
ホームに立っていたサラリーマンの会話がこんな具合だった。
「あれ、どういう意味だ?」
「俺、あの歯医者さんへ行ってんだけどさ、何度覚えようとしても覚えられないんだ。紹介しようにも名前が出ないよな」
商品名、店名、社名、病院名はなるべく誰からも覚えてもらいやすいものを考えるもので、このように覚えにくい病院名を付けるものではない。
で、ググって分かったのがこれ。
アスクレピオスの杖とは、ギリシア神話に登場する名医アスクレピオスの持っていた蛇の巻きついた杖。 医療・医術の象徴として世界的に広く用いられているシンボルマークである。
意味があることは分かったが、これは日本では使うべきではないことが分かる。
マーケティングにおいて、名前の認知というのは非常に重要だ。商品開発では、ネーミングにかなりの時間をかけるとも言われている。製品自体がどれだけよいものでも、名前がしっくりこないとヒットにつながらないことも多々あるからだ。
分かりやすいネーミングと言えば小林製薬の独断場だ。「熱さまシート」に「のどぬ~る」「ガスピタン」「ナイシトール」「シミトリ~ナ」と商品名と効能や使い方が見事にマッチしている。
商品のネーミングはきわめて重要だが、目立てばよいというわけではない。商品の本質をいかに的確に示せるかどうかが鍵になる。
で、ここからが本題だ。
ある企業が商品開発を進める過程で、ネーミングを「バチンコ」にしようとしているらしい。
パチンコではなく、バチンコで何とも紛らわしい。で、バチンコがすでに使われているかをネット検索したがそれらしきものは出てこなかった。
どんな商品なのかはもちろん企業秘密なので、何かは分からない。で、この商品のターゲットとなる年代層の調査ではパチンコの認識率は100%で、しかもパチンコを打ったことのある人は92.4%が経験者だった。
商品のターゲット層ではない20代ではパチンコの認識率は67%であるのに対して、経験者はわずか6%だった。
ということは50代以上シニア向け商品であることは推察できる。パチンコと混同しそうなバチンコであるが、それは商品化され、市場に出てきた時のお楽しみである。

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