嫌なこととはウーバー連中の常識外れの狼藉ぶりだった。お腹が空くと配達中のものをつまみ食いする行為を自慢話のようにすることだった。
マクドナルドならポテトをひと掴みする。焼きそばも割とつまみ食いしやすい。エビチリならエビを1匹とか。強者はビッグマックのパテを1枚丸ごと。苦情が来るかどうかのスリルを味わっている節もあった。
常識のない掃きだめグループとは一線を画していたが、さっさとウーバーを辞めて古巣に戻った。
外の空気を吸って分かったことは、ホールという職場環境の良さだった。丁度アルバイトの時給を上げるタイミングだったこともA君を喜ばせた。1200円が1250円に上がった。
一方、ホールの時給の高さの優位性もなくなってきた現在、ホールの採用コストは上がる一方で、これは各ホールに共通した悩みだ。
そんな状況下で紹介制度を採用して、採用コストが6割も減ったホールがある。紹介制度をスタートして8カ月経つ。この間、12人を採用したがまだ辞める者はいない。
紹介制度の中身は、ホールで働いているスタッフが友達に声を掛け、入社して半年勤めたら5万円、1年続いたら10万円が報奨金としてそれぞれに支給される。スタッフの紹介者なのである程度信用がおける。紹介者も友達の顔を潰すことができないので、いい人材が集まりやすい。無遅刻・無欠勤で働いている、という。
紹介制度以外で離職率を下げることに成功しているホールがある。
それは食事手当だった。1日500円の食事手当を出していたホールが、1日1000円の支給にしたところ、離職率が大幅に下がった。時給を100円上げるよりも1000円の食事手当の方がインパクトは大だ。
また、福利厚生を充実させて宿泊施設に安く泊まることができたり、スポーツジムを格安で利用できたり、とあの手この手で従業員の気を引いているが案外利用することが少ない。それよりも食事代1000円は毎日のことなので効果が高いようだ。離職率が下がったということはひいては採用コストの削減にもつながっている。

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