パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

夢洲にホールという発想

10月25日付の東洋経済オンラインに次のような見出しが躍った。

ラスベガスのカジノ王が「大阪」にこだわるわけ

サブタイトルはIR世界大手がぶち上げた最大1兆円投資計画

内容は同じアメリカ資本の競合ライバルでもあるラスベガス・サンズが大阪から横浜へシフトしたのに対して、MGMリゾーツ・インターナショナルは、2014年に日本法人を設立以来、一貫して大阪での運営権獲得を目指している、というもの。

ジム・ムーレンCEOは「2025年の大阪万博とともに、IRによってさらなる経済発展をしていく意思が大阪にあるのなら、MGMもぜひ大阪と一緒にそれを実現していきたい。パートナーのオリックスを通して、中小企業との連携も重視している。地元中小企業のデータベースを構築し、できるだけ関西企業と連携していく。さまざまな施設の建設費で、最大1兆円を投資したい。大阪は約9万人の雇用が創出されると推計している。IRを目的とした訪問客は約2000万人で、そのうち訪日外国人は約700万人と見込んでいる。これだけの人が関西を訪問することは、地域全体への大きな波及効果となる」と話す。

大阪にはMGMのほか、ギャラクシーエンターテインメント、ゲンティン・シンガポールが三つ巴の状況で進出を狙っている。吉村大阪府知事は「大阪にメリットがある業者を選ぶ」という程度に抑えている。

カジノの件で雑誌記者が自民党関係者を取材した。

「3カ所全部をアメリカ資本でやるのはまずいので、東と西をアメリカ資本で分け合う。大阪はMGMとオリックスのグループで決まりだよ。裏でゼネコンも糸を引いている。ジョイントベンチャーから外されないように必死」

大阪

ここで出てきたのがパチンコメーカーの話。

「パチンコメーカーも参入を目論んでいる。日本人に親しみがあるパチンコは、カジノでも必要と考えている。馴染みのあるパチンコを動線にボードゲームなどをやってもらえばいい」

パチンコ業界のメーカーがカジノに絡みたい話は日報で何度も取り上げているので特段驚くことでもないが、次の話は腰を抜かした。

「夢洲の中に出店を目論んでいるホール企業があります。そのホール企業の社長曰く『ギャンブル好きが集まるところにホールを出店しないでどうする。出店できればすごい宣伝にもなる』。IR施設の中にテナントで出店できれば最高でしょうね」

この発想は盲点だった。大手ではなく中堅どころのようだが、実現したら凄いことである。



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喫煙室でも加熱式タバコの是非

音楽メディアは暫く磁気テープの時代が続いたが、CDが登場してからは音質が劣化するカセットテープの時代は終わり告げることになる。このCDとて5GBでmp3楽曲を約1,000曲収録可能な初代ipodの出現によってその座を明け渡すことになる。
すっかり過去の遺産となった感のある磁気テープだが、データのバックアップ用に再評価されている、というのだから歴史は面白い。

データバックアップ用磁気テープの特徴として、他の記録媒体に比べて、従来からデータ転送速度に優れることが挙げられる。また媒体が安価な上に、保管中は電源が不要なためランニングコストも低く抑えられることができる。加えて、素材である磁性体技術の進化により、大容量のストレージを実現し、情報記録装置としての付加価値を向上させることもできる。

東日本大震災で被災した企業や自治体では、重要なデータの消失から復旧に手間取った反省点を踏まえ、新たな施策を実行しつつある。停電でもデータを消失することがなく、緊急移動の際も対応しやすい磁気テープでのバックアップを再評価しているのだ。

磁気テープには長い歴史があり、その中で再評価されているわけだが、ここからホールに関係のある話に移る。

来年4月から実施される受動喫煙対策法でホールも禁煙になる。世の中の禁煙化の流れの中で、煙の出ない加熱式タバコに切り替える愛煙家が増えているが、これを喫煙ルームで吸わせてもいいのか?と問題提起するホール関係者がいる。加熱式タバコが日本でも普及し始めて年数は浅いためどんな健康被害が出るかはこれからの問題だからだ。

ヤフーニュースによるとアメリカでは加熱タバコの健康被害が多発している、という。

—————米国の若い世代が、電子タバコの喫煙によると思われる重篤な呼吸器障害で続々と入院している。日本でも加熱式タバコのアイコス(IQOS)を吸って重い肺炎になるケースが報告され、これら新型タバコによる健康への害が次第に明らかになってきた。

