントがチームを組み、そのコースを運営する。これは単なるホール再生だけでなく、タレントの運営センスが試される、まさに「リアリティ番組」の醍醐味を味わえる企画である。

そして、店長候補として名前が挙がったのが、あの橋下徹氏である。これには視聴者も驚きを隠せないだろう。彼はパチンコとは無縁のイメージが強いが、その強烈なキャラクターと、ギャンブルに対するアンチテーゼとしての役割を期待されている。彼の手腕で、パチンコがどのように変貌するのか、その成り行きには興味が尽きない。

さらに、ギャンブルイメージを払しょくするために、ホールの全台を甘デジに設置し、交換率はなんと50玉交換とする。

「ギャンブルじゃなくて遊技を楽しんでもらいたい」というコンセプトに徹底してこだわることで、新しい客層を呼び込むのが狙いである。売り上げや粗利はすべてガラス張りにして公表するという大胆な方針も、視聴者の信頼を得るための一手だ。

ホールスタッフにはタレントのタマゴを起用し、エンタメ要素をふんだんに盛り込む。彼らの成長や奮闘が番組をさらに盛り上げるだろう。この企画の目標は、ギャンブルではない「新しいパチンコ」を追及することである。実際に番組として放送しながら、同時にホール経営も行うという、かつてないチャレンジだ。

話題性は十分すぎるほどだろう。パチンコをギャンブルではなく遊技として楽しむ本来の客層が再びホールに足を運ぶきっかけとなり、パチンコのイメージを一新する可能性すら秘めている。閉店予備軍のホールが多く存在する今、こうした番組が現実になる日が来るのかもしれない。いや、もしかしたら、その日はもうすぐそこまで迫っているのかもしれないのだ。


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猿真似をしないポリシーのホールが猿真似をする意味

地方のホールがいきなり都心へ出店したことは、“喧嘩の技術”を磨くためで、レベルの高い相手と戦うことが目的だった。駅前に大型店を出店した時は、パチンコ業界のヨドバシカメラになることで、郊外型のヤマダ電機になることではなかった。

業界で注目されるホール企業だが、社長が業界誌のインタビューに登場したことは一度もない。「出たがり社長の会社は潰れる」というポリシーがあるからだ。

このホール企業のOBによると、同業他社の猿真似が何よりも嫌いで、業界セミナーの参加も禁じているほど。考え方が同質化するからだ。月2回の会議はコンパと呼ばれ、酒を飲みながら行われた。

日頃から常に自ら考えることが癖づけられており、同業他社が誰もやっていない企画は、少々コストがかかっても比較的簡単に稟議が下りる。

ほんの一例だが、店内ルールの禁止事項を放送する場合、本物の声優を使い、遊技台のキャラ風に注意する。

ホールのマスコットキャラクターと言えば、一般的にはカワイイ系になりがちだが、同社では敢えて悪をウリにしたキャラクターで打って出た。コンセプトは「店を滅茶苦茶にするイタズラ者」。この方が顧客も感情移入しやすい。この戦略はズバリ当たり、他法人がこれを真似て不良風のキャラクターに変更したほどだ。

他社なら絶対稟議が下りないようなことも、「面白い!」と社員の遊び心を優先する。

だから販促力=伝え方が上手い、となる。

これを取材したのはもう8年前のことだった。

師走のアメ横は大勢の買い物客でごった返していた。


上野にホールが林立していた時代は、ホールも賑わったものだが、今はその面影もない。

中でもひと際寂しかったのが前出のホールだった。業界人が試しに打ってみたが「回らない」。

手にしたチラシのチェーン店の来店・取材イベントスケジュールを見ていた30代の客2人が「名のある芸能人ならまだしも。行って見たくなるライターは一人もいないな。この人選ではよっぽどカネがないんだろうな」と話しているのが聞こえてきた。

業界人は身分を明かして声を掛けた。

彼らは専業だった。

「都内のイベントをメインに回っているけど、今は出ないね。昔は月に65万円ほど稼げたけど、最近は稼げない。今は大きなイベントの時に行くぐらいで、水商売で働いている」と現状を語ってくれた。

話しをこのホールに戻すと、どこのホールでもやっているような来店イベントをやっていることに現状の稼働が現れているのではないだろうか。

他ホールの猿真似が嫌いなポリシーは何処へ。



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年末営業での予期せぬドラマ:ホールの正直者たち

師走、農村地帯で営業するあるホールでは、例年にない好調な営業を迎えていた。そのホールは、コメ農家を主な顧客層としている。ことしのコメの相対取引価格が9月時点で60kgあたり2万2700円と、前年の1万5314円から大幅に上昇したことが、この業績を押し上げる一因ともなっていた。

店長も好調ぶりを実感しており、「正月営業でもそんなに割を落とさなくても済むので、お客さんにも喜んでもらえる営業ができる」と自信を見せていた。

そんな年末の忙しい日々の中、このホールで忘れられない出来事が起きた。

ある日の営業中、カウンターに分厚い財布が届けられた。その厚みから中身がただならぬ金額であることを予感させた。店長が立ち会いのもと中を確認すると、現金がなんと70万円も入っていた。さらに、財布には落とし主の名前が記されたカードなども入っており、高額な現金が誰のものなのかは分かった。

