パチンコ日報

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女性が打ちたくなるようなパチンコ筐体

あるデザイン会社に遊技機メーカーからデザイン依頼が来た。

筐体デザインと思われるが詳細は分からない。注文をつけたのは女性デザイナーでパチンコを全く知らないことが条件だった。つまりパチンコに対する既成概念がない、パチンコに対して真っ白な状態からデザイナーの独創的な発想を欲していることは伺い知れる。

その意図は若い女性がパチンコに興味を惹くデザインで、思わず映え写真を撮りたくなるような筐体ということか?

パチンコ筐体コンペの世界を映画でも観ることができる。

2018年11月劇場公開の「レディinホワイト」がそれ。

舞台は名古屋。

主人公の如月彩花は、親の資産で何不自由ない生活を送ってきた。新卒でホワイト企業と思って入った会社には、なんとパワハラ全開のゲスなエリート上司がいた。部下はもれなく全員奴隷化がデフォルトの脅威的な体育会系だった。

今まで味わったことのない屈辱の連続に怒り心頭の如月だったが、そのゲス上司に負けない驚きのクズっぷりを発揮するのだった。敬語は使えず、上司の指示には従わず、キメキメの白スーツと社内でも完全に厄介者扱いされる。

映画の中盤で会社は女性が打ちたくなるパチンコの筐体デザインのコンペに参加することになった。チームの一員としてリサーチに出掛けた如月はホールから出てきた女性に「1万円払うから話を聞かせて下さい」と声を掛けた。

喫茶店で話を聞いた。

「パチンコは週何回? 仕事とパチンコどっちが大事ですか?」

「あなたパチンコやったことある?」

「ないです」

毛皮を着たネイルサロンの経営者は「仕事はできて当然、稼いで当たり前。でもパチンコは別物。玉買ってホールに入った瞬間から別世界なの。恋愛みたいに、ある台が私を引き寄せるの。そこからドラマが始まるのね。負けたくて来ている人って誰もいないの。でも、簡単に勝たせてもらえない。泣きたくなるような日もあるの。でも、勝った時の快感は仕事以上よ」

その話を聞いていくうちに如月の頬を涙が伝う。

「パチンコで稼ぐおカネは、仕事で稼ぐおカネの何倍も価値があるの。あなたにそれぐらい賭けているものはあるの?」

仕事に本気で取り組んでこなかった如月は「今はまだないですけど、これから持てそうな気がします。後、2万円払いますから、もうちょっと話を聞かせてもらえませんか」と懇願した。
 
リサーチで開眼した如月はゲズ上司のプレゼン案に噛みつく。

ゲス上司は如月をメンバーから外さないと、「プレゼンには出ない」とゴネる。上司が出ないとなるとコンペに勝てるプランナーはいなくなる。

しかし、部長はゲス上司がゴネる理由を「自分が持っていない如月の才能を恐れていること」を見抜いていた。

ゴネる上司との狭間で如月は部長に自表(辞表)を提出するが、「お前がプレゼンして勝ち取ってくればいい。プレゼンをやりたいようにやってみろ」と発破をかける。

パチンコメーカーで始まったコンペには、ライバル会社は黒い筐体を用意した。

「女性用と聞いて真っ先に思いつくのはかわいらしさですよね。弊社の男性陣からも花をモチーフにした企画が上がりました。ホールに来る女性をリサーチしたところ、家で花を飾っている人はほぼ皆無。女性用だから花と言う発想はこのパチンコ台においては上手くいかないと思います」というプレゼンに対して、ほぼこれで決まりと言う雰囲気に覆われた。

如月のプレゼンが始まった。筐体は真っ白だ。


「今回の仕事で初めてパチンコ台を近くで見ました。電気的光でユーザーを刺激するのも素晴らしいと思いましたが、やはり女性は貴金属の光に惹きつけられます。グレーパール(パチンコ玉)に白い衣服は凄く似合います」

パチンコメーカー側の反応は「ジュエリーボックスと言うわけね。見世物としては面白いけど、実機となると斬新過ぎて受け入れられないわ。コンセプトは踏襲して従来の台に寄せた方がいいわね」「せめてハンドルは元に戻した方がいい」と冷ややかだった。

ところが如月の肝は据わっていた。

「嫌! 私はこれでいきたい。1ミリでも変更するんだったらよその会社に振ってください」

後日、如月の会社の企画が採用されることになる。

映画のような出来事が実社会でも起こっている。むしろ、実社会で起こっていることをモチーフに映画にしたのかも知れない。

映画の中で「流行っているホールは女性客の比率が30~50%」というくだりが出てくるように、若い女性客が再び打ちたくなる台がホールの将来にかかっている。



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