ここでは、スマートパチンコの方に焦点を当てた。
封入式構想に始まり管理遊技機~スマートパチンコと名称が代わり、10年あまりの歳月が流れた。ホール側からすればあまりいいイメージがないのが現状で、発売予定も当初より1~2年は遅れた。この間、コロナ禍問題もあったが、遅れた理由は取りも直さず、メリットよりデメリットの方が大きかったからだ。
発表できるのはスマートパチンコがホール経営に寄与できるゲーム性や遊技性が付加される自信の表れでもあろう。
しかし、スマートパチンコ専用のユニットが必要になり、新たな設備費の負担増は避けられない。これについて榎本理事長はこう話す。
「再来年(2024年)に新紙幣が登場するため、古いユニットはいずれにしてもビルバリの交換が必要になる。いずれにしても設備投資は必要で、新ユニットはソフト替えで対応できる。それ以上にスマートパチンコにはゲーム性があるので、ホール営業に寄与できる環境になってきた。新たなジャンルの選択肢としてスマートパチンコが増えることになる」と自信を覗かせる。
スマートパチンコになると共通枠でコストが下がる、という話が独り歩きしていた時もあった。これについては次の理由で否定する。
「共通枠を作ったが、各社の事情を取り入れると最大公約数のような形になった。部品や枠を共通にすれば安くなると思われるかも知れないが、意外と逆だったりした。製造者責任を取れないということもありダメになった」
ホールやユーザーからのおもちゃ筐体の批判も榎本理事長は十分承知していた。そうなった経緯をこう打ち明ける。
「日工組の歴史も60年もあり、この間に規則の上に規則が重なり、規則が山盛りになってゲーム性の自由度がなくなっていた。その結果、根幹の中身が金太郎飴になっている状況が20年ぐらい加速してきた。メーカーは同じようなスペックを選ぶだけの形になり飽きやすくなる。それでもメーカーは差別化しなければならない。本来の中身が変えられないからこそ、見た目の液晶や役物をどんどん発展せざるを得なかったこともあり、この状況が生まれた。特にボクはそう思われているが、メーカーは派手ででかいものを付ければ売れるんじゃないか、とか。スタート時はそういう気持ちがなかったとは言わないが、この厳しい状況でどこも在庫は抱えたくないし、コストのかかることはしたくない、と思っているはず」と語った後で、スマートパチンコのゲーム性に話は及ぶ。
「規則の範囲内で警察庁様も大きな門戸を開いてくれてゲーム性の緩和を凄く前向きに相談させてもらっている。パチンコの中身をスロットで言うとAタイプとすれば、AT機のような設計の自由度を何とか取り入れさせていただいて、規則には記されていない時短周りのゲーム性を緩和させていただき、設計の自由度が広がった。後は各メーカーの知恵と努力でこんなこともできるのか、という開発ができるようになる。中身の自由度が増せば外見にそう拘らなくてもよくなる」と設計の自由度の広がりによって、8月発売のメドも立ってきたようだ。
ゲーム業界では当たり前になっているソフトのダウンロード。パチンコ業界でもこれが応用できれば機械代はかなり下がるものと期待するところだが、ここにはパチンコ業界特有の大きな壁が立ちはだかる。
「今の型式試験がある現状では難しい。そこまでやるにはどうしても法改正が必要になる。そうなった時に考えなければいけないのは、射幸性の行き過ぎや不正が行われていないかを担保することが必要になってくる。そういう意味でスマートパチンコ・スロットは一元管理していくところで、将来、時代に合わせて風営法の改正や業法にするにしても、必要な条件になっていくことで、スマートパチンコ・スロットの意義を感じていただきたい」と示唆する。
パチンコ業界が時代の流れと共に、法改正するにしても安心・安全の担保としてスマートパチンコ・スロットの役割は大きいようだ。
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