財布を交番に届けようかと話し合っていると、血相を変えた男性がカウンターに駆け寄ってきた。

「財布を落としたようなんだけど、届いていないか」

その男性は常連客だった。本人確認を行った結果、財布の所有者であることが間違いないと判明し、無事に持ち主の元へと戻った。

70万円もの現金を持ち歩いていた理由を尋ねると、あるものを購入するために銀行から引き出したばかりだったという。

さらに彼は、「一体誰が拾ってくれたんだ?」と尋ねた。

店長は、まだ店内で遊技を続けている拾得者を探しに行った。そして、ホールの一角でパチンコを楽しんでいる男性を見つけ、「落とし主が見つかりましたよ」とカウンターへ案内した。

落とし主と拾得者が対面すると、落とし主は「ああ、あんただったか」と言い、互いに顔見知りであることが分かった。しかし名前までは知らない。それがパチンコの常連客同士の関係性だ。

拾得物の謝礼として、通常は1割から2割が相場だとされる。今回は顔見知りの常連客同士ということもあり、落とし主は2割の14万円を謝礼として渡した。

拾得者は「これが屋外だったら出来心でネコババしていたかもしれないけど、ホールの中なのでそれはできなかった」と語った。

確かに、ホームグラウンドでの持ち逃げは考えにくい。さらに、店内には監視カメラが設置されており、もし不正を働けばすぐに判明する状況だった。

この出来事を見届けた店長は、以前ネットで話題になっていた事件を思い出した。それは200万円を拾った女性がネコババしたケースだ。財布には落とし主の名前や住所が分かるものが入っていたにもかかわらず、女性は届け出なかった。その後、落とし主が会社の運転資金を失ったことで自殺したことを知り、女性は大きな罪悪感に苛まれることになったという話だ。

拾得物を正直に届ける。それが原理原則であり、今回のホールでの出来事はその重要性を改めて浮き彫りにした。

この年末の出来事はホールが単なる遊技場ではなく、人々の信頼や誠実さが交錯する場所であることを示している。拾得者の正直な行動が落とし主の人生を救い、さらにはホール全体の安心感を高める結果となった。

正直さが生む信頼関係。ホールはそのような価値観が広がる場でもある。今回の出来事をきっかけに、ホールの店長や常連客たちは、人と人とのつながりの大切さを改めて実感することとなった。


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異変が起こった忘年会シーズンとホール

ことしの忘年会シーズンには異変が起きている。コロナ禍では中断を余儀なくされていたが、昨年あたりから再開され、飲食店は忘年会シーズンに大いなる期待を寄せていた。ところがいざ蓋を開けてみると予約は揮わず、大規模な宴会は影を潜め、少人数による気の合う仲間内の飲み会にシフトしている。

今や会社の忘年会は「企画するだけでパワハラになる」、「大人数の忘年会は上司にも部下に気を使わなければいけない」などという傾向が進んでいる。

これによって店側も忘年会シーズンでの売り上げも減少している。飲食店の売り上げは酒がジャンジャン出ることが大きかった。従来は食事60%、酒40%の売上比率だったものが、最近は食事70%、酒30%に。売り上げが3割も下がった居酒屋もある。

コロナ禍を経て忘年会のスタイルと意識が変化している。

これはあるホールのクリスマス会でも同様の傾向が見られた。

このホールでは24日のイブは遅番を対象に、25日の当日は早番を対象にクリスマス会を開催していた。

店長、主任、副主任などの役職者は出席は必須で、一般社員やアルバイトは自由参加という形態をとっていた。コロナ禍では中断していたが、4年ぶりのクリスマス会となった。

クリスマス会の時間も残業手当は出していたのだが、24日の参加希望者は2名、25日は7名だった。以前の参加率よりもかなり少なくなっていた。

それなりに参加者減少原因も考えられた。

例年はビンゴ大会で10万円の予算が会社から出たが、今回はビンゴ大会そのものがなくなった。加えて飲み物はノンアルコールに切り替えた。

酒好きな人からすれば、ノンアルコールではつまらない。酒を飲まない人からすればビンゴ大会がなければ楽しさも半減する。

会社としては親睦目的もあるが、参加者が少ないと開催する意義もなくなってくる。

このクリスマス会から伝わってくるのは、従業員に帰属意識もないということだ。

深夜1時から社員・アルバイトら総勢400名以上が参加する社員の決起大会を取材したことがある。

閉店後となると深夜1時からになる。会場はシティーホテルの宴会場。早番も遅番も一堂に会するのだが、特に女性スタッフは着飾って生き生きとした表情で参加しているのが印象的だった。

このホール企業は業界の非常識の挑戦の連続だった。深夜1時の決起大会も一般常識では考えられない。

社員、店舗表彰では会場内が一体感に包まれていた。

価値で勝たなければ勝ち組にはなれない。価値とは個人ブランドで、この向上こそが勝ち組への道である。止まることなく、前進しなければならない。

このパワーが躍進の源だった…。


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