概ねまとめると次のような意見でしょうか。
【肯定派】
・さすがマルハン!考えるスケールが違う
・客の動線から、島の形状や設備など様々な点から新たな取り組みをしている
・発想が斬新
【否定派】
・マルハンだから出来るだけ。収益は度外視しているはず
・別に自店の参考になる事は特別にない
・パチンコの本質から外れている
ではマルハン自体はどういった意図をもって千葉北店を出店したのでしょうか。ここからは私の想像で、この千葉北店を戦略的に分析して見たいと思います。
2012年3月期時点で、同社の売上高は2兆791億円、経常利益は521億円、店舗数273店舗と、店舗数こそダイナムより少ないですが、その他の指標を比較しても、間違いなくパチンコ業界のリーディングカンパニーである事に異論はないと思います。
しかし国内市場という指標で見た場合、パチンコ業界は明らかに成熟市場に達しています。ある市場が成熟し、他の方向に進まざるを得なくなった場合に企業が最初に考えるのは、
1.同じ市場に対し別の製品(パチンコ以外の商品又はサービス)を売る事は出来ないか?
2.他の市場に対し既存の製品(パチンコというサービス)を売る事は出来ないか?
これはアンゾフの事業拡大マトリクスを当てはめたものですが、1の戦略に関しては不可能ではないにしても、そもそも同社の強みが発揮出来ません。
2の戦略に関しても中々イメージはしづらいですが、同社は今回ここに切り込んだのではないかと考えます。
リーダー企業の第一の関心事は、市場シェアの更なる確保もありますが、その前に市場規模全体の拡大にあります。
何故なら、その拡大分がそのままリーダー企業の成長に繋がるからです。当然ながらそこにはリスクもあります。しかしそのリスクを吸収出来るのもまた、リーダー企業にしか出来ない事です。
同社に今回そのような意図があったかどうかは分かりませんが、その観点から見ると、今回の千葉北店の取り組みは、パチンコ業界にとって大いに意味ある事だと捉える事も出来ます。
何故なら、そこでのノウハウが蓄積し国内市場全体が拡大すれば、競合他社にとっても多大なるヒントを与えてくれるからです。
つづく

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。
■アンゾフの事業拡大(成長)マトリクスの“考え方”を元にイメージすると・・・、
①【既存市場】市場浸透・深耕(既存市場/既存製品&サービス)
・イベント開催や特定日の設定etc.(既存プレイヤーの来店頻度、期待度を上げる)
・「喉の乾きにコカ・コーラ」→「いつでもどこでもコカ・コーラ」(渇きからリフレッシュへ“機会”を増やす)
②【既存市場】新製品&サービス開発(既存市場/新製品&サービス)
・「新台入替」を頻繁に行うetc.
・ビールやインスタントラーメンのように新製品をどんどん消費者へ提案する
③【新規市場】新規市場開拓(新規市場/既存製品&サービス)
・対象とする“顧客”の層や幅を広げるetc.
・男性用の衣服や香水などをユニセックスの商品として女性にも販売する
④【新規市場】狭義の多角化(新規市場/新規製品&サービス)
・市場にも製品にも取っ掛かりがなく、リスクが非常に高い
>リーダー企業の第一の関心事は、市場シェアの更なる確保もありますが、その前に・・・云々・・・
【同じ市場】から【他の市場】へ、【既存市場】①②から【新規市場】③への“戦略シフト”・・・とSTI徳田さんは推察されているように感じます。
当然、③の戦略をとる上で、「既存製品&サービス」にアレンジ(付加価値)を加えて・・・、でしょうが。
チャレンジ自体は、リーディングカンパニーとして、業界内での“役割”の一つなのか・・・?、と思えます。
「良策」か「愚策」かは時間経過と共に、『結果』として表れるでしょうし・・・???
ピンバック: 蜻蛉の親爺
はじめてコメントさせていただきます。
自分は一般プレイヤーで、マルハン千葉北店がどんなお店なのかを知らないのですが、良かったら教えていただけませんか?
ピンバック: 一般プレイヤー
8月30日のエントリー
マルハン千葉北店について書かれていますよ
ピンバック: 世話焼き親父
すみません。
ありがとうございます。
30日のエントリーも読んでいたのですが、すっかり忘れてました…
ピンバック: 一般プレイヤー
今後に経済成長が大きく望めないこの時勢に・・
業界の市場拡大を唱えるとは・・
社会貢献とは程遠いですね・・
業界の市場拡大だけがこの業界を救う手立てなんでしょうか?
実際にはもうムリでしょうがね。
いかにこの現状を維持していくか。
もしくはゆるやかに後退していくか。
それを考えないでイケイケドンドンじゃね・・
ゲームセットは時間の問題じゃないでしょうか?
ピンバック: くま