ところが、人口の多い首都圏に出店したのに、結果を出せないホールが少なくない。
パチンコ産業は立地産業ともいわれ、成功するか否かは立地で8割方決まるともいわれている。首都圏の駅前の一等地にも関わらず、集客に喘いでいる。
そういう場合、営業方針に問題があるのかも知れないが、首都圏に出店したからといって成功する保証はない。
「地方のオーナーさんは、マーケティング会社に出店調査を依頼した時点で、出店意欲は満々です。最後の決断をするために、背中を押してもらいたいから、高い調査費用をかける。分厚い調査資料は最後の2~3ページにオーナーの背中を押すような文言がかかれています。私の仕事はむしろ、後ろ髪を引き戻すことです。儲からない店は作ってはいけない、というのが持論です」と話すのはパチンコ商圏分析研究所の平岡直人所長だ。
平岡所長は大手ホールで首都圏の店舗開発ディレクターを14年経験した後、パチンコホール向けのマーケティングシステム開発会社へ転職して、立地診断のシステム開発と販売に携わっていた。
そして、今年、パチンコ商圏分析研究所を立ち上げた。いわば、店舗開発のプロ中のプロである。
「パチンコ市場も需給バランスで成り立っています。需給バランス以上に強く稼働に影響する要素はありません。今回、ダイナムさんの全店舗の商圏分析を行なってみました。ダイナムさんはドライブタイム15分を商圏とされていますが、必ずしも人口の多い立地に出店しているのではありません。人口は少なくても、競合も少ない、需給バランスの良い場所が多いのです。競合店のお客様を奪い自らが市場を作る、という強引な手法ではないところに好感をもっています。出店の仕方の参考になると思います」
商圏分析は地図データ、人口統計データ、各種分析機能等をもつGIS(地理情報システム)に、日々更新している独自の全国ホールデータを搭載しているため、ホール専用の商圏分析を素早く行なうことが可能だ。
これを使って全国のパチンコ店や出店検討地の商圏分析レポートは9800円で即日発行する。
また、首都圏の1都3県は、現地調査と立地診断を10万円で行っている。
オーナーはやる気満々で首都圏に出てくるわけだから、人の多さを見ただけで盲目的になる。土地勘のない場所を1日見たところで、何も分からないが、これが客観的データとなる。
「首都圏といえども良くないから潰れていくわけですが、それでも再生可能な物件は出てくるので、失敗しない出店判断のサポートをします」
同社は独自に収集した全国の閉店ホール情報も保有している。

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>同社は独自に収集した全国の閉店ホール情報も保有している。
個人的には、こちらの情報の《価値》が高いと思います。
私の好きな人物に畑村洋太郎と云う学者がいます。
なかなか面白い視点で研究をされています。
【 Wikipediaより 】
畑村 洋太郎(1941年1月8日 – )は、東京大学名誉教授。工学博士。
専門は『失敗学』、創造的設計論。
最近では、ものづくりの領域に留まらず、経営分野における『失敗学』に研究を広げている。
>私の仕事はむしろ、後ろ髪を引き戻すことです。
>儲からない店は作ってはいけない、というのが持論です
「段取り8割、本番2割」と云うくらいです。
このセカンド・オピニオンは大切ですね。
“幸運の女神”の後ろ髪・・、そう簡単に掴めるものではありません。
強欲の色メガネを一度はずしてから、出店は決めるべき。
ピンバック: 蜻蛉の親爺
蜻蛉の親爺様
「失敗学」、初めて知りました。
面白そう&見識広がりそうなので、早速Amazonで注文を入れました。
ご紹介ありがとうございます。
ピンバック: 一般遊戯者
既存の出店範囲は飽和状態にある。不採算店舗の閉鎖や統廃合が当面は続くと思う。
良貨のみが生き残る。
ピンバック: あさ
現地調査と立地診断なんて経営者が自ら出来ないと経営者としての才能がない
経営方針だって外部の人間に頼る様ではダメ
まったくの新参者が出店するならノウハウを外部に聞くのもありだが
何年もパチンコ屋やっている人間ならそれなりのノウハウがある
ないとおかしいです
パチンコ屋の経営者の多くは人任せな傾向がある
ピンバック: ヘビーユーザー
何年もやってる経営者達が失敗している現実があります。
立地の良し悪しを判断する能力は経営センスとは別ものです。営業ノウハウはあっても立地判断センスのない経営者は業界に沢山います。だから失敗する。
経営失敗の最終責任をとるのは経営者。慎重に慎重を重ねるのは当たり前だと思います。
ホール企業においては、店舗開発の担当者は計画通り出店したいから前のめり、営業担当者は保守的で意見が合わないことが多い。
第三者の評価を聞くのは何もマイナスじゃないと思います。
ただ、お金がかかる、高いし!
ピンバック: 店舗開発をする者