ホールとユーザーという立ち位置の違いから、溝が埋まらない話題と歩み寄れる話題が混在しています。
前者はパチンコ=ギャンブル(勝ち負け・勝者敗者)という面。
後者はサービス業としての意見・進言・提案などですが、これは私を含め業界人には大変有難いご意見だと思いますし、私自身そう思ってコメントを読ませていただいております。
立ち位置・視点の違いはブログに求めるものの違いであり、結果、感情的になったり配慮が欠け、着地点が見え辛いように思います。
私が直接お話しすれば説明できることであっても、理解してもらうための前提を含めすべてをコメントで納得していただくには限界があります。
そういったスルーが憶測や疑念に繋がっているのは、少し残念な気もします。
エンドユーザーあっての業界です。コメントにあった質問について私なりに意見を述べたいと思います(業界の諸先輩方には解りきった内容かと思いますが申し訳ありません)。
まず、ジュースについて。自販機よりコーヒーワゴンの方が安いという意見や、もっと安く出来る筈といったご意見は、なかなか厳しいと言わざるを得ません。
一本、一杯あたりの原価だけを考えれば、ワゴンの方が安いというのは、管理者や経営者であれば、ノーだと解っていることです。
正確に言えば、原価ではありませんが、協賛金や販売奨励金といった導入時の契約金の存在は、科目上の違いはあれど、実質仕入れ単価が低いことと同じ意味を持ちます。
この商習慣は、なにもパチンコ業界に限ったことではなく、多くの物販やアルコールを含む飲料水等に関わる業界においては、形は違えど数多く存在する現実は、多くの皆様がご存知かと思います。
その金額も一時期ほどではありませんが、販売力のある店舗によっては、目玉の飛び出る金額が提示されている例もありました。
またワゴンは外注であれば単価は上がり、杯数によっては契約に至らないこともあります。
自社で行う場合でも、許可(二通りあります)が必要とされ、地域によっては自社で出来ない例もあります。
これに考え方の違い。ここで言えばジュースをサービスとして提供するか、採算を視て1事業とするかによって提供する形は大きく変わってきます。
次にガセイベントについて。
情報があふれる現在の社会では、情報弱者という(好きな言葉ではありませんが)言葉があったり、知らないことが恥ずかしいとか、負け組(実際負けることに繋がりますね)、養分などと言われる風潮があるのも事実と思います。
ここで言う情報を持つというのは、他者との関係で優位に立ち、勝率を上げる行動に結びつけるというものだと考えています。
そんな層とは距離を置いている層が多くいるのも現実で、皆が多くの情報を共有していれば、次は行動に移せる人間と移せない人間の差になります。
イベントをホールが本格的に採用しはじめて、わずが15年ほどです。この情報化社会ではからくりが見えやすくなっており、またユーザーマインドの変化により結果、イベントに求められる質・量に大きな変化があると思います。
マクロ・ミクロで考えると何が正しいかも見誤ってしまうくらいに、答えが解りづらくなっています。
例えば、設定6の鬼武者で負けたとします。
店としては出ることを想定して入れる訳ですが、出なかった結果を良かったと思うか、まずいと思うか。設定担当者もその二つに別れます。
また、この感情はイベントや時期によって真逆の考えになることも、多くの設定担当者はご存知と思います。
お客様側もそうですが、負けて納得は少ないかもしれませんが、納得される方もいるかと思います。
しかし多くのお客様は不満に思うでしょう。
理由は時間や労力、失望感などから、やがて矛先は店への疑念(裏物・遠隔・ガセ)を経て怒りになると思います。
不正はないという前提で言うと、お店側としては、これに対して納得する答えをすべて持ち合わせていないのが現実だと思います。
なぜならギャンブルという側面のパチンコで数値をすべて細かくコントロールは出来ないということ。すべて手の内をさらけ出す営業手法は確立されておらず、少し汚い表現ですが胴と子(子と子)で金銭を奪い合うパチンコでは、勝たせます=勝つという関係は継続して成立(商売として)しないため、非現実的であります。
