1カ月が過ぎ、2カ月が過ぎた。
常連客だったおばあちゃんが姿を見せなくなって、知り合いも「どうしたんだろうか」と気にはかけていた。
1年が過ぎると、おばあちゃんの年も年なので、仲間内の間では死んだことになり始め、おばあちゃん死亡説が独り歩きするようになった。
その噂話をホールで小耳に挟んだのが、ある病院のドクターだった。このドクターもパチンコ好きでたまに気晴らしに来ることがあった。
このドクターはおばあちゃんの主治医でもあった。しかし、ドクターには守秘義務があるので、おばあちゃんが脳卒中で倒れたなんてことは言えなかった。
おばあちゃんは退院して、今は定期的に通院しているので、ダクターはおばあちゃんが死んだことになっていることを話した。守秘義務があるので、おばあちゃんのことは話さなかったことも説明した。
「それじゃ、皆に元気な姿を見せに行かなくっちゃ」とおばあちゃん。
「タバコの煙は脳梗塞には悪いので行っちゃダメ」とドクター。
「あの世に行っていることになってるのなら、本当のことをしゃべっちゃって」とおばあちゃん。
ドクターからおばあちゃんの様子を聞いた、仲間6人がおばあちゃんが通院する日に病院で再会することになった。
ドクターが勤務を終えるのを待って、8人でお茶をした。
この話を聞いた店長は、さっそくオーナーに報告した。
オーナーはパチンコ好きのおばあちゃんがホールに来られるようにするために、全面禁煙を決意した。1人のお客さんのためかも知れないが、遅かれ早かれ2020年4月からは屋内禁煙になる。それなら、早めに禁煙にしてしまえと思ったが、現場の抵抗は激しかった。
ただでさえ稼働が落ちているところで、全面禁煙にするとタバコの吸える競合店へお客を取られてしまう、というのが現場の反対理由だった。
「禁煙は全国一斉にしないとダメ」という現場の声に押されて、オーナーは全面禁煙に踏み込むことはできなかった。
で、パチンコ好きのおばあちゃんが取った行動が凄かった。
月1回ほど、タクシーでマルハン千葉北店へ行くようになったそうだ。ここならドクターストップのかかるタバコの煙の心配もいらない。完全分煙の店舗が一人のお客さんを獲得したことになった。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
ピンバック: ギャンブル大国
ピンバック: 勝ち組
依存しようにも店がなくなりゃできないね。
ピンバック: ( *´艸`)
あれかな?チェーン店とかで他の現場から反対があったのかな?ならその店舗だけでも禁煙にすればいいと思うけど。
オーナーの決意に現場が反対して勝っちゃうんだね。
店長がいい人で、ホールに来れなくなったおばあちゃんを憂いてオーナーに報告したのかと思って読み進んでたけど違ったようだ。
ピンバック: 名無し
あると思うが。
ま、現場も説得できないのなら仕方がないね。
ピンバック: 傍観者
この業界は客の事なんて二の次だから
嫌煙の人の為にも今すぐに禁煙にするべきだと思いますけどね
ピンバック: パチンコがなくなれば幸せ
みんなで、パチンコ仲間のかかりつけ医の仕事を終わるのを待って、喫茶店でしゃべるとか私には経験がないですね。
ピンバック: あはは
商売してるんだから一人の客と不特定多数の客どちらを取るか当然後者でしょ。
言い方は色々ありますが、きれい事だけでは何の商売も成り立たないと思いますが。
ピンバック: まーぼー