パチンコ日報

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年俸アップで転職したが…

遊技機の上場メーカーから遊技機の上場メーカーの開発へ、Aさんが転職したのは今から10年前だった。転職した理由は年俸の3割アップの条件に惹かれたためだ。日本メーカーの技術者が中国企業へ高額年俸で引き抜かれていくパターンと同じだ。

10年前なら少なくとも今ほど業界も酷い状態ではなかったが、コロナ禍を契機に衰退期に拍車がかかった。3割アップ年俸もボーナスが滅茶滅茶減ったために、トータルでは転職前と変わらない年俸になっただけでなく、40~50代はリストラ対象となってしまった。

希望退職に応じるものは転職先があるから応じるわけで、ある種、優秀だからだ。本当に辞めて欲しい人たちは転職先もなく、じっと我慢するしかないが、そうなると人事部から肩たたきが始まるのは会社の常。

一方で、辞めて欲しくない人材に対しては給料のUPで引き止め工作を行っているようだ。優秀な人材なしには会社の再生も図れない。

メーカーの販売台数は今や1万台売り切ればヒット。最低ラインは赤にならない6000台ぐらいまで引き下げられながらも、2000~3000台という機種もゴロゴロしている。1機種で10万台も売れた時代は遠い過去の話になってきた。

2021年度のパチンコの総販売台数のトップは三洋で36万1500台(16機種)、2位はSANKYOで17万9000台(22機種)。3位はニューギンの9万5000台(14機種)、4位はサンセイの9万台(10機種)、5位は京楽の7万8000台(9機種)だった。リストラを発表した平和は4万9890台だった。

ちなみに、過去10年間のトップの販売台数の推移はこうだ。

2012年京楽48万8500台、2013年三洋42万2500台、2014年サミー33万台、2015年サンセイ31万8000台、2016年三洋39万台、2017年三洋32万9000台、2018年SANYO21万4500台、2019年SANYO18万9500台、2020年三洋29万2000台。

ホール軒数の減少、ホールの購買力の減退で400万台あった新台市場は今や100万台にまで落ち込んでいる。

前出のAさんは自社の販売台数が伸びない原因をこう話す。

「下請け、協力会社に丸投げし過ぎてきた。依存度が高すぎて作り込みが足らない。だから、品質もよくない。1機種で10万台売れた機種もあったが、手間を掛ける割には売れない。だから、作り込みもしなくなった。会社の中で合格ラインを下げた。100点主義から80点主義に変えた。『この辺でもういいや』となった結果が今の現状」と分析する。

作り込むと言ってそれは映像だろうが、そんな発想自体から脱却して、電役でメーカーの開発力を競って欲しいものだ。




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横長サイズのパチンコ

このエントリーは4年前に書いたことをあらかじめ断っておく。

パチンコ機の筐体が巨大化する一方で、パチンコ機のサイズそのものを変える計画があり、すでに試作機の段階に入っているメーカーがある、という。

「縦に伸ばすことはできないので、横のサイズを変えてしまう、という発想です。現行機の1.5倍のサイズにするということです」(週刊誌記者)

このアイデアそのものは、パチンコの減台が続いた時代に生まれたもので、今また復活したものだった、という。そういえば、パチンコ業界の元気が良かったころは、組合青年部主催による未来のパチンコデザインコンテストが開催されたことがあるが、その中に横長のパチンコ機はあったように記憶している。

現在、パチンコの横幅は52センチだから、単純に1.5倍にすると、約80センチというとことになる。幅が80センチになるだけでも隣の人とぶつかることもなく、大柄な外国人が座っても窮屈な空間から開放される。

イメージ的には写真のマルハン千葉北店のゆったりしたこのサイズぐらいになりそうだ。



画面サイズは今の正四角形から横長サイズに変わる。テレビが横長になって久しいのでそう違和感はないかも知れない。

では、なぜ、横長サイズのパチンコ機にするのか?

「今のパチンコのスタートはセンターのヘソ1カ所だけですが、横長にすることで左右にもスタートを設けることができます。ただ、1カ所を狙うのではなく、あっちこっちに飛ばしても楽しめるという発想です。右に飛ばせば、こういう遊びができて、左に飛ばせばまた違った遊びになる。絶えずハンドルを動かす遊びになれば、固定ハンドルそのものが無意味になる。そんな狙いもあるようです」(同)

風営法改正で現実の方向性は、ギャンブル依存症対策で管理遊技機に向かっている。

まず、そのメーカーの機械だけが横長になれば、現行の島に収めるのに新たな島工事を要することになる。椅子は床に固定されているので、椅子の移動工事もしなければならない。あまり現実的とも思えない。

