ワイズシャインの大津直高代表は、そんな既成概念を打ち破る社労士でもある。

経営者から様々な相談に乗っているうちに、内部通報システム「ジャスティス」を開発した。
一般企業でもパワハラ、セクハラが問題になっているが、労働契約法では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」(5条)と定められている。
そういう問題が起こった場合、会社は「安全配慮義務違反」で厚生労働省から指導を受けることもある。つまり会社はパワハラやセクハラがあった場合は責任を問われることになる。
パワハラ、セクハラ、さらには内部不正、報告の隠ぺいを未然に防ぎ、働きやすい環境を整え、会社側には悪い報告でも上がってくるように開発されたのが内部通報システム「ジャスティス」だ。使うのはケータイやスマホ。
運用がスタートして2年ほどになるが、現在約100店舗のホールで導入されている。
運用方法はこうだ。
アルバイトも社員も含め全員がジャスティスに登録することから始まる。
社員、アルバイトからの通報を受けるのは、会社ではなく第三者機関となるワイズシャインの社労士が対応する。
通報はケータイ、スマホから専用アプリを使って行う。通報があった場合、ワイズシャインはその都度会社に報告する。
第三者機関としたのは、通報者の人権保護を大前提にしているためで、守秘義務を持つ第三者機関が情報を吸い上げることで、自社内のシステムでは出てこない、聞こえてこない真の情報を収集することができる。
アプリには「通報」と「アンケート」の2つから成り立っている。
アプリはID入力によってログインするので、通報内容が他人に漏えいできないようになっている。
通報内容は文字入力ではなく、選択式の質問となっている。
例えば、不正で通報した場合を見てみよう。
不正に関してホールで起こりうるものが約20項目(落し物の私物化、プリペイドカードの私物化、営業資金の着服、特殊景品の着服、機械代のキックバック、ロム・基盤交換、設定漏洩、夜間侵入の手引きなど)表示されるので、その中から不正の種類をまず選択する。
次に、不正がいつごろから行われているかの期間を選択して、店舗を選択する。店舗に登録されている個人名一覧が出てきて、個人を特定する。
一連の流れはこれで終わりだ。
通報しやすくするために全部、選択方式となっているのが特徴だ。
「実際に導入しているホール企業で一番多い通報はパワハラです。その次がセクハラで、不正は少ないです。今まで聞こえなかった声が聞こえるようになるのが特徴です」(大津代表)
ジャスティスを導入して不正に関する通報が一番少ない、ということは抑止効果が効いている表れともいえる。複雑で高価なシステムを導入することなく、設定漏洩ができない環境が構築できるといえる。
「セクハラは分かっても、パワハラの基準が分からない、という人が多い。大声で指導するとパワハラになるのか、という質問もあるほどですが、大声で指導するのはパワハラではありません。指導は勤務時間外でやると訴えられることにもなります。パワハラ、セクハラの意識を周知徹底できるようにもなります。年2回、アンケートを取って店の問題点を早期発見することもできます」(同)
月額使用料は1店舗1万5000円。

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営業、労働、消防、建築など事業に関係する法の理解とコンプライアンスは徹底すべきでしょう。
(`_´)ゞ
揉み消しを防ぐためにも信頼おける外部とのホットラインも良いと思います。
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こういう寄稿に反応がないのは、時代の表れでしょうか。
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