パチンコ日報

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セカンドエフォート⑥粗利構造1

前回は適正台数についてのお話が延々と続きましたが、要点として上げますと差別化のための選択は降順のような単純な物では無く、ピンポイントで実績のある選択肢が有りますので、データをしっかりと分析してみて下さいと言う内容でした。

今回は粗利構造について触れたいと思います。

現在と過去を比べて以前の様な形にしないと、特にパチンコはお客様が戻ってこない或いは新規顧客の獲得が出来ないような今のギャンブルでは、未来(どころか既にヤバい)が無いという声は随分前から各所で聞かれることですね。

原点回帰という言葉も聞かれますが、過去にヒットした機械を今の時代に持ってきてもパチンコではヒットするのが難しいと思っています。

規則や規制は勿論ですが、40個交換が長らく続いた時代には、出玉率の設計値が高い機械が多かった事とそれを出し入れする出玉率のコントロールに「釘」が前提で運用されていた機械とは大きく異なる要因が多いからです。

綺麗事を言っても仕方ないので、敢えて言及すると数十年前はメーカーや販社が納品時に開店用に整備するのは当たり前に見られた光景で、事実上ある程度許容されてきた時代が有りました。

釘師サブやんやテレビのドキュメンタリー・Vシネマ、書籍にもその存在は数多く認められ、実際にメーカーの刻印の入った道具も複数有ったのです。

これらは40玉交換(高出玉率)向けのスペックや時間短縮営業(より高出玉率)もですが、元ゲージではゲーム性が生かされない一発台をはじめ営業仕様にかなりの本数を調整しないと運用出来ないのが大前提でした。

またデータ集積のホールコンがホールごとに格差が有った事や運用ノウハウが無い等、販売側からの購入後フォロー的な商習慣は必要でした。

それらの時代を経て、ホールやお客様の求める高い射幸性の高い機械や交換率に曲折有りながら進んで今に至ります。

原点回帰という言葉に触れましたが、そのコンセプトは良くても何らかの手を入れずに要はカスタマイズされず(やり過ぎも駄目だが)成果が上がらないケースは、業界以外でも数多く見られます。

つまり当時流行った物(物だけでなく手法や思考や人も)をそのまま今持ってきても当たらないのです。

現在価値や時世に併せて、適正な進化や対応が成された形にしないと通用しないと云う事なのです。

更に言うと今のパチンコ台のスペックは中々凄い物が増えてきていますし、ちゃんと進化はしていると見ています。

私見になりますがこれらを踏まえて、機械スペックや交換率を昔に戻せという事について、難しいのでは?と思っています。

交換率について補足すると、既にここまでに多くのチャレンジが有ったが成果に乏しく、4円ではなく低貸営業に低交換率営業は比較して相性がまだ良いが、競争激化によって、より低価営業に向かってしまう事や、差別化で結局は高交換率に流れてしまう事が数年来の現状です。

35個や40個営業で業況回復を狙うなら、それに見合った機械は勿論ですが、最低限それなりの建付けが有り、その追い風に乗ったうえで更に足並みが揃うこと等様々な条件が必要となります。

現状の自社や自店舗最適化が優先する中(経済活動ですからこれも当然でしょう)では、業界全体最適化には、目標とする成果が異なる=握り合える領域が少ないため多くの課題をクリアする事は難しいと考えるのです。

また同じ業界と言っても売手・買手で利益相反する場面や同じ領域に属していても中々まとまらなかった歴史が有りました。

そのような観点から、過去の遺産や既成概念に囚われないこれからの世代の方の現状進化したコラボが生き残りの種になると以前の寄稿で触れたのです。

物事をこじらせた或いは原因を作った者達には到底出来ないであろう進化したコラボが数多く出てきています。

それだけ権限を与えられ任された方たちが増えた事でも有る訳ですから、個人的にも期待して見させていただいています。
さて少し視点を変えたお話を進めるために、以下の図を見ていただきましょう。


こちらは多くの皆様が見慣れているBSとPLの簡略図となります。

蛇足ですがBSだけで。これは質的には優良企業だという事が分かると思います。

そして次の図は粗利にフォーカスするため、等価交換と過去主流だった40玉交換の粗利について同じ金額をお客様から頂いた簡略図となります。(論点を明確にするために一般景品や誤差玉・再プレイ等の要素は省きます)