仮にスタンドアローンの管理遊技機になっても、横長サイズは統一枠構想から外れる。横長サイズに同調するメーカーが多数出てくれば、また別問題ではある。ただ、メーカーが横長サイズに同調するとすれば、機械代の値上げ材料になるということぐらいか。横長サイズでこれまでできなかったゲーム性を加えることができたならば…瓢箪から駒が出る。

期待しよう。


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常連客カッコウさんのある習性

ホールの常連客であだ名が「カッコウ」と呼ばれている人がいる。その理由は後に回すが、カッコウさんにはある習慣がある。

カッコウさんのマイホールは駅前型店舗で置ける台数は少ないが駐輪場はある。平日は問題なく置けるのだが、土日ともなると自転車で溢れて止められるスペースがない。少し離れたところに第二駐輪場がある。

カッコウさんは自転車が満杯で止められないときは、決まって1台を抜いてスペースを確保するのだが、抜いたところには止めないで、自転車をずらして止める。罪悪感と共に自分が自転車を抜いたことをカモフラージュするためでもある。

常連客とはいえ日常的に行っていた。

鳥のカッコウは托卵を行う種として有名だ。托卵の際には巣の中にあった卵をひとつ持ち去って数を合わせる。本種のヒナは短期間(10-12日程度)で孵化し、巣の持ち主のヒナより早く生まれることが多い。先に生まれた本種のヒナは巣の持ち主の卵やヒナを巣の外に放り出してしまい、自分だけを育てさせる。

他の常連客から自分が止めていた自転車が駐輪場から出されていることが頻発するために、その犯人である常連客にホール側がカッコウと隠語の様なあだ名を付けた、という次第だ。

他の客からのクレームが多いために、「満車の時は第二駐輪場に止めてもらえますか」とカッコウさんにある日やんわりと注意した。

カッコウさんの言い分は「ここじゃないと気が済まない」の一点張りで聞く耳を持たない。

常連なのでホールも高圧的には出られないが、他の常連客からはクレームが出ている。

カッコウさんにはもう一つの習性があった。

上皿に玉を置いたまま20~30分経っても帰ってこないと、勝手に打つことが年1回ほどある。

これも注意したことがあるが、カッコウさんの言い分はこうだ。

「どうせ店に没収されるのなら打った方がいいだろう」

10年来の常連客であるカッコウさんのことで最近分かったことがある。

カッコウさんの正体は日本人ではなく中国人だった。

日本人と価値観というか社会常識がまるで違う。中国人の価値観だからと言ってカッコウさんの行為が許されるものでもない。

ホールは出禁にするまでは考えていないが、駐輪場は今の場所に拡大することもできず、鳥のカッコウの習性を誰も止めることができないように困り果てている。




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釘は己なり

山田塾の授業は八割が釘漬けの毎日です。残りの二割は私が人生を逃げ回っていた話をしながら説教めいた時間に当てます。塾生達にとっては退屈な時間です。全く人の言葉というものはある意味説得力がありません。

しかし言葉は嘘をつきますが技術は嘘をつきません。自分の心がヒヨっていたり、ものづくりの細かな過程を誤魔化したり、要領をかましたりすれば釘はそれを如実に伝えます。これはホールの調整においても言えることです。

研修中、玉ゲージの扱い方を教えます。最初にゲージ棒の握り方やちょうど良い塩梅のタッチとはこれくらいだとほぼ大まかに教えるだけです。

一時間ほど自主練させたのち、ゲームを行います。盤面に6箇所ある命釘を同じタッチで作りなさい。11.08が掛かり11.07が掛からない100分の1ミリの精度を要求します。制限時間は正味20分。それで何個作れるのかを競い合いなさい。そう命じてできた命釘のタッチを私が確認して回るのです。未経験者は20分で3個から7〜8個くらいでしょうか。

ある程度現場で釘を叩いている者で腕に自信のあるものは50個とか60個とか作る者もいます。そのゲームを4回実施します。すると誰もが驚くほどの成長を見せるのです。やらせておいて言うのもなんですが、私は毎回人間の能力ってすごいなと感心するのです。

因みに8000名を超える塾生の中で最高記録は200個を超えています。つまり1台に6箇所の命釘がある台をこの者は20分で33台以上仕上げられるスキルを持っているという事です。彼が最初に作った個数は60個でした。僅か2時間程度の間にこれほど成長するのです。

これは間違いなく彼らの努力の賜物です。私はそのステージを提供しただけに過ぎません。

小さな成長が自身の嬉しさに変わり、そこから興味を抱くこともあります。年長者が小言や説教を幾つ並べても彼ら自身の経験に勝るものはありません。釘はありがたいものです。

己の心のあり方や佇まいがそのまま出るのです。彼らが不安いっぱいで叩いた釘は見るも無残なものです。しかし彼らの心が躍動し始めた釘はその精度において満点はやれないものの粋の良い釘となってその様子を伝えてくれます。

ものづくりの根底にあるもの。それはつくり手の心模様。まさに釘は己なりなのです。



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女性が打ちたくなるようなパチンコ筐体

あるデザイン会社に遊技機メーカーからデザイン依頼が来た。

筐体デザインと思われるが詳細は分からない。注文をつけたのは女性デザイナーでパチンコを全く知らないことが条件だった。つまりパチンコに対する既成概念がない、パチンコに対して真っ白な状態からデザイナーの独創的な発想を欲していることは伺い知れる。

その意図は若い女性がパチンコに興味を惹くデザインで、思わず映え写真を撮りたくなるような筐体ということか?

