警察の階級を知らない業界人が意外と多いですね。業界を監督・規制する官庁ですから、是非とも知っておきたいところです。
登場人物名は全て仮名です。
I県警のある所轄では同僚を階級で呼ぶ習慣があるようでした。
例えば佐藤巡査、田中巡査部長などです。
巡査部長は呼称が長く省略し○○部長と呼ばれていました。上司である課長や係長は職位名で呼んでおり、部下からは例えば「鈴木警部補」などとは呼びません。
呼び方基準に「階級と職位」が混在するダブルスタンダートな習慣でした。
自店の山本主任(当時32歳♂)
よく言えば明るくおおらかな性格。悪く言えば がさつで大雑把。
担当官の入替検査訪問時、ものおじどころか、かしこまった素振りも無く、また、所轄での呼称に倣い「さん」でなく「部長」。
「ちはーっす。田中部長お疲れサマッ」とこんな感じの対応です。
担当官はそのフレンドリーな山本主任の対応で和むのか、結構おおらかな検査…のような感じでした。あくまで「感じ」です。
そんなある日のこと、新しい生活安全課長が赴任され、店長の私と主任の山本でごあいさつに伺うことになりました。
新課長は非常に丁寧な方で、こちらのあいさつに対して、御自身の名刺を出されました。
「I県警 △署 生活安全課長 警部 山田太郎」
生活安全課の方がパチンコ店に名刺を出すことは珍しいことです。ましてや課長となるとそうそうもらえるものではありません。
差し出された名刺をかしこまって受取る私。
一方の山本はな・な・何と…
「へえー、警部さんですか。ペッパー警部と同じですね。幼い頃、ピンクレディーとペッパー警部にはお世話になったんだよね」
一同シーン。
私は場数を踏んできたつもりですが、そんな私ですら頭の中が真っ白。
固まってしまいました。
私の心の声「おい、山本! 空気を読めよ。ここはかしこまる場面でしょ」
山田課長(大物?)が かすかに会釈をしてくれたのがせめてもの救い(私が勝手に会釈と思っているだけで実は苦笑い?)。
その後の検査がおおらかでなくなった気がしてなりません。
後日談ですが、山本主任は、「課長よりも部長がえらい」と思っていたらしく確かに世間ではそうなんですが、巡査部長と部長は別です。
つまり、「階級と職位」の区別がついていません。いつも(巡査)部長にタメ口なので、その部下であると勝手に思っている課長にもタメ口で良いと判断したようです。
「事前に警察組織や階級を説明しなかった責任が私にある」と今更ですが、説教を兼ねて念入りに説明いたしました。
説明後、「ということは警視は軽視してはいけないということですね。ケイシを軽視なんちゃって」と山本主任。
「この人は懲りないわ」と心の中でつぶやく私。
しかし、彼には周りを朗らかにさせる天性のオーラがあり、放し飼いが賢明かと、、叱責も半減。ほんと、憎めない人物でした。
因みに警察官の階級はこうです。
巡査→(巡査長)→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監
巡査長は正式な階級ではないので( )としています。
一般的に課長クラスは警部、署長クラスは警視、本部長クラスは警視正や警視長が相場だとか。
興味のある方は調べてみてください。
余談ですが、今回紹介したI県警は「一物一価」遵守を徹底したパイオニアです。
4年前の2008年、担当官と話す機会があり、「他府県では」などと決して口に出来ない緊張感の下、「二物二価」について、見解を求めました。
「たばこ、お菓子など一般景品はパチンコ用、スロット用と分けないのに…。買取ありきの手法は容認出来ない」と一喝されました。
今ではアラフォーとなった山本主任。風の便りではお客様にもスタッフにも慕われる店長に成られたようです。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。
常識を知らない・礼儀を知らない人でも店長になれる事が分かって希望が湧いた人もいるのではないでしょうか?
ピンバック: ひとひと
>その後の検査がおおらかでなくなった気がしてなりません。
気のせいだと思ってあげようよ
ピンバック: ・・・・・
店長に成られたのはその後、努力を重ねた結果だと推察します。警察官の階級は勉強になりました。(`∀´)
ピンバック: 名無し漢
>山田課長(大物?)が かすかに会釈をしてくれたのがせめてもの救い
>(私が勝手に会釈と思っているだけで実は苦笑い?)。
オトナの対応・・?
新課長が、空気を読まれたのかも知れませんね。
『実るほど、頭を垂れる稲穂かな』
これも、浮世の常識なのかと・・・。
>その後の検査がおおらかでなくなった気がしてなりません。
おや?、おや?・・・です。
P業界の《宿命》なのですかねっ!?