多くの皆様が頭の中で理解している事ですが、昔と今では粗利構造的な面で云うと手数料ビジネスから、お客様の負け額(吸い込み額)に大きく傾いたハイリスクハイリターンへとビジネスモデルの転換が起こったと云う事は明白です。

このような観点から、等価ではなく適正な30個や35個交換が良いというのは自然な考えであると思います。

それでも前段で昔の機械や交換率は今の時代に難しいと記しました。

私はまったく諦めてはいませんので次回に。

つづく

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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 小説チックなほうに興味を惹かれてましたが今回は無いんですね。
    残念です。
    通りすがり  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 通りすがり

  3. コメントしたいと思いつつも時間が経ってしまいましたすみません
    私がとりとめなく言い続けてきたことのとりまとめと言語化のような感覚がする記事で嬉しい思いでした

    交換差益のなくなった粗利構造では玉を出すことができないということが誰の目から見ても判りやすいものになっているかと思います
    その粗利構造が変化していったのはうろ覚えですが2000年頃でしょうか
    5年後の2005年頃(4号機末期)にはほぼ等価交換になっていっていたと記憶しています
    曰く「どうせシメられるなら等価の方がいい」「ボーダーの高い台はアケ幅が小さいから勝ちづらい」こういったユーザーの声に応えての変化だったのでしょう
    発売される機械も等価仕様が多くなり結果低交換ホールは淘汰されていきました

    私はいつもパチンコを遊べるようにしてほしいと言っています
    以前にも書きましたがこの「パチンコで遊べる」という定義にはふたつに大別でき
    ひとつは「1、勝ったり負けたりを繰り返して(金額の多寡は無視して)結果的に遊べた」というものと「2、時間消費の遊びとして遊べた」というものです
    1はギャンブル型の遊び方で2はゲーム型の遊び方です
    業界の向かってきた方向が2から1へ変化したということです
    (両極端な書き方をしましたが所謂「よかった時代」は1と2がうまく融合していた3だと思います)

    実際にパチンコのボーダーラインの数字は小さくなっていっています
    等価分岐16回転/分というような設計が増えています
    これは「釘はシメずにボーダー近くで遊ばせろ、その分単価を上げるから」というメーカー側からのメッセージで1の遊び方を推し進めてきたものです
    ホールは取りづらくなるので「もっとボーダーを高くしてシメ幅を作ってほしい」という声が出るわけです

    1のギャブルとしての遊び方は進化を続けていて客にとっては「遊びやすく」なっているはずなんです
    (釘のアケシメは別として)高単価で荒波でめちゃくちゃ負けるけどめちゃくちゃ勝てる台、だけど長い目でトータルすれば遊べている(ホールは取れていない)そういう設計です
    ラッキートリガー機の性能を見れば一目瞭然ですね

    でも私が望んでいる遊べるパチンコは2なんです(3です)
    それではやれない生き残れないというのは理解できます
    スマート機や各台計数機がこれだけ普及している中で1回交換やラッキーナンバー制に戻すことなどできない
    貯玉再プレイの問題やシマに配置しないといけない人員の人件費、高騰していく経費に足りない売上その他もろもろ
    1から2への変化は相当に難しいものだと思います

    だからと言って突き進んでいいものかと、悪くなる未来が見えているのにブレーキはかからないのかなと思うんです
    どこからか聞こえてきていた「玉粗3銭甘くして機械代の1/3を抑えましょうね」の提案は果たして響いているんでしょうか
    過去をみても足並み揃えて全体を良くしていこうという自発的な動きは皆無と言っていい業界です(悪し様な言い方ですが当たり前のことです)
    強制力を持った法律でしか足並みは揃いませんし規則改正は遠くない未来には必ずやってきます

    どういう方向に進みどういう結果になるのかはわかりませんしどうなっても構いません
    楽しみに付き合っていきたいと思っています

    >過去の遺産や既成概念に囚われないこれからの世代の方の現状進化したコラボが生き残りの種になると以前の寄稿で触れたのです。
    >物事をこじらせた或いは原因を作った者達には到底出来ないであろう進化したコラボが数多く出てきています。

    なんですかこれワクワクするじゃないですか
    でもこじらせている私にはぜんぜん見当もつきません
    もうちょっと具体的に聞きたいです
    しょうゆ  »このコメントに返信
  4. ピンバック: しょうゆ

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