(中略)

電子タバコの流行は多くの国々で深刻な社会問題になっている。米国では下院議会や食品医薬品局(FDA)、米国疾病予防管理センター(CDC)などは、10代の電子タバコ使用について警告し続けてきた。電子タバコが喫煙習慣や違法薬物のゲートウェイになるという指摘がある通り、米国の高校生の約27%はなんらかのタバコ製品に手を出すようになっている。

(中略)

日本でも加熱式タバコで重篤な呼吸器障害を引き起こし、一時は生命の危機に陥った患者の症例報告が出ている。これはアイコスを吸った後、急性好酸球性肺炎になった患者だ。好酸球は白血球の一種でアレルギー反応を制御するが、アイコスに含まれる物質が劇症のアレルギー反応と好酸球の活性化を引き起こしたのではないかと考えられている。

(中略)

新型タバコには紙巻きタバコからはあまり検出されない物質が出ているが、肺の奥深くまでこうした物質を吸い込んだ場合、健康にどのような悪影響が出るかわかっていない。しかし、米国や日本では徐々に新型タバコの使用によって重篤な症状が引き起こされると疑われる症例が出始めている————。
以上引用終わり

このことを組合の中で話題にしたが、「おたくも景品にアイコスを出しているんでしょう」の一言で片づけられてしまった。

歴史のある磁気テープは再評価される理由があるが、歴史のない加熱式タバコにはどんな問題があるかは、これからどんどん明らかになってくる。



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客からの理不尽クレームの対応

夜8時ごろ、島通路で客とスタッフがぶつかった。スタッフはランプ対応のために急いでいた。

「ぶつかった」と書いたがスタッフはぶつかった感覚はなかった。少し体が触れた感じだった。

「謝れ」

「申し訳ありません」とスタッフはすぐに謝った。

客は「思いっ切りぶつかってきた」と主張を譲らず、挙句の果ては「110番するぞ」とヒートアップしてきた。

監視カメラで確認すると客が主張する「思いっ切りぶつかった」という痕跡はなかった。スタッフが言うように軽く触れた程度であることが確認できた。

客は金品を要求するわけではない。その方が分かりやすいが、誠意を要求される方が対応は難しい。

ただ、結構負けていることは店側も把握していた。

怒りの根源は負けたことで、ちょっと体が触れたことを「思いっ切りぶつかった」と難癖を付けて怒りをぶつけているように思われた。

店長が対応に出たが事を収めることができず、客は「明日の昼にまた来る」と言い残して店を出て行った。

店長からの報告を受け、対応することになったのがエリア長だった。しかし、こういうトラブル処理の経験はなかった。

クレーム処理の鉄則はこうだ。

①心情理解とお詫び

客側の言い分を全部聞くこと。その間、反論は行わない。お怪我はなかったですか? 申し訳ありません

②原因・事実確認
うちの従業員が急いでいました。今も痛みますか?

③解決策の提示
一緒に病院へ行きましょう。

④再度のお詫びと感謝

心情理解のステップを簡略的に済ませると怒りは収まらない。

今回のケースでは負けた怒りは一晩寝れば忘れてしまうもので、翌日の昼にお客が店を訪れることはなかった。

そりゃそうだろう。怒りの原因は負けたことで、ちょっと体が触れたことに難癖を付けてきただけなんだから。



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酔客がいなくなった。ライバルは吉呑み?

あるホールが客層の分析をする中で、昔と違って酔客が減ったことを挙げている。この傾向が自店だけなのか、それとも全国的な傾向なのか、と気がかりになった。

かつてはホールには午後2時前後と夜の2回来店客数のピークがあったが、夜のピークがだんだん薄れていった。言うまでもなく、仕事帰りのサラリーマン客が減った、ということである。

サラリーマン客=酔客が減ったとも言えるのではないだろうか。

「酒を飲んでその流れで来店するお客さんが減りました。昔は駅前店では結構見かけたんですが、都内でも今はほとんど見かけません。お酒を飲んで来られるお客さんは家にすぐに帰りたくなかったんだと思われますが、酔っぱらわれたお客さんはどこへ行ったんでしょうか? それだけ懐が寂しくなった、ということなんでしょうか?」(都内店長)

2017年度の新生銀行の調査ではサラリーマンの平均小遣いは3万7428円、となっている。この金額は1979年の調査以来、過去2番目に低い水準となっている。

若者のパチンコ離れが進む中、まだ若いころパチンコをやっていた40代のお父さんたちの小遣いはいかほどなのか?

