同社の株を10数年間に亘って所有しているホールオーナーはこうため息を漏らす。
「数千万円単位で保有している。安心できる会社なので長期に亘って持っている。東洋ゴムの不正で1500億円の損失といわれているが、KYBは市場が6倍は大きいので、損害は9000億円とも1兆円とも言われているよ。倒産したら紙くずになる…」
「made in japan」は国際的にも最も信頼がおけるブランドにもなっていたはずなのに、日本の製造業の現場が揺らいでいる。
自動車業界では複数のメーカーが燃費データの不正改ざんが発覚、鉄鋼業界の雄である神戸製鋼は納入したアルミや銅製品の検査データが改ざんされていた。
製造業現場でのデータ不正が相次いで原因は、企業がコストを抑えることばかりを考え、品質や安全性が軽視され、熟練労働者不足の深刻化などが挙げられている。
前出のホールオーナーはこう話す。
「安心できると思っていた会社がデータ改ざんを平気で行う時代、この先何が起こるか全く予想もつかない。今のホール業界を20年前に予測した人などいなかった。1~2店舗しか持っていないホールオーナーでも十分贅沢な生活ができたが、もはやそんな時代ではなくなった」
企業がコストのことばかりを考えている、というのはホールとて例外ではない。
先日訪問したホールの旗艦店事務所。コンピュータ室も兼ねたそれは、それは広い事務所だった。入った瞬間、薄暗さを感じた。何と蛍光灯の3分の2を外して節電していた。繁盛店でも見えないところではコスト削減を励行している。
とあるホールは他店調査のための経費は交通費と1人当たり2万円の遊技代が支給されていた。スタートなどを調査して会社にはレポートを提出しなければならない。
それまでは、勝った出玉は自由に使ってもいいことになっていたが、今年から勝った出玉は会社へ報告して戻させるようになった、という。2人1組で行動するのだが、口裏を合わせた場合を想定して、もし、そういうことをした場合は業務上横領で懲戒解雇にすることもある。非常に余裕がなくなっていることが分かる。
これらは直接お客さんには関係しない部分だが、パチンコメーカーの営業マンがこう打ち明ける。
「スタートは下げられないので、今またTY削りが酷くなってきています。もちろん、大手でも率先してやっていますよ。オーナーは将来のために今は蓄財に走っています。お客さんに還元するという考えはないですね。だから客が減るんです」
貧すれば鈍する。
客を減らすのではなく増やすのがオーナーの仕事だ。

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旧台、新基準問わず15回も回れば御の字か。
スタートなんて下げ放しだよ、田舎は。どこまでこんな事
続けるんだろうね。
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