パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

300台クラスで日売り3000万円時代を思い出せ

業界回顧録となる。平成が始まったころの話である。

地方へ1号店を新規出店。パチンコは出店するだけ儲かる時代で、2年ほど経って2号店を出店した。その時の新聞広告が地元で話題をかっさらった。

その地方では折り込みチラシよりも、新聞紙面に広告を打つことが主流だった。地方紙の全3段を使い、赤文字で「出します」。片隅に店舗名と開店時間を小さく載せた。単純明快なコピーが地元ファンをざわつかせた。

当時は整理券もなければ、客を並ばせることもない。自動シャッターを開ける隙間から客が雪崩れ込み、けが人が出るような時代だった。

地域一番店になるのに時間はかからなかった。新参者の快進撃は、既存ホールからは妬み、恨み、やっかみの標的となる。

後日、新聞広告は組合で大問題になった。

組合からは中止を求められたが、ホールは応じなかった。

すると組合から警察OBの専務理事がホールを訪れた。

「パチンコは出すのが当たり前だからこの表現はおかしい。書かないで欲しい」と変な理論を振りかざしてきた。

「パチンコは出すのが当たり前だから出す。それの何が悪い」と応じなかった。

353台の店に月間で10万人が訪れ、日売りは3000万円に達した。実に台ウリ10万円だ。この時代は機種によっては台ウリ10万円もあったが、これが全台ともなると話は別。

では、どうやればこんな売り上げになるのか?

何と、このホールでは島ごとに6人の釘師、6人の店長を育成して、島ごとに売り上げを競わせた。その結果が台ウリ10万円だ。

「一番店を作るには頭、腕、何よりも心で勝つことを目指した。客が集まれば集まるほど出玉は出ているように見える。出ているように思わせるテクニックが大事。それには釘の技術と設定の妙が必要」(元社長)

大繁盛した。閉店後駐車場には翌日のために100人が並んでいた。

組合とは一線を引いたが、役所、警察、商工会とも密な関係を作り味方につけた。

社員には他所よりも1万円給料を多く出した。

特に給料日は店長、部長には税金のかからない別封筒(5~10万円)を手渡し「これは自分のために使いなさい」と人心を掌握した。

「接客では稼働は上がらないと言われたが、接客は釘調整でもあり出玉調整でもある。接客によって14割営業が14.5割営業に見える。閉めているのにお客さんは「出ている」という。お客さんが多いと出ているように見える。稼働のないところに客を付けるのが接客です」

頭と腕と心の理論の中で今のホールで失われているのが腕の部分ではないだろうか。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. >接客は釘調整でもあり出玉調整でもある。
    これには納得。
    でも現実は、渋釘は放置状態のまま、店員の挨拶やお辞儀などの「接客・おもてなし」を重視する店が多い。
    トクメイ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: トクメイ

  3. 要は今の店は接客レベルは
    最低限すら無いと言いたいんだな。
    あと。台売り10万って出玉交換があるからだろ。
    そこをハッキリさせろや。
    相変わらずいい加減な記事だな。
    無制限営業だったら精々3万に届くかどうかだろうに。
    この辺でも数字は見栄だけと言うのがわかる。
    アホくさ  »このコメントに返信
  4. ピンバック: アホくさ

  5. 儲けすぎて事業拡大しまくった弊害が今だろね。
    上げ止まって利益確保が厳しくなって射幸性に全振りしてぼったくるようになった結果、警察の目に余るようになり釘に対してきびしくなってしまった。
    さらにその結果、ホール企業の釘のスキルが下がってしまった。
    釘学校も摘発されたり無くなったり。
    まぁこれでも警察の違法釘への処罰は激甘だったんだけどな。
    それもこれも先を読めなかった業界の自業自得、自己責任てやつ。
    今は遊技機メーカーがこの業界の王様だからそのメーカーを食わせるためだけにホールとユーザーは存在している感じ。
    王様のメーカーもやりたい放題。
    こう俯瞰して考えてみると本当にもう上がり目は無いんだなって。
    因果応報という言葉が似合う業界ナンバーワンだと思う。
    通行中  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 通行中

  7. >頭と腕と心の理論の中で今のホールで失われているのが腕の部分ではないだろうか。

    いやぁどう考えたって3つ全部じゃないですか?w
    頭の良い順に斜陽業界に素早く見切りをつけられていなくなる
    この斜陽さでも転職ができない、期待できない層が必然的に残る
    そういう人らは気概もやる気も無いのでこれまた必然的に心無い経営になる
    役職の人間や経営層がコレだとその性質は下に伝播する
    そして当たり前のように腐っていく
    というか私利私欲に走った時点で腐敗は始まっていたんだがな
    腕は言わずもがな
    業界系のとある動画配信でも著名な方がホールの釘調整技術が著しく低下していると言ってましたわ
    何か一つでもあれば、とは思うけど現状マジすべて失われていると思われる

    残っているとするならば…、人道から外れた人を騙す能力や誤魔化しのような狡賢さくらいでは?
    そんなものいりませんけどね
    垂れパイ  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 垂れパイ

  9. 同時期に東京都福生市の「パレス」と言う300台の店「16割分岐」で主任をしていました。単独店、CR機も無い状態で年商40億。1発台が規制された後も「バレリーナ」が1回交換「権利2回目は手入れ」で台売14万でした。
    全体稼働が有れば13割代で十分出ている体感割が有りました。脱税、横領などありありで潤いました。
    猫オヤジ  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 猫オヤジ

  11. >脱税、横領などありありで潤いました。

    別にこのコメントに対して何か言うほど野暮ではないが、記事タイトルの「~時代を思い出せ」という思惑とは反対のことなのが面白い。
    これは、総合的に見て思い出しちゃいけない時代ってことで確定だな。

    しかし、やりたい放題の昔の愚行のせいで今の苦境があると考えるなら、今の業界人たちが少しかわいそうに見えてくる。
    昔の業界人は美味しい汁吸い付くしてバトンタッチしたようなもんだもんな。
    ババしか選択肢を用意しなかったとか鬼畜過ぎるだろ。
    くだらん  »このコメントに返信
  12. ピンバック: くだらん

  13. 今思うとさ。
    昔と比べて勝つまでの段階がどんどん遠くなってるよな。
    昔→デシタルが揃えば勝ち
    今→デシタルを揃えて有利状態に入れ
    →そこで当たりを引いて
    →その中で玉を獲得出来る振り分けを引いて
    →複数回当てなければ投入した玉の1/3すら出ない
    また、そこに至るまで30分と数秒で1万消えるクソ調整でイライラしている所に
    当たりもしないと認識されている長いハズレリーチを幾度となく見せられて
    いざ当たったらたった300〜400個
    それでいて有利部分でアッサリ駆け抜け。
    何が継続80%だか。
    当たる方の20%は普通に12〜3回も引けない癖に
    終わる方の20%はいとも簡単に引ける。
    思い込みだ、とほざくのが居るが
    実際に記録してそうなってんだから事実だよ。ボケ。
    アホくさ  »このコメントに返信
  14. ピンバック: アホくさ

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