ピンバック: 蜻蛉の親爺
>常識を知らない・礼儀を知らない人でも店長に
どこに書いてある?
ピンバック: 典雅
ペッパー警部云々、常識知らずというか…人間性を疑う発言ですね。ユーモアをはきちがえているというか?そういう人間が社会人として生きていける業界って…ショックです。
ピンバック: ぷぴたん
KY以前の問題かと…。
もしかして、風営法の存在も知らなかったとか?
ピンバック: ・・・・
>典雅様
この文章を読んで非常識と思わないあなた様の考え。感激しました。いやー私もあなたの様に図太い考えを持ち、抜群の読解力を身に付けたいです。
ピンバック: ひとひと
稀にいますよね。
>そういう人間が社会人として生きていける業界って…ショックです。
どの業界にも常識ない人いますけど・・・・
ピンバック: スパイス
ほのぼのした話だと思いますよ。
登場する主任さん。説教を半減させる。実は頭がいいのでは…大物ですよ。その後、慕われて出世したんだし…この話の流れで非常識な人が多い業界と感じる方の感性を疑います。批判ありきの偏った考えを持つのは自由ですが…
ピンバック: 世間の人
ま、営業がこんな事やったら契約破談サヨナラで終わりだから良い話と言って貰えるだけ恵まれてますわ 皮肉でなく常識知らずでも何とかなるのはいいね
ピンバック: 未来の客
ほのぼのして面白い話だと思います^^ 裏話というか、こういう話も和むので良いですね。
警察の階級なんて、警視以上は普通の人なら知らないでしょう。階級と職階の違いも同様でしょうね。警視庁と警察庁の違いも知らない人が大半だと思います。自分も世間の人さんと同じように、揚げ足を取っていちいちツッコむコメントにはちょっと辟易します…^^;
ちなみに、警視正以上は国家公務員となります。警視監の上の階級が警視総監ですが、これは警視庁のトップで警察ではNo2です。警察の本当のトップは警察庁長官ですが、警察庁長官には階級がありません。この辺りが少しややこしいのは、明治期に警視庁が先にできて、それから全国警察を指揮監督する警察庁ができたからだと聞いています。昔は警視総監がトップだったはずです。違ってたらスイマセン。
ピンバック: たかぞう
《たかぞうさん、世間のひとさん へ同意です》
>ほのぼのして面白い話だと思います^^ 裏話というか、こういう話も和むので良いですね。
まず、正直、『常識』と云う言葉が、「何」を「どこまで」を範疇とするのか、??(疑問)です。
自分のコメで、『常識』と使っておきながら・・・いい加減?・・・(苦笑)
それと、ヒトは「間違う動物」「勘違いする動物」「思い込む動物」だと、私は、理解しています。
基本的に、脳の構造(脳の機能)がそうなっていると、《思い込んで》いますので。
その前提に立ち、話の中の《滑稽さ》を、軽妙洒脱に、教訓的に読めば良いのでは?・・と。
『とかく浮世はままならぬ』ですし、浮世に《寛容》がない・・、それもチョイト辛いのかと。
それと、エントリーは「空気を読む」の話で、「常識」の有無とは、多少、ニュアンス的に相違が??
まあ、「読み方」次第で、ご意見は十人十色あって然り。
これも、親爺の感じ方はこんなモノ・・、に過ぎませんねっ。
ピンバック: 蜻蛉の親爺
たかぞうさん
警視正以上の階級に関するコメントは間違っていないと思います。
コメント上で補足して頂きまして誠にありがとうございます。
失礼な対応による失敗は許されない。そう言う緊張感はビジネスでは必要です。しかし厳しい時代だからこそ蜻蛉さんの仰る「寛容」も必要に感じます。
当該ホールですが、お客様を含め、丁寧=慇懃無礼もしくは「よそよそしい」と感じられるムードがありました。地域ぐるみです。そのコミュニティーには警察官も含まれていました。もちろん緊張関係はあるのですが、慕い慕われる関係も共存しておりました。
ですから「おおらかではなくなった」は地域にまだ溶け込んでいない私の「気のせい」なのです。
しかし地位を持てば持つ程TPOを意識しないといけません。紹介させて頂いた主任が店長に成ったのはその後、地域性はあれどもTPOを学び成長された証かと…。
ご勘案下さい。
ピンバック: ヤンキーパンダ