パチンコ筐体コンペの世界を映画でも観ることができる。

2018年11月劇場公開の「レディinホワイト」がそれ。

舞台は名古屋。

主人公の如月彩花は、親の資産で何不自由ない生活を送ってきた。新卒でホワイト企業と思って入った会社には、なんとパワハラ全開のゲスなエリート上司がいた。部下はもれなく全員奴隷化がデフォルトの脅威的な体育会系だった。

今まで味わったことのない屈辱の連続に怒り心頭の如月だったが、そのゲス上司に負けない驚きのクズっぷりを発揮するのだった。敬語は使えず、上司の指示には従わず、キメキメの白スーツと社内でも完全に厄介者扱いされる。

映画の中盤で会社は女性が打ちたくなるパチンコの筐体デザインのコンペに参加することになった。チームの一員としてリサーチに出掛けた如月はホールから出てきた女性に「1万円払うから話を聞かせて下さい」と声を掛けた。

喫茶店で話を聞いた。

「パチンコは週何回? 仕事とパチンコどっちが大事ですか?」

「あなたパチンコやったことある?」

「ないです」

毛皮を着たネイルサロンの経営者は「仕事はできて当然、稼いで当たり前。でもパチンコは別物。玉買ってホールに入った瞬間から別世界なの。恋愛みたいに、ある台が私を引き寄せるの。そこからドラマが始まるのね。負けたくて来ている人って誰もいないの。でも、簡単に勝たせてもらえない。泣きたくなるような日もあるの。でも、勝った時の快感は仕事以上よ」

その話を聞いていくうちに如月の頬を涙が伝う。

「パチンコで稼ぐおカネは、仕事で稼ぐおカネの何倍も価値があるの。あなたにそれぐらい賭けているものはあるの?」

仕事に本気で取り組んでこなかった如月は「今はまだないですけど、これから持てそうな気がします。後、2万円払いますから、もうちょっと話を聞かせてもらえませんか」と懇願した。
 
リサーチで開眼した如月はゲズ上司のプレゼン案に噛みつく。

ゲス上司は如月をメンバーから外さないと、「プレゼンには出ない」とゴネる。上司が出ないとなるとコンペに勝てるプランナーはいなくなる。

しかし、部長はゲス上司がゴネる理由を「自分が持っていない如月の才能を恐れていること」を見抜いていた。

ゴネる上司との狭間で如月は部長に自表(辞表)を提出するが、「お前がプレゼンして勝ち取ってくればいい。プレゼンをやりたいようにやってみろ」と発破をかける。

パチンコメーカーで始まったコンペには、ライバル会社は黒い筐体を用意した。

「女性用と聞いて真っ先に思いつくのはかわいらしさですよね。弊社の男性陣からも花をモチーフにした企画が上がりました。ホールに来る女性をリサーチしたところ、家で花を飾っている人はほぼ皆無。女性用だから花と言う発想はこのパチンコ台においては上手くいかないと思います」というプレゼンに対して、ほぼこれで決まりと言う雰囲気に覆われた。

如月のプレゼンが始まった。筐体は真っ白だ。


「今回の仕事で初めてパチンコ台を近くで見ました。電気的光でユーザーを刺激するのも素晴らしいと思いましたが、やはり女性は貴金属の光に惹きつけられます。グレーパール(パチンコ玉)に白い衣服は凄く似合います」

パチンコメーカー側の反応は「ジュエリーボックスと言うわけね。見世物としては面白いけど、実機となると斬新過ぎて受け入れられないわ。コンセプトは踏襲して従来の台に寄せた方がいいわね」「せめてハンドルは元に戻した方がいい」と冷ややかだった。

ところが如月の肝は据わっていた。

「嫌! 私はこれでいきたい。1ミリでも変更するんだったらよその会社に振ってください」

後日、如月の会社の企画が採用されることになる。

映画のような出来事が実社会でも起こっている。むしろ、実社会で起こっていることをモチーフに映画にしたのかも知れない。

映画の中で「流行っているホールは女性客の比率が30~50%」というくだりが出てくるように、若い女性客が再び打ちたくなる台がホールの将来にかかっている。



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