また勝ち負けが透明性になると、期待感の喪失にも繋がり、遊びから金儲けへと楽しめる余地は減ると思います。それではパチンコではないと言える方が増えるのではないでしょうか。
勝つと解って打つ=金儲け・仕事
負けると解って打つ=レジャー・打たない
出玉の透明性に拘って究極まで行くと商売として成り立たない現実。負ける他人がいてはじめて富の分配がある。
極端な表現になりましたが、そんなことは打ち手の方もよくご存知ですが、じゃあどこまでがOKでどこまでがとなると、立場を越えて多くの方が納得する答えは非常に難しいと思います。
格差があって成立していると言えるパチンコ営業ですが、公平と平等の違いを理解し最大公約数的な結果(集客・利益)を求められるのが、ホールの運営でもあります。
勝ちを求められる方と価値を求められる方。公平を心地良いと思える方がいる一方で不平等を求める方もいらっしゃる。
ガセイベントについての答えは、その質問者によって答えは様々であり、意図によっては何がその方に相応しい答えか解りかねるため、多くのホール関係者がコメントしないのだと思います。
端的に言えば、ガセかどうかの物差しも人や店・タイミングや内容によって千差万別。
またそこにはどうしても守秘義務がついてまわるので、一般論になってしまいがちです。
誤解を恐れず言えば多くのホール関係者は不正とは無関係と思いますが、ガセイベントはどうか。
ユーザーから見れば不正と思っても、ホールからすれば確信的でない限り、結果が出なかったこともあったりしますので、不正とは思わないこともあります。
経営というフィルターは時に残酷な形を提供してしまう場合もあります。
私は仕事の一環で調整をしておりますが、ユーザとして打つのも大好きです。本音を言えば経営を無視してジャンジャン出したい時もあるし、喜んで貰いたい。
子供の頃、親や親せきに連れていかれたパチンコ店での風景・ワクワクした気持ちを忘れたくない。
たまにホールで自分の親に似た年老いた方を見ると、勝ってほしいなぁと思う事はありますが、平等を越える何かを提供することはないし、出来ません。
負けるなと心の中で声援を送るだけです。
保身ではなく、業務の性質上出玉に関するすべてを明らかにできない事(不正や遠隔ではありません)と明らかにすると、多くのものが変わってしまう現実があります。
多くの業界関係者はユーザーの側面もあるので、そのジレンマと葛藤し、責務とその背景にある家族や仲間のために日々頑張っています。
ユーザーの皆さまの辛辣なご意見を糧にして、運営への参考にさせていただいている身分ですが、直接顔を併せて個々に話すことが難しいのが事実。
それでも多くのご意見は参考になりますし、これまでの自分の在り方・既成概念を崩すきっかけになると感謝して読ませていただいております。
PS
近々ゲージ論の続編を寄稿しますのでご期待ください。

長文のご説明有難う御座います。
大変参考になりました。
ピンバック: 中谷
数珠様のエントリーは素晴らしいと思います。
ガセイベント
これは仕方ないとも思いますが、そもそもイベントと呼ぶ事がおかしいと思います
なぜイベントと呼ぶのか
イベントと書くからイベントなんだからもっと回せ出せと言われる
業界はこれからイベントに変わる略称を作るべきではないのか?
イベントの文字が誇大広告であり膨張している
イベントはもう使う言葉ではい。
ピンバック: ドンタク
パチンコ業界のトリビア。
業界で一番最初にイベントという概念を取り入れたのは福岡のディズニー。当時は福岡最大級のホールで店内にはローラースケートを履いた女性スタッフがいた。テレビや週刊誌にも取り上げられ有名に。
ホールの屋上でおやじギャルコンテストを開催。これがパチンコ店でのイベントという名前のイベント1号だった。
当時、このホールにコンサルで入っていたのが東洋商事(現フィールズ)。ディズニーの社長のユニークな発想をすぐにパクッてイベントを全国に広めたのが山本社長だった。
ピンバック: モータ労
イベントの捉えかたに違いがあります。
機械台のイベント
ホールの雰囲気を上げるイベント
これを一緒のテーブルに考えてはあかん。
ピンバック: 株ちゃん