パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

あるホール企業から学んだこと

山田塾の創業は今から十九年前に遡ります。その間数多くの企業さんとのお付き合いがありました。その中で十七年もお付き合いをいただいている企業さんがあります。今回はその企業さんの取り組みについて少し書いてみたいと思います。

13店舗運営の中堅クラスのこの会社。業績は直近で9期連続増収増益を果たしています。業界を取り巻く環境が悪い中、何故右肩上がりの業績を収めることができるのでしょうか。

以下、オーナーの言葉です。

「やり方は星の数ほどある。そのやり方に私は口出しをあまりしない。どの業者さんから何を買うか。それは営業部長に任せてある。ただ、その行為行動が会社の理念から外れていないか。行動指針から外れていないか。この二つには口出しをします」

読んだだけではなんだ、そんなことみんな言っているじゃないか。綺麗事だろ、という感想をお持ちの方、いらっっしゃると思います。

先ほども書きましたが私はこの会社と十七年のお付き合いをさせてもらっています。つまり十七年間こちらの社長を見てきたわけです。『言うは易し、行うは難し』綺麗事は誰でもいくらでも言えますがそれを実行する事はとても困難です。社長は毎週土曜日に各店舗に出向きお客さん一人一人に直接ボックスのティッシュを配ります。これを十七年以上続けられています。

「社長この取り組みは何のためにするのでしょうか」

ある日、私は聞いてみました。

「お客さんは私にとって身近にある。そして社員は兄弟同然のもの。その人たちに会うことが私にとってとても嬉しいことだからです」

シンプルな答えでした。

時間をかけて定型化した行動は、やがて社内に定着しました。やり方ではなくあり方が社員さんの心に定着しているということです。

私は釘の研修を通して彼らの心のあり方を垣間見ることができます。ある日「店長のパチンコ商売における思想は何か」と質問してみたところ、「僕の釘でこの店にきてよかったと思ってもらうことです」。

誰も笑うものはいません。何故ならこの店長が担当するお店はダイコクのS I S調査で絶えず同一県の稼動3位以内に入っているからです。

釘をさわる、さわらない。新台を入れる、入れない。スタートをまわす、まわさない。

それはやり方です。やり方は星の数ほどあります。そしてそれらはお金で買うこともできます。しかし商売の根本にあるべき顧客に対するあり方(姿勢)はお金で買うことができません。私は健全なあり方を全員で意識しながら実行するにはとても時間がかかるということをこの会社から学ばせていただきました。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
記事一覧

コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 今日の内容は、パチンコ日報で悪い意味で有名な暴パチンコ屋スタッフに耳の穴をかっぽじって聞かせてやりたいですね。
    自ら選んで購入しておいて機械が悪いのは、全てメーカーのせい。
    社内では、身内と日々足の引っ張り合い。
    自分の周りには、自分のイエスマンで固めて気分を良くしている。

    世の中に人気店もあれば不人気店も存在するのは、こういうところで差が出るんでしょうね。

    分かりやすい内容でした。
    引っ張りダコ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 引っ張りダコ

    • 引っ張りダコさま
      一見綺麗事を並べたかのような記事を書くのに多少のためらいはありました。
      それでも自分の判断で良いと思った事は今後も書き続けようと思います。
      ご意見、ありがとうございました。
      山田塾  »このコメントに返信
    • ピンバック: 山田塾

  3. 本当に素晴らしいお話だと思います(*´ω`*)

    今から26年程前なのですが新婚当時の妻は車の免許を持っていなかったんですよ。
    直ぐに自動車教習所に通わせたのですが、チャイムが鳴り教習生が実技に向かう時&実技を終えて校舎に戻る際に目立つ蝶ネクタイをした(ワザトだと思います)経営者の方が「気を付けて行ってらっしゃい」「どうもお疲れ様でした」と一人一人に挨拶をされていたそうです。
    私も教習を終えた妻を迎えに何回か教習所に行った事が有るのですが「我々はサービス業に~」みたいな社訓みたいな物が貼り付けて有るのを目にして「自動車教習所と言うのはサービス業なんだ・・・」位の感想でしたね(^^;
    時代的に自動車教習所も少子化の影響を受ける事を見越して、経営者自ら旧態然とした状態から脱する為に手本となろうとしたのでしょうね(-_-)
    それから約19年現状後、息子に同教習所にて免許を取らせたのですが「蝶ネクタイした偉いお爺さんが出迎えてくれるんだよw」と言う話を聞き驚いたのを思い出しました。
    ちなみにその教習所の評判は最高で最寄りの教習所では無くわざわざ遠くから入校する方が多いみたいですね(^-^)

    記事の経営者の方も自らボックスティッシュをお客さんに配るとの事ですが、商売柄なかなか出来る事では無いと思いますね。
    この姿を見ていたらスタッフも奮い立たずには居られないと思いますね(*´ω`*)
    いい加減な事をしよう物なら渡したティッシュを目の前で投げ捨てられたりetc、多分とんでも無い事になるでしょう(^^;
    自分の信念とスタッフを信用しているからこそ出来るのでしょうねm(__)m

    本当に勉強になる素晴らしいお話でした(*´ω`*)
    もと役員  »このコメントに返信
  4. ピンバック: もと役員

  5. もと役員さま、おはようございます。
    蝶ネクタイのオーナーさん格好良いですね。
    その情景が浮かび思わず微笑んでしまいました。やはり人さまに接する姿勢が整っていらっしゃる方からは学ぶべきところが沢山ありますね。今日もコメントありがとうございました。
    山田塾  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 山田塾

コメントする

山田塾 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です