子育て真っ盛り世代の40代は3万5457円となっている。

この小遣いは昼食代も含まれている金額である。内訳を表にすると小遣いではパチンコなどできないことが分かる。

出典:Kirrinのネタ帳より


昔から小遣いの金額はさほど変わっていないにも関わらず、昔はサラリーマン層が多かった、ということは独身層がけん引していたことに加え、今よりも勝率が高かったから続けられた、ということが考えられる。

「昔は缶ビールを飲みながら打っているお客さんを注意したこともしばしばありましたが、今は全くなくなりました。居酒屋よりも安い吉呑みや日高屋で済ませ、パチンコにはおカネが回らないんでしょうかね?」(同)

今やパチンコのライバルは吉野家か。

ホールの従業員ですらパチンコを打たなくなっているのに、サラリーマンが打たなくなったことぐらいできそうなものだが。小遣いの内訳をみれば分かるように普通のサラリーマンは小遣いの中から他を切りつめても捻出できるのは月、5000円ぐらいか。

これで1パチを打つのが精々であろう。

「赤字を打って他店からお客を奪う時代でもなくなった。出しても閉めるととたんにお客さんは競合店に戻る。今はどの時間帯のお客さんを増やすか考えている…」(同)

集客の手詰まり感は否めないが、回して、回して設定を入れる。そのためには等価はもちろん、高価交換も止める。




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ホール経営したい青年と連絡とりたい、とホールからの問い合わせ

10月23日のエントリー、「全国でホールが1500軒になった時が客層が入れ替わる時期で、その時にホール経営を始めたいという青年」は、予想もしなかった反応があった。

何度か取材したことがある九州のホール関係者から「あの青年と連絡が取りたいと」と電話が入った。オーナーが「わが社に是非とも欲しい人材」と望んでいるようだ。

投資会社で勤務する青年(27)が将来的にギャンブル志向のユーザーがいなくなった時に、1日1000円で楽しめる小型店舗を経営したい、という内容。パチンコで稼ぎたい層はターゲットとせず、売り上げは店内に併設するそれ以外のものでおカネを落としてもらう、というアイデアだ。

このエントリーに対して日報コメンテーター陣は、いつも通りの否定的意見が炸裂する。

「ギャンブル志向以外の客なんてパチンコしますか? パチンコからギャンブルを抜いたら何が残りますか? そのパチンコは面白いですか? パチンコ以外でお金を落として貰い儲けるならパチンコは要らないです」

「ホールが激減して、1500店まで減った場合は、商売として旨味がなくなった状態です。そこにノウハウと資金のない若造がノコノコやってきも逆転の目はありません。万が一、その1日千円プランが大当たりしても、大手に真似されて客を取られて、他店もまねして、業界全体の売上が下がるだけです。憎らしい1円パチンコのように。大手の資金力の怖さをもっと学びなさい。 大体、バイトで雑用をやっていた駆け出しの小僧が何かを分かった気でいるのが滑稽だ。年長者に教えを乞う姿勢が足りない」

こういう否定的意見に対して、擁護論もある。

「ノウハウがあると偉そうに言う連中がやり続けて、いまのような惨状になったんだから、なにも知らない小僧がやったほうが可能性があるかも?」

で、話を戻すと、オーナーが興味を持ったのは、コツコツと貯金をする一方で、貯めた400万円を全額投資に回す大胆さ。投資会社も一目置く天性の嗅覚=投資勘。投資で儲けた1500万円で外車を買う破天荒さ。

そういう型破りの人間性は社内にはいない人材で、さらに将来を見据えた全く新しい発想のホール経営アイデアに共鳴した。青年が持っているアイデア次第では、実験店舗を任せてもいいぐらいの気持ちを持っている。

ギャンブル志向の客を育てて業界は成長したが、その反動が長らく続いている。ユーザーのカネが続かない営業を未だに続けているから業界は縮小する。

ただ、青年が考えているアイデアはギャンブル志向の客層がいなくなった後を想定している。現状でやってもちょいパチのような存在で終わってしまうので、オファーは受けないだろう。




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